初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!
第13話朝飯戦争
トレーラーハウスのクイーンベットで熟睡し(夢の中で又寝ると言うのは可笑(おか)しい話だが、邯鄲(かんたん)の夢と言う話があるくらいだ、深刻に考えずに今を愉(たの)しもう)、目覚めと共に昨晩の白虎の事を思いだし、逃げたか確認するためにジャグジーの所に行ってみた。
なんともだらしない虎だな、ジャグジーの横で酔い潰(つぶ)れてやがる!
(まあそう言ってやるな、我の張った防御結界(ぼうぎょけっかい)内にいるから安心しているのだろう。それに来奴(こやつ)なら、酔い潰れていても自分で防御結界を張ることができる)
だがな、これほど酔い潰れていたら、敵に攻撃されても反撃できないだろう?
(そんな事はないぞ、酔いが醒(さ)めるまで防御結界を張っていれば済むし、そもそも状態異常回復のスキルを持っておるから、いつでも酔いから醒める事が出来るぞ)
じゃああの姿は、酔う事を愉しんでいるのか?
(そう言う事だ、弱肉強食の世界だから、我と言う圧倒的強者の懐(ふところ)に入った事で安心しているのだろう)
圧倒的強者と自分で言うのか?
(事実だからな)
まあいい、早く村に帰りたいからトレーラーハウスとジャグジーを仕舞(しま)うぞ。
(好きにすればよかろう)
白虎が駄々をこねた時は頼むぞ。
(任せておけ、それにああ見えても白虎は四聖獣の一角を担う種族だ、それほど乱暴ではないぞ)
聖獣ねぇ~、大きいホワイトタイガーにしか見えん!
まあいい、朝飯をここで食べたらもう少し寝かせてやれるだろう。昨日は料理しながら食べたから、異世界初の食事を愉しめなかった。今日も昼飯・晩飯は料理しながらになるだろうから、朝飯くらいはゆっくり愉しんで食べよう。
そうなるとドローン配送の料理よりは、自分で異世界の食材を料理した物を食べたい、作り置きした料理の中で1番食べたいのはホーンラビットのカレー粉丸焼きだな。
「おい! なんだその美味しそうな物は! 俺にも食わせろ!」
カレー粉丸焼きをメインディシュに、昨日取り寄せた牛乳・リュウの残したサラダ・フライドポテト・人参グラッセ・バターコーン・ほうれん草バターを食べていたら、カレーの香りに食欲が刺激されたのだろう、白虎が起きて勝手な事を言う。
「あのなあ、御前昨日から風呂に入らせろと言うわ酒はかっ喰らうわ、何の礼もせずに要求ばかりしてるだろ」
「すまんすまん、だが香りが美味そうで我慢(がまん)できんのだ、必ず借りは返すから少し分けてくれんか?」
「分かったよ、だが飲み食いした分は返してくれよ」
「おお、必ず返す、倍にして返す!」
「じゃあ少し分けるなんてケチな事は言わん、新しいのを1羽分けてやるよ」
俺はアイテムボックスからホーンラビットのカレー粉丸焼きを1羽出してやった。
「おお! 美味しそうな香りだ」
白虎は獲物に飛びかかるように丸焼きにかぶりつき、骨ごとバリバリ食べていく!
白虎の身体だと、ホーンラビット1羽ではとても満足できないだろう。どうせ施(ほどこ)すなら、相手が十二分に満足するまで施すべきだろう。
「カレー味はこれで全部だ、足らなければ味付けは違うがこれも食べてみるか?」
残り2羽分のカレー味に加えて、塩胡椒味4羽・ニンニク醤油味4羽を出してやる。これで満足できないとしたら、寸胴鍋の煮物を出してやるしかないが、肉食の虎が野菜が半分以上の煮物を喰うかな?
「おおおおお! 何と言う美味そうな香! しかも実際に食べたら香りを上回る美味しさがある!」
白虎の奴よほど美味いのだろう、骨ごと飲み込むようにバキバキボリボリ食べているが、あれでよく味の違いが分かるな。
「こら待て! 全部食べるでない! 余の分を残しておけ!」
あああああ、話がややこしくなって来た!
空を覆い俺の周りが暗くなるくらいの巨体を誇るリュウが現れた。
この展開は食べ物を争って竜虎相討(りゅうこあいう)つのか?
しかし原初の竜相手に、聖獣の一角とは言えその他大勢の白虎で歯がたつのか?
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい! もう全部食べてしまいました!」
あ、やっぱり!
原初の竜と沢山いるだろう白虎の1頭では格が違い過ぎるのだろうな。
「くわぁ! 全部食べてしまっただと! ミノル、本当に残ってないのか?!」
「同じものは無いな、煮炊きした物はあるが半分以上野菜だぞ? リュウは野菜食べなかっただろう」
「う~む、では同じものを作ってくれ!」
「そんな簡単に出来んよ、焼き上がるまで半日はかかるし、解体しているモンスターもほとんど残っていない」
「うがぁ! 白虎、御前を食べてこの腹立ちを紛らわせてくれる!」
「こら待てリュウ、俺の目の前で殺し合いをするんじゃない。それに白虎には、今食べた分と昨日飲んだ酒に風呂代を稼いでもらわなければならんのだ。何よりリュウ、御前も昨日ただ飯喰っただろうが!」
「う!」
「俺が作った飯は俺に権利があるんだぞ、御前が勝手に喰うことも出来んし、俺が譲った物を奪う事も許さんぞ!」
「そうだぞリュウ、白虎に難癖をつける前に、昨日食べた分の代価を払え」
セイが言葉に出して側面支援してくれた、4人で会話を成立させるには、実際に言葉に出すしかなかったのだろう。
「くぅ! 分かった待っておれ、御前たちが驚くくらいの大物を狩って来てやる!」
「俺も食べた分狩って来る!」
「おい、こら、御前らちょっと待て!」
リュウと白虎が飛ぶように離れていったが、あいつら分かっているのか?
「御前ら俺が解体できないの分かってるんだろうな? 強すぎるモンスターは人間が解体できないだろうが!」
なんともだらしない虎だな、ジャグジーの横で酔い潰(つぶ)れてやがる!
(まあそう言ってやるな、我の張った防御結界(ぼうぎょけっかい)内にいるから安心しているのだろう。それに来奴(こやつ)なら、酔い潰れていても自分で防御結界を張ることができる)
だがな、これほど酔い潰れていたら、敵に攻撃されても反撃できないだろう?
(そんな事はないぞ、酔いが醒(さ)めるまで防御結界を張っていれば済むし、そもそも状態異常回復のスキルを持っておるから、いつでも酔いから醒める事が出来るぞ)
じゃああの姿は、酔う事を愉しんでいるのか?
(そう言う事だ、弱肉強食の世界だから、我と言う圧倒的強者の懐(ふところ)に入った事で安心しているのだろう)
圧倒的強者と自分で言うのか?
(事実だからな)
まあいい、早く村に帰りたいからトレーラーハウスとジャグジーを仕舞(しま)うぞ。
(好きにすればよかろう)
白虎が駄々をこねた時は頼むぞ。
(任せておけ、それにああ見えても白虎は四聖獣の一角を担う種族だ、それほど乱暴ではないぞ)
聖獣ねぇ~、大きいホワイトタイガーにしか見えん!
まあいい、朝飯をここで食べたらもう少し寝かせてやれるだろう。昨日は料理しながら食べたから、異世界初の食事を愉しめなかった。今日も昼飯・晩飯は料理しながらになるだろうから、朝飯くらいはゆっくり愉しんで食べよう。
そうなるとドローン配送の料理よりは、自分で異世界の食材を料理した物を食べたい、作り置きした料理の中で1番食べたいのはホーンラビットのカレー粉丸焼きだな。
「おい! なんだその美味しそうな物は! 俺にも食わせろ!」
カレー粉丸焼きをメインディシュに、昨日取り寄せた牛乳・リュウの残したサラダ・フライドポテト・人参グラッセ・バターコーン・ほうれん草バターを食べていたら、カレーの香りに食欲が刺激されたのだろう、白虎が起きて勝手な事を言う。
「あのなあ、御前昨日から風呂に入らせろと言うわ酒はかっ喰らうわ、何の礼もせずに要求ばかりしてるだろ」
「すまんすまん、だが香りが美味そうで我慢(がまん)できんのだ、必ず借りは返すから少し分けてくれんか?」
「分かったよ、だが飲み食いした分は返してくれよ」
「おお、必ず返す、倍にして返す!」
「じゃあ少し分けるなんてケチな事は言わん、新しいのを1羽分けてやるよ」
俺はアイテムボックスからホーンラビットのカレー粉丸焼きを1羽出してやった。
「おお! 美味しそうな香りだ」
白虎は獲物に飛びかかるように丸焼きにかぶりつき、骨ごとバリバリ食べていく!
白虎の身体だと、ホーンラビット1羽ではとても満足できないだろう。どうせ施(ほどこ)すなら、相手が十二分に満足するまで施すべきだろう。
「カレー味はこれで全部だ、足らなければ味付けは違うがこれも食べてみるか?」
残り2羽分のカレー味に加えて、塩胡椒味4羽・ニンニク醤油味4羽を出してやる。これで満足できないとしたら、寸胴鍋の煮物を出してやるしかないが、肉食の虎が野菜が半分以上の煮物を喰うかな?
「おおおおお! 何と言う美味そうな香! しかも実際に食べたら香りを上回る美味しさがある!」
白虎の奴よほど美味いのだろう、骨ごと飲み込むようにバキバキボリボリ食べているが、あれでよく味の違いが分かるな。
「こら待て! 全部食べるでない! 余の分を残しておけ!」
あああああ、話がややこしくなって来た!
空を覆い俺の周りが暗くなるくらいの巨体を誇るリュウが現れた。
この展開は食べ物を争って竜虎相討(りゅうこあいう)つのか?
しかし原初の竜相手に、聖獣の一角とは言えその他大勢の白虎で歯がたつのか?
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい! もう全部食べてしまいました!」
あ、やっぱり!
原初の竜と沢山いるだろう白虎の1頭では格が違い過ぎるのだろうな。
「くわぁ! 全部食べてしまっただと! ミノル、本当に残ってないのか?!」
「同じものは無いな、煮炊きした物はあるが半分以上野菜だぞ? リュウは野菜食べなかっただろう」
「う~む、では同じものを作ってくれ!」
「そんな簡単に出来んよ、焼き上がるまで半日はかかるし、解体しているモンスターもほとんど残っていない」
「うがぁ! 白虎、御前を食べてこの腹立ちを紛らわせてくれる!」
「こら待てリュウ、俺の目の前で殺し合いをするんじゃない。それに白虎には、今食べた分と昨日飲んだ酒に風呂代を稼いでもらわなければならんのだ。何よりリュウ、御前も昨日ただ飯喰っただろうが!」
「う!」
「俺が作った飯は俺に権利があるんだぞ、御前が勝手に喰うことも出来んし、俺が譲った物を奪う事も許さんぞ!」
「そうだぞリュウ、白虎に難癖をつける前に、昨日食べた分の代価を払え」
セイが言葉に出して側面支援してくれた、4人で会話を成立させるには、実際に言葉に出すしかなかったのだろう。
「くぅ! 分かった待っておれ、御前たちが驚くくらいの大物を狩って来てやる!」
「俺も食べた分狩って来る!」
「おい、こら、御前らちょっと待て!」
リュウと白虎が飛ぶように離れていったが、あいつら分かっているのか?
「御前ら俺が解体できないの分かってるんだろうな? 強すぎるモンスターは人間が解体できないだろうが!」
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