「ざまぁ」「婚約破棄」短編集3巻
第2話皇太子ウィリアム視点
さすがに少し緊張する。
なかなか行えなかった立太子式だ。
ようやく私の趣味嗜好を皇帝陛下と皇后陛下が認めてくださり、婚約者を決める前に立太子式をする事を認めていただけたのだ。
少しの問題もあってはならないのだ!
「おい、なにを騒いでいるのだ!?
入室が止まってしまっているではないか!」
普段温厚な私が、思わず声を荒げてしまった。
侍従も護衛も驚いている。
だが仕方ないであろう。
私の大切な立太子式なのだ、少しの遅れも許せないのだ!
「それが、ソーベアリンナン王家のジェームズ王太子殿下が騒いでおられます」
「なんたる無礼!
なんたる愚か者だ!
即刻つまみ出せ!」
「それが、その、しかたないかと思われる理由がありまして……」
「なんだ?!
いったいどんな理由があると申すのだ?!」
「その、今日初めて婚約者と入室後に顔を会わされたのですが。
あまりの……
あまりの醜さに動顛されて、その場で婚約破棄を宣言されまして……」
愚かな!
愚かすぎる!
結婚相手に拘る気持ちは私にもわかる。
私だって皇太子の地位を賭けても、自分の趣味嗜好を貫いたのだ。
だがそれは婚約する前の話だ!
王侯貴族の婚約結婚は政略によるものなのだ!
王家が、いや、国が婚約や結婚の約定を交わした以上、それを反故にすることは許されないのだ。
ひとつ間違えば、謀叛や戦争につながるほどの名誉がかかっているのだ!
「愚か者!
王侯貴族の婚約結婚を、容姿で反故にしていいはずがなかろうが!
つまみ出せ!
ジェームズをつまみ出せ!
私の立太子式を台無しにした愚か者をつまみ出せ!」
「はい!
今直ぐに!」
私の激怒を受けて、進行役の一人が慌てて走り出そうとした。
だが、不意に、興味が湧いてしまった。
ジェームズがいかにバカでも、私の大切な立太子式を台無しにして、無事にすむとは思っていないだろう。
それが分かっていても、この場で婚約破棄を宣言したくなる女性だと?
進行役が、これほどの無礼を働いたジェームズをかばうような言動をした。
それほどの醜い王女とはどのような容姿なのだ?
「待て!
私が直々に確認する」
そう言って急ぎ足で入室用のドアの陰に進んだ。
侍従と護衛が慌てて追いかけてくるが、気にしている余裕はない。
運命に導かれるように、私は王女の姿を追ってしまった。
私は、雷に打たれたような衝撃を受けた!
心臓が止まるかと思えるほどの衝撃だった!
心臓が締め付けられたように痛む!
時に鋭い刃物で刺し貫かれるような痛みが走る!
同時に、甘く甘美な痛みが全身に広がる。
そこには、私が探し求めていた、運命の女性がいた!
私を優しく包んでくれる豊満な肉体。
元婚約者からどれほどの罵られても、全く動じない、皇后に相応しい強い心。
彼女こそ私の妻だ!
なかなか行えなかった立太子式だ。
ようやく私の趣味嗜好を皇帝陛下と皇后陛下が認めてくださり、婚約者を決める前に立太子式をする事を認めていただけたのだ。
少しの問題もあってはならないのだ!
「おい、なにを騒いでいるのだ!?
入室が止まってしまっているではないか!」
普段温厚な私が、思わず声を荒げてしまった。
侍従も護衛も驚いている。
だが仕方ないであろう。
私の大切な立太子式なのだ、少しの遅れも許せないのだ!
「それが、ソーベアリンナン王家のジェームズ王太子殿下が騒いでおられます」
「なんたる無礼!
なんたる愚か者だ!
即刻つまみ出せ!」
「それが、その、しかたないかと思われる理由がありまして……」
「なんだ?!
いったいどんな理由があると申すのだ?!」
「その、今日初めて婚約者と入室後に顔を会わされたのですが。
あまりの……
あまりの醜さに動顛されて、その場で婚約破棄を宣言されまして……」
愚かな!
愚かすぎる!
結婚相手に拘る気持ちは私にもわかる。
私だって皇太子の地位を賭けても、自分の趣味嗜好を貫いたのだ。
だがそれは婚約する前の話だ!
王侯貴族の婚約結婚は政略によるものなのだ!
王家が、いや、国が婚約や結婚の約定を交わした以上、それを反故にすることは許されないのだ。
ひとつ間違えば、謀叛や戦争につながるほどの名誉がかかっているのだ!
「愚か者!
王侯貴族の婚約結婚を、容姿で反故にしていいはずがなかろうが!
つまみ出せ!
ジェームズをつまみ出せ!
私の立太子式を台無しにした愚か者をつまみ出せ!」
「はい!
今直ぐに!」
私の激怒を受けて、進行役の一人が慌てて走り出そうとした。
だが、不意に、興味が湧いてしまった。
ジェームズがいかにバカでも、私の大切な立太子式を台無しにして、無事にすむとは思っていないだろう。
それが分かっていても、この場で婚約破棄を宣言したくなる女性だと?
進行役が、これほどの無礼を働いたジェームズをかばうような言動をした。
それほどの醜い王女とはどのような容姿なのだ?
「待て!
私が直々に確認する」
そう言って急ぎ足で入室用のドアの陰に進んだ。
侍従と護衛が慌てて追いかけてくるが、気にしている余裕はない。
運命に導かれるように、私は王女の姿を追ってしまった。
私は、雷に打たれたような衝撃を受けた!
心臓が止まるかと思えるほどの衝撃だった!
心臓が締め付けられたように痛む!
時に鋭い刃物で刺し貫かれるような痛みが走る!
同時に、甘く甘美な痛みが全身に広がる。
そこには、私が探し求めていた、運命の女性がいた!
私を優しく包んでくれる豊満な肉体。
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