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初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!

克全

第14話餌付け料理

さてリュウに作ってやるなら何がいいだろうか?

最低でも白虎が食べたのと同じ物を作らないと、リュウの気持ちがおさまらないだろう。食べ物の怨(うら)みは怖いから、俺の分からない所で白虎が殺されたら寝覚めが悪い。身体の大きさから言って、何倍もの量が必要だろうし、大型のLPガス用バーベキューコンロを買い足(た)した方がよさそうだ。

(何も買わなくても、自分の魔法で同じものを創り出せばよかろう)

俺にそんなことが出来んのか、セイ?

(ああ出来るぞ、ミノルには無尽蔵(むじんぞう)の魔力があるし、燃料(ねんりょう)は斃(たお)した人間から魔石を取り出せばいい)

10万兵を斃した時の事か?

(そうだ、ミノルの力なら取り出した魔石に魔力を再度込めるなど簡単な事だ)

ありがたいが止めておこう、夢の中で悪者とはいえ人間を大量虐殺したうえに、その人間を解剖(かいぼう)して魔石を取り出すなど酷(ひど)すぎる。それにセイの御蔭で大金持ちだから、ドローン配送で何を買っても御金の心配がいらない。

(ミノルの好きにすればいい、だが大抵の物を魔力で創製(そうせい)できる事は覚えておいてくれ)

ああ、絶対忘れないよ!

俺はLPガス用バーベキューコンロをガスボンベとセットで10個買い増すことにした。

大型のLPガス用バーベキューコンロ:188000×10=1880000

全部で13台になったバーベキューコンロに、ホーンラビット塩胡椒丸焼き:4羽、ホーンラビットニンニク醤油丸焼き:4羽、ホーンラビットカレー粉丸焼き:4羽分を入れて焼き始めた。これで6台を使ったが、残り7台で14羽分の違う料理を作ることができる。まあ違う料理と言っても味付けを変えるだけなんだが、リュウを満足させるためには大切な事だ。

1つはハーブ塩麹をたっぷり表面に塗し、腹の中にも詰め込むことにした。肉食のリュウ用だから、旨味(うまみ)と香りを強調する為だ。本当は漬け込んで味を染み込ませたいが、急ぎ仕事だから表面に剣山(けんざん)で叩いて穴をあけ、少しでも味が染み込むようにした。こいつも4羽分焼き始めたから、後10羽作ることができる。

塩麹:500g×20袋=6130
荒塩:25kg=2900
缶入りエルブドプロバンス:170g×528×10=5280

もう1つはバーベキュー味にした、腹も割いて広げたホーンラビットの表面にBBQソルトをたっぷり塗して焼き始めた。念のために焼き上がってから掛けるバーベキューソースも買っておき、味が気に入らなかった場合の対応策も準備することにした。もうこの時点で新しい味付けを考えるのが面倒になってしまい、10羽全部この味にする事にした。

BBQソルト:40g×177×100=17700
Yさんのバーベキューソース:1250g×830×10=8300

リュウの分はこれでいいとして、問題は楽しみにしていた内臓をどう料理するかだ!

セイ、俺が頭で思い浮かべている事はできるか?

(ミノルよ、掛け替えのないデュオであり、無理やり連れて来た負い目と助けてくれた恩があるからやるのはやるが、原初の生命の大樹である我に、魔法を使って料理の下ごしらえをしろと言うのか?)

自分の分くらいならセイの力を借りたりはしないさ、だがな、あんな巨大なリュウが満足する量の料理など用意できると思うか?

(仕方ないな)

高知県産・黄金生姜:4kg=4860

俺はドローン配送を使って生生姜を大量に買った。

「エアカッター」

俺にはまだまだ魔法の細やかな調整など不可能だから、生姜の皮をむき千切りにするなど不可能だ。だが悠久(ゆうきゅう)の時を生きて来たセイなら、魔法を応用して料理の下ごしらえをするなど簡単な事なのだろう、後は実際に作るだけだ。

心臓と肝臓・脾臓は開いて血抜きをしてある、臭味(くさみ)を抜くために牛乳に漬けていたが、時間が停止するアイテムボックス内で保管していたから、実質は朝出してから丸焼きの準備が終わるまでの時間しか経過していない。鮮度は抜群だから、元々の臭味しかない筈だし、この程度の時間でも大丈夫だとは思う。

鍋に酒・みりん・しょう油、砂糖を合わせたら半量になるまで煮詰める。これがやわらかく煮上げるコツだ!

肝と脾臓を鍋に入れてひと混ぜする、強めの火加減で煮るのだが、再沸騰するまではペーパーなどで余分な水分をしっかり取るのが大切だ。

再沸騰したら千切りの生姜をたっぷり加え、火加減を強めのままにして一気に煮上げると臭いが出にくい。古い食材ならどうにもならないが、鮮度がいい肝なら臭わないだろう。いや、好きな人間にはたまらなく食欲をそそる香りとなる!

96羽分のホーンラビットの肝と脾臓だから、全部料理するのに結構時間が掛かってしまった。まあ千切りを作る時間が短縮出来たから、覚悟していたよりも大幅に早く作ることが出来た。

次が1番愉しみにしていた心臓料理だ!

ウサギは食べた事無かったけど、鶏・牛・豚の心臓は大好きな部位なんだ。特に鶏ハツのタレ焼きは大好きだ!

正肉が鶏に近い味わいがあったから鶏ハツと同じように料理するか、豚と同じ味付けにするか迷った。だが失敗してもホーンラビットなら幾らでも狩れると判断し、焼き鳥風にフライパンで焼き煮にすることにした。

フライパンにごま油を引き、リュウがよこせと言った時の事を考え開いたままの大きさで心臓を入れ、油をなじませ砂糖をまぶし点火する。俺だけが食べるのなら、味が染み込み易いように一口大に切ってから焼き煮するのだが。

心臓を中火で焦さぬようよく炒め、火が通ってきたら唐辛子・醤油・酒を加えて煮詰める。

汁気が少なくなって来たら黒胡椒・花椒・粉末ニンニクを加え、セイに刻んでもらった九条葱をたっぷり上から掛ける。調味料や薬味は100万分買っておいたので、アイテムボックスから出せば済む状態だった。

「おい! 料理は出来ているんだろうな?! 狩って来たから食わせろ!」

リュウ様の御帰りだ!

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