政略結婚の約束すら守ってもらえませんでした。
第1話
「すまない、やっぱり君の事は抱けない」初夜のベットの中で、恋焦がれた初恋の人アレクサンダー様にそう言われてしまいました。
私の心は砕け散ってしまいました。
初恋の人が妹を愛していると知った時にも心が傷つき、ズキズキと痛み、まるで心が血を流しているようでした。
妹が不慮の事故で死んでしまって、恋焦がれるアレクサンダー様から「政略結婚でいいから結婚して欲しい」と言われた時にも、哀しみと絶望と同時に喜びを感じる心に、自分のどうしようもない醜さを知り、胸に大きな穴が開いたように感じました。
そして今、私は心を手放して楽になる事を選んでしまいました。
私がアレクサンダー様と初めて出会ったのは六歳の時でした。
私が得られなかった貴族の証である金髪碧眼。
貴族なら当たり前の容姿ですが、アレクサンダー様は別格でした。
金髪は天使に例えられるほど光り輝いておられました。
碧眼は突き抜ける青空のような鮮やかな青でした。
一方私は庶民の黒髪黒瞳でした。
私を産んだ母上が、庶民との不義を疑われたくらいおかしいことです!
貴族同士の間に生まれた子供は、金髪碧眼に生まれるモノなのです。
母上は名誉のために、産後の直後なのに、無理をして神前裁判を受けられました。
神々に不義を否定してもらうためです。
神々はきっぱりと母上の不義を否定されました。
神々は私が母上と父上の子だとも証明してくださいました。
ですが、それでも、この見た目は貴族らしくありません。
多くの貴族から陰口を叩かれました。
いえ、母上と父上、一族一門の全てから忌み嫌われました。
私が密かに殺されなかったのは、母上が妹のアメリアを産んだ後で、もう子供を産めない身体になったからです。
母上が王妹であったため、父上は母上以外の女が生んだ子供を跡継ぎにはできなかったのです。
当初は私は単なる予備でした。
妹に万が一のことがあった時のために、仕方なく生かされているだけでした。
他の誰もが目を背ける私を、アレクサンダー様だけが真直ぐに見てくださり、優しい言葉までかけてくださいました。
私の心はアレクサンダー様に執着しました。
隣国との争いに勝ち抜くためには、アレクサンダー様のオールトン侯爵家と我が家は絆を深めなければいけませんでした。
互いに行き来して交流を深めるだけでは不足でした。
政略結婚をしなければいけなかったのです。
王家もそれを望んでいました。
ですがアレクサンダー様はオールトン侯爵家の一人息子です。
我が家に婿入りすることなどできません。
私のような出来損ないが嫁に行くことも婿を取る事もできません。
結局アレクサンダー様は妹のアメリアと結婚することとなり、二人の間に生まれた長男がオールトン侯爵家を継ぎ、次男が我が家を継ぐことになりました。
私の初恋はもろく砕け散りました。
何より辛かったのが、私を慈愛の眼で見てくださっていたアレクサンダー様の瞳が、アメリアには恋する眼を向けたことでした。
私の心は砕け散ってしまいました。
初恋の人が妹を愛していると知った時にも心が傷つき、ズキズキと痛み、まるで心が血を流しているようでした。
妹が不慮の事故で死んでしまって、恋焦がれるアレクサンダー様から「政略結婚でいいから結婚して欲しい」と言われた時にも、哀しみと絶望と同時に喜びを感じる心に、自分のどうしようもない醜さを知り、胸に大きな穴が開いたように感じました。
そして今、私は心を手放して楽になる事を選んでしまいました。
私がアレクサンダー様と初めて出会ったのは六歳の時でした。
私が得られなかった貴族の証である金髪碧眼。
貴族なら当たり前の容姿ですが、アレクサンダー様は別格でした。
金髪は天使に例えられるほど光り輝いておられました。
碧眼は突き抜ける青空のような鮮やかな青でした。
一方私は庶民の黒髪黒瞳でした。
私を産んだ母上が、庶民との不義を疑われたくらいおかしいことです!
貴族同士の間に生まれた子供は、金髪碧眼に生まれるモノなのです。
母上は名誉のために、産後の直後なのに、無理をして神前裁判を受けられました。
神々に不義を否定してもらうためです。
神々はきっぱりと母上の不義を否定されました。
神々は私が母上と父上の子だとも証明してくださいました。
ですが、それでも、この見た目は貴族らしくありません。
多くの貴族から陰口を叩かれました。
いえ、母上と父上、一族一門の全てから忌み嫌われました。
私が密かに殺されなかったのは、母上が妹のアメリアを産んだ後で、もう子供を産めない身体になったからです。
母上が王妹であったため、父上は母上以外の女が生んだ子供を跡継ぎにはできなかったのです。
当初は私は単なる予備でした。
妹に万が一のことがあった時のために、仕方なく生かされているだけでした。
他の誰もが目を背ける私を、アレクサンダー様だけが真直ぐに見てくださり、優しい言葉までかけてくださいました。
私の心はアレクサンダー様に執着しました。
隣国との争いに勝ち抜くためには、アレクサンダー様のオールトン侯爵家と我が家は絆を深めなければいけませんでした。
互いに行き来して交流を深めるだけでは不足でした。
政略結婚をしなければいけなかったのです。
王家もそれを望んでいました。
ですがアレクサンダー様はオールトン侯爵家の一人息子です。
我が家に婿入りすることなどできません。
私のような出来損ないが嫁に行くことも婿を取る事もできません。
結局アレクサンダー様は妹のアメリアと結婚することとなり、二人の間に生まれた長男がオールトン侯爵家を継ぎ、次男が我が家を継ぐことになりました。
私の初恋はもろく砕け散りました。
何より辛かったのが、私を慈愛の眼で見てくださっていたアレクサンダー様の瞳が、アメリアには恋する眼を向けたことでした。
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