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初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!

克全

第22話セイ分身体の村壁が攻防生産一体なのです

俺は白虎にグレーボア・ブラウンバイソンを狩ってくるように命じた。

美味しく食べるために色々試そうと決意したグレーボアは、体高95cm・体重400kg・買い取り価格20万位となるようで、白虎なら鼻歌混じりに狩りが出来るそうなので、指定して狩ってもらう事にしたのだ。

もう1つのブラウンバイソンは、日本で言うところの牛のようなモンスターで、牛肉料理も食べたくなったので狩ってもらう事にしたのだ。体高140cm・体重1000kg・買い取り価格100万位となるようで、コイツも食材として白虎に指定して狩ってもらう事にしたのだ。

白虎にとったら、ブラウンバイソンでもミノタウルスでも簡単に狩れるようだが、ミノタウルスでは俺が食べることが出来ないので、くれぐれも四足の獣型モンスターだけ狩ってくるように念を押しておいた。

白虎が狩りの為に出かけると、弱火で煮込んだり焼いたりしているオークを見てるだけと言うのも嫌だ。何より罪滅ぼしに村を支援すると決めた以上、村人たちに何が1番欲しいのか、何に1番困っているのかを確認したい。

そう思ってもう1度村の防壁を越えようとしたのだが、さっき越えた時より高さも厚みも増しているような気がする。いや、確実に増しているし、外側も内側も村人の家も含めて、セイ2から伸びた蔦(つた)にビッチリ覆われている!

「なあセイ、これって防壁を強化してるの? まさか食虫植物みたいに村人を喰ったりしないよね?!」

「ミノル、それは失礼だぞ」

「ごめんごめん、だけど村人の中には怖がっている者もいると思うぞ」

「それはちゃんと説明してある」

「え? いつそんなこと説明したの?」

「この村に挿し木した分身体は、基本境界内にいる本体と意識が共通しているが、本体が意識を切り離せば独自に考え行動することが出来るのだ。もちろんそれまでの記憶があり、知識も経験を引き継いでいる。さらに本体が望めば、直ぐに本体の支配下に戻り、互いのそれまでの記憶を共用することが出来るのだ」

「凄いと言うか、都合がいいと言うか、何でもありだな」

「まあ原初のモンスターだからな、並みのモンスターとは比較にならない力があるのだ」

「そうか、今回も独自に行動させたのか?」

「いや、本体と言うか我の命令だな、ミノルが罪滅ぼしを決断した以上、この村は何があっても護りきらねばならぬからな」

「そうか、ありがとう!」



「村長すまないな」

「いえいえ救世主様、オークやグレーボアの解体の仕事を頂いた上に、清浄(せいじょう)な水をふんだんに使えるようにして頂きました。燃料も御神木様(ごしんぼくさま)が、身を削って薪を与えて下さるのです、謝って頂いては罰が当たります」

おいおい俺は何時から救世主になっったんだ?

それにセイさんよ、自分の事を御神木様と呼ばせているのか?

(しかたあるまいよ、この村はオークに攻め滅ぼされ喰い殺される運命だったのだ。それを助けてもらったら救世主が現れたと思うし、これから安全な生活を保証してもらえるなら、神様扱いもするだろうさ)

「救世主や御神木は言い過ぎだろう」

「何を仰いますか、命の恩人に対して礼を尽すのは当然で御座います! 他にもこれほど立派な防壁を作って頂き、モンスターを恐れる必要すらななくなったのでございます、救世主様と御呼びする以外の表現はございません」

「分かった、分かったよ、それとモンスター以外の食糧なんだが、御神木が実をつけれるか試してみるから、村人を集めて確認してくれ」

(どう言う事だ?)

肉ばかり食べていると身体に悪いから、セイに実をつけてもらおうと思ったんだが、セイは実がつかないのか?

(我も樹木だから実をつけようと思えばつけれるが、そこまでさせるのか?)

まあ俺のデュオになった副作用とでも思って諦めてくれ。

(まぁしかたないな、ミノルには色々負い目があるからな、だがその分村人には多くの祈りを捧げてもらうぞ)

わかったよ。

「救世主様、今は村人総出でオークの解体をさせて頂いているのですが、村人を集めると解体が遅れてしまいますが、よろしいでしょうか?」

「ああ大丈夫だ、今後の事もあるから全員集めてくれ」

「承りました」

村長が村人を集めに出て行ったのだが、あっという間に全員集合してくれた。集合の早さになんか微妙に罪の意識が頭をもたげる、独裁者(どくさいしゃ)になりたい訳ではないから言動には極力気をつけよう。

村に来る前に確認した、ドローン配送で取り寄せてセイに創り出してもらいたい果実には、パンの実と言うものがあった。煮ても焼いても蒸して揚げても茹でても美味しく食べれるそうなのだが、果実にデンプンを含んでおり火をいれると、サトイモの様なネットリ感、またはジャガイモの様にほっくりした感じになるそうなのだ。だが残念な事に、R社が手本になったドローン配送にパンの実はなかった。

次に確認したのはココナツヤシの実で、最初にジュースを飲むのはもちろん、実も美味しく食べることが出来る。手頃に熟したココナツヤシの実はイカ刺しのような食感で、ワサビ醤油で食べると美味しいそうだ。硬くなってしまった物は、ほんのりと甘いが日本人には美味しくも不味くもないが、この村の人たちの栄養を偏らせない為には実らせるべきだろう。

有り難い事にセイが見事に再現して実のらせてくれたから、俺自身でジュースを飲んで実も食べて実演して見せた。これで万が一セイの分身体が水を創り出す魔力をなくしたとしても、植物として生き延びていてくれていれば、飲み水の確保だけは出来るだろう。

アブラヤシの実も取り寄せようとしたのだが、これもパンの実と同じように掲載されていなかった。

時間もなかったから、これ以上の事前検索をせず、日本で1番ポピュラーな代用主食を取り寄せていた。いや代用主食と言うのは失礼だ、ジャガイモもサツマイモも立派な野菜でとても美味しい。

まずは何もつけなくても甘くて美味しいサツマイモに中でも、品種としては甘味を優先して安納芋を取り寄せていた。

料理の仕方は簡単なもので、この村の調理道具である石に安納芋を乗せてゆっくり焼くだけだ。本来なら色々と道具を整えて最高の石焼き芋にしたい所だが、最初だからこの村で出来る範囲の料理法を伝えたい。

「「「「「甘い! 美味しい!」」」」」

「道具を工夫し、時間を掛けてゆっくり焼けばもっと甘く美味しくなるが、今は道具も時間もないからこう言う焼き方だ」

「いえ救世主様、十分甘く美味しいです! 私も村人たちも、これほど甘く美味しい物を食べたのは初めてです!」

村長が興奮して礼を言ってくるが、1番見ていてうれしいのは美味しそうに食べている子供の姿と、その姿をうれしそうに見つめている親の姿だ!

セイは俺の想いを汲み取ってくれて、分身体の先端を進化変化させて芋を実の為せることが出来るようにしてくれた。苗を作らせなかったのは、敵対するような野蛮な人間種に安納芋を渡さない為だ。安納芋を手に入れる事が出来るのは、あくまでもセイの庇護下(ひごか)にある人間だけにしたい。

次にジャガイモを取り寄せていたのだが、品種としてはキタアカリを選んだ。理由としては、程よい甘みとジャガイモらしいホクホクした感じで食べ応えもあるからだ。今後村人が豊かになり口も肥えて来たら、もっと他の料理に合わせた品種もセイに創り出してもらうが、今は栄養と食べ応えが1番大切だと思う。

だがそうだな、安納芋を焼くにしてもキタアカリを茹でるにしても、村で1度に全員分やった方が燃料も節約できるし人手も少なくてすむ。御金は有り余るほどあるから、寸胴鍋と焼き芋機を買おうとしたのだが、焼き芋機はガスや電気を使う物ばかりで薪を使う物がない、もう少し時間を掛けて調べようとしたのだが。

(お~い、約束通りオークとジャイアント・ブラウンボア狩って来たから、飯を食わせてくれ!)

は?

ジャイアント・ブラウンボアだって!?

そんなもん頼んでねえよ!

ココナツヤシの実:2kg×5個=3780
糖度40度特A安納芋:10kg×1=8100
キタアカリ:10kg×1=1980
161リットル寸胴鍋:27980×18個=503640

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