「ざまぁ」「婚約破棄」短編集3巻

克全

第11話王都の現状

「ギャアァアア!」

「やれ、こいつらがこの状況を作り出した元凶だ!
ひとり残らず皆殺しにしろ!」

王城内は阿鼻叫喚の地獄絵図だった。
王の密勅を受けた貴族士族が、ディランを追放して魔窟の聖女を去らした元凶、ウィリアム王太子とマナリズ女男爵マルグリット、マナリズ男爵令嬢スカーレットを襲撃したのだが、本人達を殺すだけではすまなかった。

当然だか王太子達に仕える者達も、派閥に入って旨い汁を吸おうとしていた者達も、その腰巾着に仕える者達も、全員殺されることになった。
いや、単に殺されるだけではすまない。
女は強姦され、屋敷や王城の家具や備品が略奪された。

マルグリットとスカーレットは母娘並べて輪姦された。
陰部が裂け血塗れになり、激痛で泣き叫んでも容赦なく犯された。
いや、女だけではなかった。
ウィリアム王太子も同じように輪姦された。
女も男も関係なく嬲り者にされた。
それは密勅を送ったジェームズ国王も、国王の後宮にいる女達も同様だった。

王城や貴族屋敷を襲撃する者達の眼には狂気が宿っていた。
完全に正気を失っていた。
魔であった。
魔窟ら漏れ出てきた魔による影響で、人間が狂気に囚われていた。
いや、元々人間が持っていう品性下劣な本性が現れているだけだった。

「ギャアァアア!」

王城の各地で断末魔が響き渡っている。
マルグリットとスカーレットが陰部から串刺しにされて死んでいた。
ウィリアム王太子とジェームズ国王が肛門から串刺しにされて死んでいた。
王城にいた王族は皆殺しにされていた。

いや、王城内だけに留まらなかった。
地獄絵図は、貴族街や士族街に留まらず、下町にまで広がった。
正気を保っていた人達は、急いで王都から逃げ出した。
魔に魅入られて正気を失った、いや、人間の本性をむき出しにした者達は、手当たり次第に襲い奪い殺していた。

王都にいなかった貴族士族、逸早く王都を逃げ出した貴族士族は、魔の広がりに恐れおののいていた。
自分達にはどうしようもできない事だと、思い知っていた。
彼らは必至で善後策を考えたが、答えは簡単明瞭だった。
魔窟の聖女に帰ってきてもらうこと以外の解決策などなかった。

特にジェームズ国王やウィリアム王太子の悪政に辟易していた貴族士族は、新たな王家、いや、魔窟の聖女に戴冠してもらう事を考えいた。
シーモア公爵家に新たな王家になってもらおうと考え、使者を送った。
だが他の考えで動いている者もいた。
自らが王たらんと欲する者だ。
そう考えた者達は、魔窟の聖女グレイスを手に入れようと動き出した。
特に王都にいなかった王族は眼の色を変えてグレイスを手に入れようとしていた。



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