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初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!

克全

第25話ボア・マメのショウガ醤油煮

昨日俺とセイが豚カシラの東松山風焼き鳥をタップリ作った後で、俺はトレーラーハウスで早めに寝させてもらったのだが、セイは温泉酒を愉しむ白虎を追い立てて、新たに魔道オーブンを10個創り出させオークの丸焼きを焼かせたそうだ。

しかも明け方まで試作創作を繰り返させ、ジャイアント・ブラウンボアを丸焼きできるような、大型トラック車庫級の魔道オーブンを5個も創らせていた。いやそれだけでは済まさず、俺の記憶の中にある回転式鶏の丸焼き機を参考に、ゴンドラを10個備えて同時に20頭のオークを丸焼きに出来る魔道オーブンを10機も完成させていた。

歯を磨いて朝食を取ろうとトレーラーハウスを出たのだが、白虎をみたら一晩で信じられないくらいやつれていた。あまりにかわいそうなので、リュウの為に白虎が作ってくれたオークの丸焼き1頭を御褒美(ごぼうび)にあげてしまった。

「主、朝食だけじゃなく酒もくれよ、身体を元に戻すには温泉と酒が必要なんだよ」

「図々しい事を言うんじゃない、それくらい四聖獣なら直ぐに元に戻るであろうが」

「まぁまぁまぁ、いいじゃないかセイ、これだけ頑張ってくれたんだから酒くらい安いもんだよ」

「ミノルは甘いな」

「動物は愛情を込めて接してあげないとな」

さて、こんなに頑張ってくれたんだから、昨日みたいに同じ日本酒じゃ可哀想だ。アルコール度数が高くて熟成されている酒を探すとなると、泡盛がいいと思うが適当なものは無いだろうか?

泡盛・甕で探すと結構な量が出て来たが、高い順に並べ替えると5升壺・44度・9000mlが33382で出ている。とりあえずこれを買って渡しておこう。

泡盛・5升壺・44度・9000ml:33382

「白虎、これはとても強い酒だから気をつけて飲むんだぞ」

「おおおおお! 有り難い、主よ」

やつれた姿は変わらないが、急に元気を取り戻した白虎は風魔法を駆使して、まるで奪うように泡盛の壺を自分の顔の前に呼び寄せた。

「うひょ~! いい香りだ」

瞬く間に壺の封を開けて舌を突っ込んで飲んでいる。

この勢いじゃ5升でも直ぐに飲み干してしまうだろう、御褒美(ごほうび)だしもう少し買っておいてやろう。次に高いのが43度の5年古酒1800mlの5本セットだが、26671くらい安いものだ、これも買っておこう。

泡盛・5年古酒・43度・1800ml×5本セット:26671

3番目に出てるのが30度8年古酒720mlの12本セットだ、度数も内容量も違うからこれも買って置こう。

泡盛・8年古酒・30度・720ml×12本セット:21980

もう12本くらい買っておいてやりたいが、30度古酒セットと44度古酒仕込み用セットのどちらにしようか?

俺は酒が飲めないから間違っているかもしれないが、泡盛を買う以上度数が高い方がいいとしよう。

泡盛・44度・1800ml×6本セット:16108
泡盛・44度・1800ml×6本セット:16108

「これも飲んでいいからな」

「ありがとう主!」



「セイ、そろそろ村を出たいと思っているんだが、どうだろう?」

「いいのではないか、村の分身体との連絡は完璧だし、リュウを上手く使いこなせれば村は我ら原初級2体が護る事になるから大丈夫であろうよ」

白虎への御褒美を与え終えたから、今後の行動をどうするかセイと相談することにしたのだが、一緒に旅に出てくれるようだ。安心したら急に空腹を感じたので、アイテムボックスに保管してある作り置き食べることにした。

ホーンラビット腿肉塩胡椒唐揚:1本
ホーンラビット腿肉ニンニク醤油唐揚:1本
ホーンラビット腿肉カレー粉唐揚:1本
ホーンラビット肝生姜煮:1羽分
ホーンラビット心臓焼き鳥風焼き煮:1羽分
小海老の天ぷらの付け合わせサラダ:2人前
フライドポテト:2人前
人参グラッセ:1人前
バターコーン:1人前
ほうれん草バター:2人前

50歳のおっさんにしたら、朝からかなりの量の食事なのだが、魔力があるせいのだろうか、食べようと思えばいくらでも食べることが出来るようになった。そして村人に出て行くことを伝え、リュウと言うドラゴンも今後は守護役を引き受けてくれるが、その代わり毎日料理を貢物(みつぎもの)として差し出すことになると話に行くことにした。

「おはよう村長」

「おはようございます、救世主様」

「明日の朝早くこの村を発(た)つことにしたから、今後の事は御神木からのお告げに従ってくれ」

「はい、昨日初めて御神木様からお告げを頂いた時は驚きましたが、料理の作り方やアイテムボックスを貸していただく事まで色々と教えていただき、心から安心することが出来ました。そうでなければ救世主様に縋(すが)りついて、行かないで下さいと御止めしていたでしょう」

「そうか、そんなに安心出来たのなら俺も心置きなく出て行けるよ。それと御神木以外に、昨日話していたドラゴンのリュウが、料理を貢(みつぐ)事を条件にモンスターを狩ってくれる」

「そうなのですか? ですが御神木様以外にそのようなドラゴンに護って頂く必要があるのでしょうか?」

どうやら村長は、御神木に護ってもらえることで保守的になってしまっているのだな。確かにセイの分身体がいれば何の心配もないだろうが、それでは俺の目論見が崩れてしまう、ここはセイに動いてもらおう。

「そうか、だがそのドラゴンは御神木の古くからの友達なんだ、どうしても頻繁(ひんぱん)に会いに来るし、その時には大量の料理を作ってもてなす必要があるんだ。この事は御神木から直接お告げすると思うから、その時には絶対に逆らっちゃ駄目だぞ、見捨てられたら村の存亡にかかわるからな」

セイ、すまないが頼んだよ。

(任せておけ、それくらい簡単な事だ)

「そうなのですか? 御神木様の御友達が来られるのなら、御接待しない訳にはいきませんね」

「分かってくれたのなら、そのための新しい料理を教えるから、また村人全員を集めてくれ」

「承りました」

また村長が全村人を集めてくれたのだが、それこそ軍隊の様に駆け足で集まってくれた。彼らに新しい料理を教えることにしたのだが、今回も人間用では無くリュウ用で、簡単に1度に大量の料理を作るレシピになる。

「いいか、材料は丁寧に下ごしらえしたボアやオークの腎臓を使うんだが、余分な脂肪を丁寧に取ってくれ。そして人間が食べる分は食べやすい大きさに切ってくれればいいが、御神木の友達・リュウを接待するための料理は、そのままの大きさで煮こんでもらう」

「「「「「はい」」」」」

「灰汁(あく)を抜くために1度下茹(いちどしたゆ)でする」

「「「「「はい」」」」」

「新たに鍋に下茹でした腎臓を入れて、かぶるぐらいの水を新たに入れて茹でる。沸騰したら適量のショウガと醤油(しょうゆ)を入れて20分ほど煮れば完成だ」

「「「「「「はい」」」」」

「リュウの接待料理は、御神木から指定がない限り村人に人気のない部位を使えばいい。村人がレバーが嫌いならレバーをドラゴンに食べさせればいいし、胃袋に人気がないなら胃袋を料理して渡せばいい」

「救世主様、御言葉でございますが村人たちはレバーが大好きでございます。出来ましたらそれ以外の物を差し出したいのでございますが?」

「そうか、それでいいぞ、ただ御神木も友達のドラゴンから食べたい物を指定されたら断れないだろうから、その時は自分たちが食べれなくなってもその通りにしてくれ」

「はい、それはもちろんでございます、では早速オークの腎臓で同じ料理を作らせていただきます」

村長は料理係の村人にテキパキと指図していたが、驚いた事に調理道具は一夜にして新しくなっていた。

(昨日の内に分身体が石を集めて、各家庭に石窯を創り出したのだ)

内心の俺の疑問に対して、村人に自分の本性がバレないように念話でセイが返事を返してくれた。

どう言う事だい、そんなに簡単にこれだけたくさんの石材が集まったのかい?

それに石と石を繋ぎ合わせたのは漆喰やコンクリートかい?

(白虎ごときでも、昨晩の内にあれだけ立派な魔道オーブンを創り出したんだ、我が分身体がこの程度の石窯を創り出すくらい簡単なことさ。それに材料の石は根を広く深く張った時に出て来たものを利用したし、魔力があれば漆喰やコンクリートなど簡単に創り出せるさ、作り方はミノルの頭の中に入っていたからな)

それもそうだね、小説を書くために色々な本を一通り読んでいたから、直ぐには思いだせなくても深層記憶に残っていたのだろう。それにしてもこの石窯はよく出来ているな、下に薪を入れて火を熾(おこ)す部分があり、左上にはピザやパンを焼く窯の部分がある。右上の部分は、上に寸胴鍋や北京鍋を置いて料理が出来るようになっている。

薪は分身体が創り出すと言っていたけど、石窯に近い分身体で出来た家の壁部分は熱くないのかい?

(それは大丈夫だ、人間も使いこんだ手や足は厚くなって、少々の熱や圧力には耐えれるようになっているだろう、同じ事だよ)

そうだな、ペンダコ・剣ダコ・担(にな)いダコ(神輿ダコ)と同じだな、外皮の部分を厚くすれば少々の熱でも本体には影響がなのだろう。だがこれほど立派な石窯を創り出したのなら、俺も作った事はないけどパン焼きに挑戦してみようか?

ああでもそれはもっと暇な時に考えるとして、次の街でドローン配送を使えることがバレると拙(まず)いので、今のうちに白虎に与える日本酒と泡盛を1回分づつ買っておいて、アイテムボックスに入れておくことにしよう。

村長の案内で、各家庭の調理器を見学させてもらったり、また高く厚く丈夫になった防壁が自分で移動して村の敷地を広げたところも案内してもらった。それにしても1番驚いたのは、トレーラーハウスの水洗便所を見知ったセイが、分身体に身体を使って水洗便所を再現させていた事だ!

これが村の全所帯に普及するなら、村中に漂う便臭が解消され、俺もこの村に永住したくなるかもしれない。もっとも罪滅ぼしの旅を終えてからでないと、毎晩悪夢で苦しむことになりそうだが。

(お~い! セイに呼ばれてきたが何事だ?)

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