「ざまぁ」「婚約破棄」短編集
第1話
「秘宝の乙女!
乙女がかねてから申されておられたように、モンザ王国から乙女とアルドス王太子殿下の婚約申し込みの使者が参りました!」
宰相のアバーテ宮中伯カロジェロが慌てて駆け込んできました。
顔面蒼白です。
ついにこの時がやってきました。
生き戻って以来、この日に備えて準備してきました。
前世の不幸を繰り返す気はありません。
生まれた直後から人生をやり直して早十五年、国力を高め戦力を充実しようと努力を重ねてきました。
一番大事にしたのは人間関係です。
信頼を築き、人材を集めることに腐心しました。
二度目の人生です。
失敗だったと分かっている事は、事前に対応策を準備して失敗を回避しました。
前世で裏切った家臣は注視して動きを監視しました。
最後まで忠誠を尽くしてくれた家臣は、権力を与えり力を蓄えさせました。
市井の人材を積極的に登用しました。
私自身は前世の知識を使うことで、預言者と呼ばれるほど信頼を得ましたが、ですが、それでも、斜陽の小国にできることなど限られているのです。
大国モンザ王国から好条件を示されれば、我が国を裏切る者は多いのです。
モンザ王国以外の国と友好関係を築こうと努力しましたが、我が国の伝説がそれを阻むのです。
伝説の魔法帝国、不老不死の大魔法使いソロモンが帝王として君臨していたという、ソロモン魔法帝国の秘宝を受け継いでいるという噂です。
もちろん根も葉もない噂です。
確かに代々第一王女は「秘宝の乙女」という尊称で呼ばれます。
ですが前世では秘宝の助けなど一切なかったのです。
小国が生き残るために広めた根も葉もない嘘なのでしょう。
ですがその嘘から始まった伝説の所為で、どの国も我が国を狙っているので、どこと友好や同盟を結ぼうと、少しの油断で全てを奪われるのです。
前世ではモンザ王国の圧力に屈し、アルドスと結婚しなければなりませんでした。
しかしそれは、拷問生活の始まりでした。
ソロモン魔法帝国の秘宝を手に入れようとしたアルドスは、私を徹底的に痛めつけたのです。
肉体的にも精神的に、殺さないように気を付けながら、苦痛を与え続けたのです。
一年間拷問を続けても私が何も白状しないので、業を煮やしたアルドスはファルン王国に攻め込み、秘宝を徹底的に探しました。
それでも見つからず、私の家族を捕らえて私の前で拷問して、自白を強要しましたが、知らないことは白状できません。
結局家族は殺さえ、私も三年間毎日拷問されて獄死しました。
「乙女!
わたしに使者を斬らせてください。
使者の態度は酷過ぎます!
私に任せていただければ、モンザ王国など叩き潰してみせます!」
ああ、ベルニカ!
前世では私を助け出そうと単騎モンザ王国に突撃し、万余の敵将兵を道ずれに憤死してくれた忠義の女騎士。
今生では幸せになって欲しい!
乙女がかねてから申されておられたように、モンザ王国から乙女とアルドス王太子殿下の婚約申し込みの使者が参りました!」
宰相のアバーテ宮中伯カロジェロが慌てて駆け込んできました。
顔面蒼白です。
ついにこの時がやってきました。
生き戻って以来、この日に備えて準備してきました。
前世の不幸を繰り返す気はありません。
生まれた直後から人生をやり直して早十五年、国力を高め戦力を充実しようと努力を重ねてきました。
一番大事にしたのは人間関係です。
信頼を築き、人材を集めることに腐心しました。
二度目の人生です。
失敗だったと分かっている事は、事前に対応策を準備して失敗を回避しました。
前世で裏切った家臣は注視して動きを監視しました。
最後まで忠誠を尽くしてくれた家臣は、権力を与えり力を蓄えさせました。
市井の人材を積極的に登用しました。
私自身は前世の知識を使うことで、預言者と呼ばれるほど信頼を得ましたが、ですが、それでも、斜陽の小国にできることなど限られているのです。
大国モンザ王国から好条件を示されれば、我が国を裏切る者は多いのです。
モンザ王国以外の国と友好関係を築こうと努力しましたが、我が国の伝説がそれを阻むのです。
伝説の魔法帝国、不老不死の大魔法使いソロモンが帝王として君臨していたという、ソロモン魔法帝国の秘宝を受け継いでいるという噂です。
もちろん根も葉もない噂です。
確かに代々第一王女は「秘宝の乙女」という尊称で呼ばれます。
ですが前世では秘宝の助けなど一切なかったのです。
小国が生き残るために広めた根も葉もない嘘なのでしょう。
ですがその嘘から始まった伝説の所為で、どの国も我が国を狙っているので、どこと友好や同盟を結ぼうと、少しの油断で全てを奪われるのです。
前世ではモンザ王国の圧力に屈し、アルドスと結婚しなければなりませんでした。
しかしそれは、拷問生活の始まりでした。
ソロモン魔法帝国の秘宝を手に入れようとしたアルドスは、私を徹底的に痛めつけたのです。
肉体的にも精神的に、殺さないように気を付けながら、苦痛を与え続けたのです。
一年間拷問を続けても私が何も白状しないので、業を煮やしたアルドスはファルン王国に攻め込み、秘宝を徹底的に探しました。
それでも見つからず、私の家族を捕らえて私の前で拷問して、自白を強要しましたが、知らないことは白状できません。
結局家族は殺さえ、私も三年間毎日拷問されて獄死しました。
「乙女!
わたしに使者を斬らせてください。
使者の態度は酷過ぎます!
私に任せていただければ、モンザ王国など叩き潰してみせます!」
ああ、ベルニカ!
前世では私を助け出そうと単騎モンザ王国に突撃し、万余の敵将兵を道ずれに憤死してくれた忠義の女騎士。
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