「溺愛」「婚約破棄」「ざまあ」短編集4
第4話
「殺せ!
皆殺しにしろ!
ニサヌの弔い合戦だ!
俺の前にアフメットとミレナを引きずり出せ!」
「「「「「おう!」」」」」
少し予想外でしたが、ニサヌが焼き殺されました。
両眼を焼き潰された後も、興奮した貴族連中にずっと松明を押し付けられ、全身大火傷で絶命しました。
アフメットとミレナは、ニサヌを焼き殺した事を気にも留めていませんでしたが、弱小貴族達は興奮が冷めて自分達のやったことに震えあがりました。
自分の屋敷に戻れば、単独でプレストン公爵とメフメトの怒りを受けることになるので、皆屋敷に戻らず王太子宮に逃げ込みました。
時間を稼ごうとして、ニサヌの遺体を隠そうとしましたが、王宮に仕える下級女官達の中には、アフメットとミレナを恨んでいる者も数多くいたのです。
ニサヌがアフメット達に焼き殺された事は、直ぐにプレストン公爵に伝えられました。
プレストン公爵エミルハンとメフメトの怒りは凄まじく、プレストン公爵家自体も面目を丸潰れにされ、主従一体となって戦う決断をしたのです。
メフメトは王都屋敷にいる将兵を率いて王城に攻め込みました。
プレストン公爵は、少数の側近だけに護られて領地に戻りました。
王都での蜂起に失敗しても、領地で王国軍を迎え討つ覚悟だった。
妥協することなく、徹底抗戦する覚悟だったのです。
「王太子に殺されたニサヌの遺体を取り返しに来た!
邪魔する者は国王であろうと斬る!」
そう宣言するメフメトを邪魔する事のできる者はいなかった。
アフメットとミレナの凶行は、すでに王城王宮内に広まっていた。
虐殺された妹の遺体を取り返すというメフメトを邪魔する事は、騎士道に反する事だった。
それに、傲慢なアフメットとミレナは多くの士族に嫌われていた。
ただ一つの城門もとじられることなく、メフメト主従は王太子宮の目前にまで迫っていた。
「お待ちいただきたい、メフメト卿。
メフメト卿の気持ちは理解いたしますが、ここは王宮でございます。
武装した兵で押し入るのは大罪でございますぞ。
今回の件は特別に不問とすると国王陛下も申されておられます。
ここは引かれるのが賢明な判断ですぞ」
「よくわかった。
今回の件は国王も加担していたという事だな。
無抵抗な妹を、よってたかって焼き殺すという卑怯残忍な行いを、国王が認めたという事だな」
「いえ、決してそのような事は……」
「黙れ、近衛騎士団長!
すべての事実を知って我の前に立ちはだかるという事は、お前も同類の卑怯者だという事だ!
本物の騎士ならば、このような残虐非道な行為は、命をかけて止める。
それを止める事もなく、敵討ちの邪魔をするなど、騎士ではない!
騎士を名乗る資格などない!
そこにいる野犬を叩き殺せ!
王太子に加担する犬畜生は、妻も娘も嬲り者にした後で焼き殺せ!
「「「「「おう!」」」」」
皆殺しにしろ!
ニサヌの弔い合戦だ!
俺の前にアフメットとミレナを引きずり出せ!」
「「「「「おう!」」」」」
少し予想外でしたが、ニサヌが焼き殺されました。
両眼を焼き潰された後も、興奮した貴族連中にずっと松明を押し付けられ、全身大火傷で絶命しました。
アフメットとミレナは、ニサヌを焼き殺した事を気にも留めていませんでしたが、弱小貴族達は興奮が冷めて自分達のやったことに震えあがりました。
自分の屋敷に戻れば、単独でプレストン公爵とメフメトの怒りを受けることになるので、皆屋敷に戻らず王太子宮に逃げ込みました。
時間を稼ごうとして、ニサヌの遺体を隠そうとしましたが、王宮に仕える下級女官達の中には、アフメットとミレナを恨んでいる者も数多くいたのです。
ニサヌがアフメット達に焼き殺された事は、直ぐにプレストン公爵に伝えられました。
プレストン公爵エミルハンとメフメトの怒りは凄まじく、プレストン公爵家自体も面目を丸潰れにされ、主従一体となって戦う決断をしたのです。
メフメトは王都屋敷にいる将兵を率いて王城に攻め込みました。
プレストン公爵は、少数の側近だけに護られて領地に戻りました。
王都での蜂起に失敗しても、領地で王国軍を迎え討つ覚悟だった。
妥協することなく、徹底抗戦する覚悟だったのです。
「王太子に殺されたニサヌの遺体を取り返しに来た!
邪魔する者は国王であろうと斬る!」
そう宣言するメフメトを邪魔する事のできる者はいなかった。
アフメットとミレナの凶行は、すでに王城王宮内に広まっていた。
虐殺された妹の遺体を取り返すというメフメトを邪魔する事は、騎士道に反する事だった。
それに、傲慢なアフメットとミレナは多くの士族に嫌われていた。
ただ一つの城門もとじられることなく、メフメト主従は王太子宮の目前にまで迫っていた。
「お待ちいただきたい、メフメト卿。
メフメト卿の気持ちは理解いたしますが、ここは王宮でございます。
武装した兵で押し入るのは大罪でございますぞ。
今回の件は特別に不問とすると国王陛下も申されておられます。
ここは引かれるのが賢明な判断ですぞ」
「よくわかった。
今回の件は国王も加担していたという事だな。
無抵抗な妹を、よってたかって焼き殺すという卑怯残忍な行いを、国王が認めたという事だな」
「いえ、決してそのような事は……」
「黙れ、近衛騎士団長!
すべての事実を知って我の前に立ちはだかるという事は、お前も同類の卑怯者だという事だ!
本物の騎士ならば、このような残虐非道な行為は、命をかけて止める。
それを止める事もなく、敵討ちの邪魔をするなど、騎士ではない!
騎士を名乗る資格などない!
そこにいる野犬を叩き殺せ!
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