「ざまぁ」「婚約破棄」短編集3巻

克全

第2話

私は義父上と話し合って二手に分かれました。
私は追放刑にされたグレン義兄上を助けに行きました。
王家が口封じの刺客を放つ可能性が高かったのです。
その前に義兄上と合流して、戦える身体に治して差し上げたかったのです。
舌を再生して差し上げたかったのです
アルテミス神の神性に治癒はありませんが、そこそこの治癒はできるのです。

一方義父上は、義兄上の行いを反省するという建前で、領地に帰ります。
実際には、私がいなくなる事の欺瞞行動です。
私の身代わり、影武者を連れて領地に帰るのです。
そして領地に帰ったら、家臣領民を動員して籠城の準備をします。
リトリア公爵家から王家を攻撃したりはしませんが、王家が攻め込んできたら、断固として撃退します。

「グレン義兄上、助けにまいりました」

「う、あ、う、あ」

まともに話せない義兄上の言葉を耳にして、怒りが沸騰しました。
義兄上を殺そうとしていた、王家に刺客にその怒りを叩きつけてやりました。
私を聖女に選んでくださったアルテミス神は、狩猟神であり森の神です。
神々から「遠矢射る」とまで称される弓神なのです。
その神性を分けていただいた私の弓術は、もはや人間業ではありません。

私は情け容赦せずに全ての刺客を射殺しました。
丁度いい生贄です。
人身御供です。
多くの民は知らない事ですが、アルテミス神は人身御供を要求する神なのです。

「我が守護神アルテミス様。
アルテミス様に生贄を捧げさせていただきます。
その代わりと言っては不遜ではございますが、どうか私にグレン義兄上に傷を癒す力を授けてください」

私は義兄上を襲っていた刺客二十三人を半殺しにしました。
アルテミス神から授かった魔力を、弓を使って叩きつけました。
即死させないように注意して、両手両足を射抜き、身動きできないようにして、人身御供として殺せるようにしました。

(エルア。
そなたの願い聞き届けてやりましょう。
その人身御供は、両目をえぐり、腹を裂いて内臓を引き出しなさい。
そのまま放置して、鳥獣の餌にするのです。
それが森の鳥獣の育成に繋がります。
分かりましたね)

(はい、そのようにさせていただきます)

「義兄上、義兄上、義兄上。
直ぐに元の身体に戻して差し上げます」

おのれ、ゼノン国王、キッカ王女、エストア公爵!
義兄上に毒を盛りましたね!
義兄上が抵抗できないように身体が麻痺し常に激痛に襲われる毒を盛りましたね!
そうでなければ、王国無双の強さを誇る義兄上が、このような三下刺客に負けるはずがないのです。

必ず思い知らせてやります!
新たな人身御供を確保して、同じ苦痛を与えてやります!



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