第12話

「ウギャァァアァァァア！
許してくれ！
助けてくれ！
俺が悪かったから、謝るから、だから許してくれ！」

「正直に話してもらいましょうか。
母上を呪ったのは誰？
実行犯の居場所を教えなさい。
さもないとギネビアとフローレンスにやったのと同じ目にあわせるわ」

「知らない、俺じゃない、俺はやっていない！
ギネビアかフローレンスだ！
俺じゃないんだ！」

「そう、だったら正直に話したくなるまで待ってあげるわ」

私は転移魔法でベルドのいる場所に強引に移動しました。
使い魔を放って様子を探らせると、ベルトは強力な防御魔法の中に隠れていましたが、今の私には関係ありません。
反撃があろうと、魔力でねじ伏せます。
そして普通の拷問魔法で痛覚を刺激してあげたのですが、素直に白状しません。
だから言葉通り、ギネビアとフローレンスに使った私オリジナルの魔法を使ってあげました。

正直に白状したくなるまで時間がかかるでしょう。
それにお母さんが苦しんだ分以上に苦しませないと、私の気が晴れません。
ベルドを放置している間に、ギネビアとフローレンスを尋問することにしました。
今も激痛に苦しんでいるでしょうが、狂気で痛みから逃れられないように、正気を保つ魔法を施してあります。

少々不愉快な方法ですが、同調して記憶を探る方法もあります。
あの腐れ外道と同調するのは嫌なのですが、お母さんを助けるためなら、どれほど嫌でも私の気持ちなど関係ありません。
今回は私と母上が住んでいた塔から放たれる魔力がありますから、防御魔法による護りはありません。

悠々と移動できると思いましたが、念のために探査の使い魔を放ちました。
しかし今回は使い魔が攻撃を受けて粉砕されてしまいました。
ベルドより厳重な護りを展開しています。
当主よりも厳重な護りを展開しているなど、ローレン侯爵家の仕業ではなく、ギネビアとフローレンスの個人的な行いです。

ギネビアの実家であるペンブルック侯爵家の支援だと思われます。
ペンブルック侯爵家としても、血を分けた妹であるギネビアが生んだ姪が、ローレン侯爵家を継いだ方が都合がよかったのでしょう。
その姪を皇太子の正妃につけることができれば、次代は権力の中枢に入り込めると考えたのでしょう。

この程度で私を阻めると思ったら大間違いです。
母上を苦しめたモノは絶対に許さない。
私が塔に何の仕掛けもしていないと思っているのなら大間違いです。
今度は遠くに使い魔を転移させて確認しました。
母上と私の塔を包み込む形で防御魔法を展開しています。

いったいどれくらいの魔法使いと呪術師を動員したのでしょう？
時間をかければ自滅するのは分かりますが、母上を助けるためには力押しするしかありません！