「溺愛」「婚約破棄」「ざまあ」短編集4
第15話ナウシカ視点
今日もいつも通りです。
料理法が完成していないのに、王太子達は食べに来ます。
しかしそれもしかたありません。
魔熊を仕留めてくれて、無料で届けてくれるのです。
試食くらいさせないと罰が当たります。
問題は魔熊肉が臭すぎる事です。
今まで使ってきた香草でも消しきれない臭さです。
しかも熱を加えるととても硬くなるのです。
それでなくても硬い魔獣の肉です。
それがさらに硬くなるのですから、硬くならないようにする調理法が重要です。
数ある知識の中から、色々な方法を試しました。
1:生肉の時に叩いて繊維を壊す。
2:酢に漬けて柔らかくする。
3:タンパク質分解酵素の強い野菜や果物に漬け込んだり一緒に煮たりする。
4:料理酒を使って柔らかくする。
その全てを組み合わせて、柔らかい料理にしつつ、臭みを取らなければいけないのですから、試作試食の回数は今までの比ではありません。
殿下はその全てを試食すると宣言されました。
私が止めるような失敗作まで試食されました。
「個性的な味だが不味くはない」
殿下はそう言われましたが、毒見しなければいけないジャンは半泣きになっていましたから、普通の舌には不味いのでしょう。
ですが流石にそんなモノばかり食べていただくわけにはいきません。
ちゃんとした食事も用意しています。
殿下の大好きな焼き肉を中心に、ブラウンシチューとホワイトシチューは必須で、特に最近お気に入りなのがホルモン料理です。
殿下はホルモン料理の虜になっているのです。
それは殿下一人にとどまらず、国王陛下までホルモン料理がお気に入りです。
ですが内臓を美味しい料理にするには下ごしらえが大切です。
我が家の料理人のように美味しく料理できないと、処刑もあり得るのです。
宮廷料理人も命には代えられません。
プライドをかなぐり捨てて、交代で我が家に修行に来ました。
晩餐会などでは、我が家の料理人が全員出張することもありました。
「ナウシカ。
この魔熊肉料理は随分と美味しくなっているのではないか?」
「お分かりになられましたか。
狩り方を変えてみたのでございます。
年齢、季節、血抜きなどの解体方法によって美味しさが違う事が分かりました。
この魔熊は、我が家の家臣団が狩ったものでございます」
「なんだと?!
まさかナウシカが狩りに行ったのか?!
危険な魔熊狩りにナウシカが参加したのか?!」
「いえ、そのような事はしておりません。
殿下の命に逆らうような不忠な真似は致しません。
家臣団ががんばってくれたのです」
「そうか、それならよいのだ。
その狩り方というのを教えてくれ。
王家の騎士団に同じ方法で狩らせよう」
料理法が完成していないのに、王太子達は食べに来ます。
しかしそれもしかたありません。
魔熊を仕留めてくれて、無料で届けてくれるのです。
試食くらいさせないと罰が当たります。
問題は魔熊肉が臭すぎる事です。
今まで使ってきた香草でも消しきれない臭さです。
しかも熱を加えるととても硬くなるのです。
それでなくても硬い魔獣の肉です。
それがさらに硬くなるのですから、硬くならないようにする調理法が重要です。
数ある知識の中から、色々な方法を試しました。
1:生肉の時に叩いて繊維を壊す。
2:酢に漬けて柔らかくする。
3:タンパク質分解酵素の強い野菜や果物に漬け込んだり一緒に煮たりする。
4:料理酒を使って柔らかくする。
その全てを組み合わせて、柔らかい料理にしつつ、臭みを取らなければいけないのですから、試作試食の回数は今までの比ではありません。
殿下はその全てを試食すると宣言されました。
私が止めるような失敗作まで試食されました。
「個性的な味だが不味くはない」
殿下はそう言われましたが、毒見しなければいけないジャンは半泣きになっていましたから、普通の舌には不味いのでしょう。
ですが流石にそんなモノばかり食べていただくわけにはいきません。
ちゃんとした食事も用意しています。
殿下の大好きな焼き肉を中心に、ブラウンシチューとホワイトシチューは必須で、特に最近お気に入りなのがホルモン料理です。
殿下はホルモン料理の虜になっているのです。
それは殿下一人にとどまらず、国王陛下までホルモン料理がお気に入りです。
ですが内臓を美味しい料理にするには下ごしらえが大切です。
我が家の料理人のように美味しく料理できないと、処刑もあり得るのです。
宮廷料理人も命には代えられません。
プライドをかなぐり捨てて、交代で我が家に修行に来ました。
晩餐会などでは、我が家の料理人が全員出張することもありました。
「ナウシカ。
この魔熊肉料理は随分と美味しくなっているのではないか?」
「お分かりになられましたか。
狩り方を変えてみたのでございます。
年齢、季節、血抜きなどの解体方法によって美味しさが違う事が分かりました。
この魔熊は、我が家の家臣団が狩ったものでございます」
「なんだと?!
まさかナウシカが狩りに行ったのか?!
危険な魔熊狩りにナウシカが参加したのか?!」
「いえ、そのような事はしておりません。
殿下の命に逆らうような不忠な真似は致しません。
家臣団ががんばってくれたのです」
「そうか、それならよいのだ。
その狩り方というのを教えてくれ。
王家の騎士団に同じ方法で狩らせよう」
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