「溺愛」「婚約破棄」「ざまあ」短編集2
第1話
「さあ!
さっさと出ていきなさい!
貴女はオレンモア侯爵家の家名に泥を塗ったのよ!
恥を知るならグズグズしないで出ていきなさい!」
「黙れ!
家名の事に口出しするな!
親子の情にも口出しするな!
お前は国王陛下から下げ渡されたから後妻に迎えたが、オレンモア侯爵家には一切かかわりがないのだ!
儂はお前に指一本触れていない。
お前が子を生めば不義密通の子だ。
国王陛下に遠慮する事無く断罪できるのだ。
国王陛下の手前我慢しているが、これ以上口出しすれば、この場で殺す!」
「まあ、いい度胸ですこと!
私に手を出して国王陛下が黙っているとお思いですの?!」
父上が本気です。
アメリアを護る護衛騎士ごと斬り殺すつもりです。
私の追放刑がよほど腹に据えかねるのでしょう。
オレンモア侯爵家譜代の騎士達も同じです。
父上が剣を抜いたら、共に斬りかかる覚悟で剣に手をやっています。
アメリアを護る護衛騎士たちも剣に手をやっています。
国王に命じられて嫌々アメリアを護衛しているのでしょう。
今回の追放刑に忸怩たる思いもあるのでしょう。
苦虫を噛み潰したような表情をしています。
「まあいいですわ。
今生の別れをなされたら?
追放刑とは言っても、事実上の死刑ですものね!
わたくしは慈悲深いですから、温情をかけて差し上げますわ。
お~ほっほっほっほ!」
父上が歯噛みしておられます。
暗愚な国王であろうと王は王ですから、王家に対する父上の忠誠心が、剣を抜くのを躊躇させているのでしょう。
いえ、それだけではありませんね。
よほどの理由がなければ、王家と戦った場合は他家の貴族の応援はありません。
そうなればオレンモア侯爵家は跡形なく滅ぶでしょう。
ですが王家に非があれば別です。
貴族は王家の横暴を恐れていますから、互助の精神で援軍してくれます。
私に対する追放刑は、そう言う意味ではオレンモア侯爵家に有利に働く可能性があるのです。
国王が父上に愛妾を下げ渡したのは微妙です。
心から信頼しているから愛妾を下げ渡したという見方もあれば、オレンモア侯爵家を乗っ取るために、自分の種を宿した愛妾を押し付けたという見方もあります。
父上もそれを警戒して指一本触れていないのです。
行儀見習いに来ている下級貴族令嬢や士族令嬢の侍女に見張らせ、自分が指一本触れていない事を証明させています。
それに業を煮やした国王とアメリアが、私を罠に嵌めて追放刑にしたのでしょう。
それにしても、国王とアメリアだえでなく、ジョージ王子まで愚物だとは思っていませんでした。
幼い頃から婚約していましたが、ほとんど会う機会もなかったですからね。
「侯爵閣下、お願いがございます」
さっさと出ていきなさい!
貴女はオレンモア侯爵家の家名に泥を塗ったのよ!
恥を知るならグズグズしないで出ていきなさい!」
「黙れ!
家名の事に口出しするな!
親子の情にも口出しするな!
お前は国王陛下から下げ渡されたから後妻に迎えたが、オレンモア侯爵家には一切かかわりがないのだ!
儂はお前に指一本触れていない。
お前が子を生めば不義密通の子だ。
国王陛下に遠慮する事無く断罪できるのだ。
国王陛下の手前我慢しているが、これ以上口出しすれば、この場で殺す!」
「まあ、いい度胸ですこと!
私に手を出して国王陛下が黙っているとお思いですの?!」
父上が本気です。
アメリアを護る護衛騎士ごと斬り殺すつもりです。
私の追放刑がよほど腹に据えかねるのでしょう。
オレンモア侯爵家譜代の騎士達も同じです。
父上が剣を抜いたら、共に斬りかかる覚悟で剣に手をやっています。
アメリアを護る護衛騎士たちも剣に手をやっています。
国王に命じられて嫌々アメリアを護衛しているのでしょう。
今回の追放刑に忸怩たる思いもあるのでしょう。
苦虫を噛み潰したような表情をしています。
「まあいいですわ。
今生の別れをなされたら?
追放刑とは言っても、事実上の死刑ですものね!
わたくしは慈悲深いですから、温情をかけて差し上げますわ。
お~ほっほっほっほ!」
父上が歯噛みしておられます。
暗愚な国王であろうと王は王ですから、王家に対する父上の忠誠心が、剣を抜くのを躊躇させているのでしょう。
いえ、それだけではありませんね。
よほどの理由がなければ、王家と戦った場合は他家の貴族の応援はありません。
そうなればオレンモア侯爵家は跡形なく滅ぶでしょう。
ですが王家に非があれば別です。
貴族は王家の横暴を恐れていますから、互助の精神で援軍してくれます。
私に対する追放刑は、そう言う意味ではオレンモア侯爵家に有利に働く可能性があるのです。
国王が父上に愛妾を下げ渡したのは微妙です。
心から信頼しているから愛妾を下げ渡したという見方もあれば、オレンモア侯爵家を乗っ取るために、自分の種を宿した愛妾を押し付けたという見方もあります。
父上もそれを警戒して指一本触れていないのです。
行儀見習いに来ている下級貴族令嬢や士族令嬢の侍女に見張らせ、自分が指一本触れていない事を証明させています。
それに業を煮やした国王とアメリアが、私を罠に嵌めて追放刑にしたのでしょう。
それにしても、国王とアメリアだえでなく、ジョージ王子まで愚物だとは思っていませんでした。
幼い頃から婚約していましたが、ほとんど会う機会もなかったですからね。
「侯爵閣下、お願いがございます」
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