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初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!

克全

第48話準備

(ミノル、どうする心算なんだ)

うん?

何を聞いているんだ?

(しばらくこの街に留まるのだろう?)

ああ、それがどうかしたか?

(白虎やアグネスを放っておくのか?)

いや、夜になったら部屋を抜け出して会いに行く心算だ。

(ふむ、バレルと色々面倒ではないか?)

俺が本気で気配を隠そうとしたら、誰にも気づかれないんじゃないのか?

(その通りだが、人種の都合など考えずに旅を再開すればいいのではないか。なにもこの街やこの国にこだわらなくても、ミノルならどこででも暮らしていけるだろう?)

まあそれはそうなんだが、俺の故国の言葉に「袖振り合うも多生の縁」と言う言葉がある。セイの魔法でこの世界に来る事になったが、俺が輪廻転生(りんねてんせい)を繰り返しているのなら、セイや白虎・アグネスだけではなく、ギルドマスターやノーラ・プリネラとの出会いも。何度も繰り返された過去の世の縁(えにし)によるものと言う考えだ。

(なるほど、ゴーランとのイザコザに巻き込まれたのも縁(えにし)であり、ここで逃げ出す訳にはいかないと言う事なのだな)

ああ、どんな結末になるかわ分からないけど、出会った全ての人との縁は大切にしたい。少なくとも俺が好意を抱いた人との縁は、大切にしたいと思っている。

(ノーラやプリネラが気に入ったのだな)

年が離れすぎているからこそ、護ってあげたいと思うよ。命懸けで生きて来た人生の重みは、俺などよりも何倍も何十倍も濃密で、俺が偉そうに語れる存在ではないのは十分解っている。だけどセイの御蔭で無類の強さを手に入れたんだ、少しくらい御節介させてもらってもいいだろう。

(ふむ、まあそう言いう考えならこの街で時間を潰してもいいだろう。それでなくともミノルは俺とデュオになった事で、不老不死に近い存在になったんだ、時間を使う方法を学ばないと精神がすり潰れるかもしれないな)

不老不死か、死ぬことが怖くて怖くて仕方がなかったけど、これからは漫画や小説で読んだように、死ねないことに悩むのかもしれいんだな。

(そう言う事例も多く見て来た、自分が死ななくなった事で良識や常識が崩壊していき、人種の災厄になったヴァンパイアやレイスもいた)

故国でもお金ではなく時間を使う趣味が好きだったから、この世界でも時間を使って愉しむことにするよ。

(誰か近付いて来るぞ、敵意はないようだが)

ああ、俺にも敵意の無いのは分かったよ。

コンコン

「はい! 何か御用ですか?」

「食事の用意が出来ました、下においでください」

「いや、大丈夫だ、自分の食料は用意している」

「マスターの指示で無料になっていますので安心されて下さい」

(嘘の所為で不味い飯を喰わなばならないようだな)

嘘の罰とは言え、不味い物を喰わされるのは嫌だな。

あ!

オークやコボルトを喰わされるんじゃないだろうな?!

「ミノルさん? 聞いてますか?!」

どうしよう!?

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