話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!

克全

第35話テトラ街の門番

「身分証を見せろ」

「これしかないのですが」

「うん? 開拓村の出身証明書だと?」

「俺の産まれた村は、冒険者組合もない辺境のド田舎で、身分証の代わりの村長が彫ってくれた木札しかありません」

「わちゃ~とんでもないド田舎から出て来たんだな、出稼ぎの為に冒険者希望の猟師か?」

「はい」

「しかしな、御前もういい年だろう? そんな歳で今更冒険者みたいな命懸けの仕事出来るのか?」

「出来るも何も、村は入植以来最悪の旱魃(かんばつ)に襲われています、獣どころかモンスターすら出没しなくなりました。50であろうと60であろうと、少しでも働ける人間が金を稼いで食料を買って帰らないと、村は全滅してしまいます」

「そうか、それは大変なことだな、だが死んでしまったら村に食料を持ち帰ることは出来んぞ、無理はするなよ」

「はい、ありがとうございます! それで教えて頂きたいのですが、冒険者ギルドはどこにあるのでしょうか?」

「この門を入って直ぐ右手の大きな建物が冒険者ギルド・テトラ支部だ」

「ありがとうございます」

「おっと待った、今の話を聞いて言い難いのだが、街に入るには税金として小銀貨1枚が必要になる」

「え? そんな御金ないんですが、どうすればいいでしょうか?」

「まあそう言うと思ったが、可哀想だが税金を払わないものを城壁の中に入れる訳にはいかない。御前に猟師としての腕があるのなら、ほれ、あの森の中にモンスターがウヨウヨいるから狩って来い」

「現物で税金を払えるのですか? だとしたら村にいる時に狩ったホーンラビットの毛皮が有るんですが」

「そうか、なら見せてみろ」

「ほう綺麗なものだな、これなら大銅貨2枚くらい価値はあるだろう。だが逆に商品を持っているから商人扱いになり、税金も大銀貨1枚分になってしまうぞ」

「そんな!」

「おいおいおい、揶揄(からか)うのは止めてやれ。行商人程度の担ぐ量の商品なら大丈夫だ、荷車で来たりアイテムボックスや魔法袋を持っている商人なら別だが、近隣の農民や冒険者が運んでくる商品にまで大銀貨を徴収したりはせんよ」

ずっと相手をしてくれていた門番は、親切だが冗談は下手らしい。だが門番全体を統括している責任者は、生真面目(きまじめ)な性格のようで、直ぐに訂正してくれた。

「はっはっはっ、すまんすまん、冗談だ。物納は多少損をする事になるが、5枚ほど納めてくれれば税金を払った事になる」

「ではそうさせていただきます」


「貨幣」
小銅貨:  100円
大銅貨: 1000円
小銀貨:   1万円
大銀貨:  10万円
小金貨: 100万円
大金貨:1000万円
白金貨:   1億円

「初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く