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初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!

克全

第51話威圧

「え? あの、その」

「いいから、いいから、俺はオークもコボルトも大嫌いでね、捨てるのも勿体無(もったいな)いから食べてくれよ」

「あ、はい、御馳走(ごちそう)になります」

最初は遠慮と言うより警戒していたのだろうが、よほど空腹だったのだろう、フラフラとカウンターにやって来て貪るように食べだした。そのやせ細った姿を見れば、どれほど過酷な環境に置かれていたか分かると言うものだ。こんなに痩せ衰(おとろ)えていたら、冒険者として働けるはずもなく、失敗するのが当たり前なのだ。それを失敗したと飯抜きにして、空腹にさいなまれる姿を見て嘲笑(あざわら)うなど、畜生(ちくしょう)の所業(しょきょう)だ!

「ミノル、いったいどう言う事なんだ?」

「どう言うもこう言うもないな、マスター」

「ギルド批判とは、今日入ったばかりの人間のする事では無いが?」

「このような畜生の所業をするギルドなど、いつでも辞めてやるよ」

「ここまで好き放題やって、タダで止められると思っているのか?」

「マスターこそ、俺が何の勝算も無しに喧嘩売ると思っているようでは、頭の程度が知れているな」

「ちぃ! ゴーラン、ノーラの件とジャイアント・レッドベアーを見せた反応で、俺たち相手なら1人でも勝てると判断したのか!?」

「ああ、田舎者なんで冒険者の強さも物価も探り探りだったが、門番の気配とギルドの連中の強さを考えれば、俺1人でも全員をぶちのめせると分かったよ」

「俺も元冒険者だ、そう容易くはやられんぞ」

「はん! 弱い者を虐めるしか能の無い冒険者の親玉など恐れる必要はないね、500を超えるオークの軍勢すら1人で狩って来た俺だ、あんた程度のマスターに率いられた冒険者など瞬殺してやるよ」

(ミノル、殺気を出して威圧してやれ、それで小便チビッテ終わりだ)

威圧(コウアース)の魔法を使わないのか?

(わざわざ魔法を使わなくても、ミノルが気配を漂わせるだけで十分だ)

分かった、殺すぞと言う気合で睨んでみるよ

「うっ! なっ?」

あぁあぁあぁ、可哀想に、ギルドマスターともあろうものが、俺の殺気に反応して失禁してるよ!

まあ全方位じゃなく、マスター単独に殺気を向けたから他の冒険者や職員が失禁するような事はないけど、周りの人間には俺とマスターの格の違いが一目瞭然(いちもくりょうぜん)だな。ゴーランの件では立派なものだと思ったんだがな、残念な事だ。

(おいおい、それは可愛そうと言うものだ)

何故だい?

(ミノルは我のデュオとして圧倒的な能力を手に入れた上に、初日に帝国軍を全滅させた事で、この世界に冠絶するほどのレベルに達しているのだ。今のミノルと真面の戦えるのは、原初の生物だけだよ)

なるほど、それでは俺自身が弱い者苛めをしてしまったのだな、これはちょっとフォローしておいた方がいいな。

「マスター、ここは1つ提案があるのだがな」

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