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初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!

克全

第52話食事団

「さて、取りあえず食事にしよう」

「はい!」
「・・・・・」

まあこの反応は当然と言えば当然だ、いきなり今まで所属していたパーティーの見習いを解除され、見も知らない人間が指揮するパーティーに見習いばかりが放り込まれたのだ。信頼して返事してくれるのは、ギルドマスター失禁事件の現場に居合わせたイルオンくらいだろう。イルオンは自分が所属していたパーティメンバーを、俺が瞬時に制圧しているのも、ギルドマスターを失禁させたのも知っているから、心から信頼してくれている。

「周りを警戒しながら料理に使う焚(た)き木を集めてくれ」

俺は何ごともないように自信満々に見習冒険者に話し掛け、アイテムボックスからコボルトの肉を取り出した。イルオンの他に、俺が直ぐに所属パーティから引き取れたのは7人の見習い冒険者だけだ。彼らは揃って痩せ細り、ろくに食事を与えられていなかったのは一目瞭然だ!

俺が冒険者ギルドの解体職を脅して、急ぎ料理に使えるようにしたコボルト肉だが、見習いたちは期待と不安の入り混じった眼つきでチラチラとコボルト肉を見ている。

「いいか! 狩りに行く前にしっかり食事をしてもらうからな、そんなすきっ腹の喰い力がゼロの状態じゃ、絶対に狩りは成功しないからな、分かったか!」

「「「「「はい!」」」」」

俺が気合を込めて話しかけると、それに圧倒されたのと、食事が出来るかもしれないと言う期待で反射的に返事をしてくれた。よしよし、いい傾向だ、これでこそギルドマスターを脅して、見習い全員を俺の従卒にさせた甲斐がある。俺が見習いにチャンと食事を保証した上で狩りを教えるから、今所属しているパーティーから俺が新設するパーティーに移籍させろと交渉したのだ。

あれほどの醜態を職員や冒険者に見せてしまったギルドマスターに、拒否することなど出来るはずもなく、ズボンを急いで着替えたかったのもあって、俺の言い成りに約束をしてくれた。現場を見聞きしている職員冒険者も多いから、後で約束を反故にしようとしても無理だろう。

欠食児童のような見習い冒険者が7人だから、急いで解体させた4頭のコボルト肉で十分だろう。いや、見習い冒険者全員が揃ったら43人だと聞いているから、今回の狩りで獲物を手に入れるか、アイテムボックスに死蔵しているコボルトやオークを解体してもらわないといけない。

開拓村にノーマルのオークやコボルトは全部残してきたけど、買い取り金額が高くなるファイターオークやファイターコボルト以上は、全部俺のアイテムボックスに入れてあった。さっきイルオンが、コボルトの肉は鳥っぽさ強めに馬と豚を薄めて混ぜたような味と言っていたが、会話が自動翻訳されているから、鳥が鶏の事なのかハーピーの事なのか分かりにくいし、馬もホースの事なのかケンタウロスの事なのか分からない。豚の事はポークなのかボアなのか、それともやはりオークの事なのか分からない、何とも言えない微妙な気分だ。

(おい、ミノルいい加減料理に集中しろ、見習いたちが不安がっているぞ)

いかんいかん、まずは腹一杯食べさせてやらないとな、大鍋に解体させたファイターコボルト肉を入れていく。

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