「溺愛」「婚約破棄」「ざまあ」短編集4
第2話
「レイラ。
いかにレネオス公爵家の隠居とはいいえ、強引すぎるのではないか。
余の予定はともかく、他の貴族の謁見に割り込むなど、恨まれるぞ。
その恨みは当主のリアムではなく、孫娘のカチュアに向けられるのだぞ。
よく考えて行動せねばんらんぞ」
確かにその通りでした。
怒りと焦りで愚かな事をしてしましました。
ですが今回は仕方ありません。
そのカチュアの命がかかっているのです。
「申し訳ありません。
心慌意乱のあまり愚かな事をしてしまいました。
老い先短い年寄りの短慮とご寛恕願います」
「……そこまで言うのなら仕方あるまい。
いったい何をそんなに慌てておるのだ。
命に代えての願いとは何事だ?」
「実は……」
私は夢の事を話しました。
老人の妄想、夢に恐怖するぼけ老人、そう思われても構いません。
この話を国王陛下が信じようと信じまいと構わないのです。
これから私が行う事を、ぼけ老人の愚行をと思ってくれたら、少なくてもカチュアやレネオス公爵家が処分されることだけはないでしょう。
大切なのは、この噂が広まり、抑止力となる事です。
噂を聞いた馬鹿王太子と腐れエイヴァは、夢のようにカチュアを陥れて殺すことができなくなります。
その方法が二人の陰謀だと、先に私を嘲笑う噂として広まっているからです。
別の方法を考えるでしょうが、時間稼ぎにはなります。
「単なる夢だと言い切りたいところだが、予知夢という事もある。
孫娘を想う其方の姿が哀れでもある。
カチュアを陥れるのが同じ孫娘のエイヴァと、婚約者のルーカスだと言うのだから、哀れにもほどがあるな。
それに、余としても、ルーカスがそのような愚行を起こしてはたまらぬな。
だったら其方はどうしたいのだ?」
予想外です!
国王陛下が信じてくださいました!
いえ、ぼけ老人を哀れと思い、この場だけ信じたフリをしてくださっているのかもしれません。
それならそれで構いません。
最初から信じてもらえない想定でいたのですから。
だったらダメもとでお願いできる限りのお願いしましょう。
そのうちの一つでも二つでもかなえられたら幸運なのですから。
「ではお願いさせていただきます。
王太子殿下とカチュアの婚約を解消させてください。
カチュアには新たに縁談先を探します。
隣国の王子と婚約が整えは、この国のためにもなるでしょう。
そのためにも留学の許可を出していただけませんか?
カチュアには溢れんばかりの才能がございます。
これまでは王太子殿下の妃になるための勉強を優先してきましたが、大陸連合魔法学院に留学すれば、天与の才能が開花すると思うのです!」
いかにレネオス公爵家の隠居とはいいえ、強引すぎるのではないか。
余の予定はともかく、他の貴族の謁見に割り込むなど、恨まれるぞ。
その恨みは当主のリアムではなく、孫娘のカチュアに向けられるのだぞ。
よく考えて行動せねばんらんぞ」
確かにその通りでした。
怒りと焦りで愚かな事をしてしましました。
ですが今回は仕方ありません。
そのカチュアの命がかかっているのです。
「申し訳ありません。
心慌意乱のあまり愚かな事をしてしまいました。
老い先短い年寄りの短慮とご寛恕願います」
「……そこまで言うのなら仕方あるまい。
いったい何をそんなに慌てておるのだ。
命に代えての願いとは何事だ?」
「実は……」
私は夢の事を話しました。
老人の妄想、夢に恐怖するぼけ老人、そう思われても構いません。
この話を国王陛下が信じようと信じまいと構わないのです。
これから私が行う事を、ぼけ老人の愚行をと思ってくれたら、少なくてもカチュアやレネオス公爵家が処分されることだけはないでしょう。
大切なのは、この噂が広まり、抑止力となる事です。
噂を聞いた馬鹿王太子と腐れエイヴァは、夢のようにカチュアを陥れて殺すことができなくなります。
その方法が二人の陰謀だと、先に私を嘲笑う噂として広まっているからです。
別の方法を考えるでしょうが、時間稼ぎにはなります。
「単なる夢だと言い切りたいところだが、予知夢という事もある。
孫娘を想う其方の姿が哀れでもある。
カチュアを陥れるのが同じ孫娘のエイヴァと、婚約者のルーカスだと言うのだから、哀れにもほどがあるな。
それに、余としても、ルーカスがそのような愚行を起こしてはたまらぬな。
だったら其方はどうしたいのだ?」
予想外です!
国王陛下が信じてくださいました!
いえ、ぼけ老人を哀れと思い、この場だけ信じたフリをしてくださっているのかもしれません。
それならそれで構いません。
最初から信じてもらえない想定でいたのですから。
だったらダメもとでお願いできる限りのお願いしましょう。
そのうちの一つでも二つでもかなえられたら幸運なのですから。
「ではお願いさせていただきます。
王太子殿下とカチュアの婚約を解消させてください。
カチュアには新たに縁談先を探します。
隣国の王子と婚約が整えは、この国のためにもなるでしょう。
そのためにも留学の許可を出していただけませんか?
カチュアには溢れんばかりの才能がございます。
これまでは王太子殿下の妃になるための勉強を優先してきましたが、大陸連合魔法学院に留学すれば、天与の才能が開花すると思うのです!」
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