初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!
第37話悪漢
クソジジ?
もしかして俺の事なのか?
う~ん、日本じゃ50歳でもオヤジとは言われてもジジイとは言われなかったのだがな。この世界じゃ爺さんあつかいなのか?
「こらクソジジ、聞いてるのか?!」
やれやれ、わざわざステイタスを調べる必要が無いくらい実力差が有るのが理解出来てしまう。モンスターだと気配だけでは分からない事もあるが、同じ人間だと分かってしまうようだな。まあこれでも若い頃は柔道初段相当の実力は有ったはずだから、その影響なのかも知れないな。
(おい、そろそろ殴りかかってくるぞ)
セイの忠告は言われずとも分かっていたが、せっかく忠告してくれたのだから熊男の事も考えてやろう。いかにも荒くれの冒険者と言った風貌(ふうぼう)の男だが、俺が熊男と印象を受けた通りの姿形(すがたかたち)をしている。
身長は2m弱で、筋肉と脂肪が程よくついた体重は120kg前後だろうか。戦闘スタイルは素早さや技を磨いたものではなく、持って意まれた身長と乱暴狼藉(らんぼうろうぜき)と暴飲暴食(ぼういんぼうしょく)で身に付いた少しのパワーを生かしたものだろう。
この程度の実力なら、努力を重ねてきた小兵の冒険者でも十分対抗できると思うのだが?
酒場にいる冒険者の大半がニヤニヤと嫌な笑いを浮かべているし、少数の良識有りそうな冒険者も俺の方を見ないようにしている、何か特別な力を持っているのだろうか?
「おい! お年寄りに対して悪ふざけが過ぎるぞ!」
赤毛の美しい女冒険者が止めに入ってくれたので、熊男や観衆の注意が俺からそれた。別に衆人監視(しゅうじんかんし)の中でも自由に動けるのだが、わざわざ目に付くような真似はしたくない。だからこの機会を生かして、スッと滑るように受付の方に移動した。
「黙ってろ糞女(くそおんな)、俺様が先輩として冒険者の仕来りを教えてやってるんだ、邪魔するんじゃねぇ!」
「腕力で何度も自由に出来ると思うなよ、これ以上の横暴をするのならもはや容赦せんぞ」
赤毛の美女は中々人望があるようだ、今まで見て見ぬ振りをしていた良識派と思われる冒険者たちが、武器に手をかけていつでも加勢出来るように身構えている。しかしその気配を察して、熊男の仲間と思われる連中も武器を手にし始めた。これはちょっとまずいかもしれない、良識派には女冒険者が数人混じっているから、俺が原因で婦女暴行など起こっては寝覚めが悪い。
「受付さん、俺はまだ冒険者登録していないんだが、冒険者が仕事を依頼にギルドに来た一般人を、脅したリ殺傷した場合はどう言う扱いになるんだい?」
俺はその場の雰囲気を変えるために、わざと皆(みんな)に聞こえるように大声で受付嬢に質問してみた。これが意外なほど冒険者たちに効果があったようで、全員ギョッとして表情まで変わった。
「え~と、その、はい! 冒険者が正当な理由なく一般市民を傷つけた場合は最高死罪です。最低でも戦闘奴隷として、最も危険な戦場に死ぬまで送り込まれます」
「そうか、だったらこの場合はどうなるんだい?」
「え~と、その、はい! まだ直接暴行は行われていませんが、明らかな脅迫ですから、脅迫罪の疑いで逮捕されます」
「じゃあ厳正な処置を御願いしたいですね、冒険者組合に仕事を依頼しに来て冒険者に脅迫されるなど、絶対にあってはいけないのではありませんか?」
「はい! 絶対にあってはいけない事です、ゴーランを逮捕しなさい! 味方する者や逃がそうとする者は、仲間として同罪に問われますよ!」
(ミノルよ、冒険者に成る為にここに来たのではないのか?)
(別に今直ぐ冒険者に成る必要はないからね、商人ギルドの方に登録してもいいし、全ての方がついてから、改めて冒険者に成ってもいいんだしさ)
(はてさて、この結末はどうなることやら)
もしかして俺の事なのか?
う~ん、日本じゃ50歳でもオヤジとは言われてもジジイとは言われなかったのだがな。この世界じゃ爺さんあつかいなのか?
「こらクソジジ、聞いてるのか?!」
やれやれ、わざわざステイタスを調べる必要が無いくらい実力差が有るのが理解出来てしまう。モンスターだと気配だけでは分からない事もあるが、同じ人間だと分かってしまうようだな。まあこれでも若い頃は柔道初段相当の実力は有ったはずだから、その影響なのかも知れないな。
(おい、そろそろ殴りかかってくるぞ)
セイの忠告は言われずとも分かっていたが、せっかく忠告してくれたのだから熊男の事も考えてやろう。いかにも荒くれの冒険者と言った風貌(ふうぼう)の男だが、俺が熊男と印象を受けた通りの姿形(すがたかたち)をしている。
身長は2m弱で、筋肉と脂肪が程よくついた体重は120kg前後だろうか。戦闘スタイルは素早さや技を磨いたものではなく、持って意まれた身長と乱暴狼藉(らんぼうろうぜき)と暴飲暴食(ぼういんぼうしょく)で身に付いた少しのパワーを生かしたものだろう。
この程度の実力なら、努力を重ねてきた小兵の冒険者でも十分対抗できると思うのだが?
酒場にいる冒険者の大半がニヤニヤと嫌な笑いを浮かべているし、少数の良識有りそうな冒険者も俺の方を見ないようにしている、何か特別な力を持っているのだろうか?
「おい! お年寄りに対して悪ふざけが過ぎるぞ!」
赤毛の美しい女冒険者が止めに入ってくれたので、熊男や観衆の注意が俺からそれた。別に衆人監視(しゅうじんかんし)の中でも自由に動けるのだが、わざわざ目に付くような真似はしたくない。だからこの機会を生かして、スッと滑るように受付の方に移動した。
「黙ってろ糞女(くそおんな)、俺様が先輩として冒険者の仕来りを教えてやってるんだ、邪魔するんじゃねぇ!」
「腕力で何度も自由に出来ると思うなよ、これ以上の横暴をするのならもはや容赦せんぞ」
赤毛の美女は中々人望があるようだ、今まで見て見ぬ振りをしていた良識派と思われる冒険者たちが、武器に手をかけていつでも加勢出来るように身構えている。しかしその気配を察して、熊男の仲間と思われる連中も武器を手にし始めた。これはちょっとまずいかもしれない、良識派には女冒険者が数人混じっているから、俺が原因で婦女暴行など起こっては寝覚めが悪い。
「受付さん、俺はまだ冒険者登録していないんだが、冒険者が仕事を依頼にギルドに来た一般人を、脅したリ殺傷した場合はどう言う扱いになるんだい?」
俺はその場の雰囲気を変えるために、わざと皆(みんな)に聞こえるように大声で受付嬢に質問してみた。これが意外なほど冒険者たちに効果があったようで、全員ギョッとして表情まで変わった。
「え~と、その、はい! 冒険者が正当な理由なく一般市民を傷つけた場合は最高死罪です。最低でも戦闘奴隷として、最も危険な戦場に死ぬまで送り込まれます」
「そうか、だったらこの場合はどうなるんだい?」
「え~と、その、はい! まだ直接暴行は行われていませんが、明らかな脅迫ですから、脅迫罪の疑いで逮捕されます」
「じゃあ厳正な処置を御願いしたいですね、冒険者組合に仕事を依頼しに来て冒険者に脅迫されるなど、絶対にあってはいけないのではありませんか?」
「はい! 絶対にあってはいけない事です、ゴーランを逮捕しなさい! 味方する者や逃がそうとする者は、仲間として同罪に問われますよ!」
(ミノルよ、冒険者に成る為にここに来たのではないのか?)
(別に今直ぐ冒険者に成る必要はないからね、商人ギルドの方に登録してもいいし、全ての方がついてから、改めて冒険者に成ってもいいんだしさ)
(はてさて、この結末はどうなることやら)
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