「ざまぁ」「婚約破棄」短編集4巻
第9話
父上が姿勢を正されました。
家臣でしかないゾーヤの話を聞くのにです。
やはり実力というのは凄いモノです。
公爵家の当主が気を使うほどの戦闘力が、ゾーヤにはあるのです。
私もそれだけの実力と実績を手に入れなければいけません。
「私がカルラ様について塔にまいります。
どのような敵であろうと、私が必ず御守りします。
ですから公爵閣下は何の心配もなさらないでください。
大丈夫でございますよ」
「そうか、ゾーヤが安全を約束してくれるか。
だったら安心だ。
全て任せるよ、ゾーヤ」
父上がゾーヤの言葉を聞いて、渋っていた私とルシアの入れ替わりを、直ぐに認めてくれました。
まったく、古き神の加護を受けた聖女を何だと思っているのでしょう。
これでは、エリーニュス神様よりもゾーヤの方が、信用できると言っているも同然ですが、それも仕方がないのかもしれませんね。
エリーニュス神様は、まだ私を選んでくださって間がありません。
私がもっとエリーニュス神様の力を、この国に広めないといけないのです。
「お嬢様。
直ぐに兵を連れて参りましょう。
王家の混乱にご助力したいと申しでるのです。
城内入れてもらえれば、そのまま塔に向かってルシア様と入れ替わります。
断られたら、王家に信頼を失っているのを反省すると、公爵閣下に兵を引き連れて帰領していただくのです」
さすがゾーヤです。
兵を連れて王城に押しかけるとは、思いもしませんでした。
確かにこれなら、どちらになっても公爵家に有利に使えます。
問題は断られた後で、私と入れ替わったルシアをどうやって逃がすかです。
ですがそんな事は、ゾーヤが考えてくれているでしょう。
「ならん、いくら公爵閣下のご令嬢であろうと、今王城はとても混乱している。
これ以上混乱を広げるわけにはいかん。
なんぴとであろうと、城内に入れるわけにはいかん」
「分かりました。
王家の信頼を失った以上、領地に戻って反省するしかありません。
これで失礼させていただきます」
これ幸いと私は一旦公爵邸に戻った。
まだ日が高く明るいので、とてもではないですが、城壁を登って城内に入り込む事などできません。
陽が落ちるまでに準備を整えないといけません。
いえ、すでに公爵邸では斥候が使う道具が整えられています。
その中には、私と入れ替わったルシアを背負い、城壁を降りるための背負子や、城壁に足掛かりを作りためのクサビもあるのです。
最初に城壁を登って城内に入り込むときに、降りて逃げる時の事を考えて、クサビを打ち込んでおくのです。
私の思っていた通りの準備が、公爵邸で完璧に整えられていました。
家臣でしかないゾーヤの話を聞くのにです。
やはり実力というのは凄いモノです。
公爵家の当主が気を使うほどの戦闘力が、ゾーヤにはあるのです。
私もそれだけの実力と実績を手に入れなければいけません。
「私がカルラ様について塔にまいります。
どのような敵であろうと、私が必ず御守りします。
ですから公爵閣下は何の心配もなさらないでください。
大丈夫でございますよ」
「そうか、ゾーヤが安全を約束してくれるか。
だったら安心だ。
全て任せるよ、ゾーヤ」
父上がゾーヤの言葉を聞いて、渋っていた私とルシアの入れ替わりを、直ぐに認めてくれました。
まったく、古き神の加護を受けた聖女を何だと思っているのでしょう。
これでは、エリーニュス神様よりもゾーヤの方が、信用できると言っているも同然ですが、それも仕方がないのかもしれませんね。
エリーニュス神様は、まだ私を選んでくださって間がありません。
私がもっとエリーニュス神様の力を、この国に広めないといけないのです。
「お嬢様。
直ぐに兵を連れて参りましょう。
王家の混乱にご助力したいと申しでるのです。
城内入れてもらえれば、そのまま塔に向かってルシア様と入れ替わります。
断られたら、王家に信頼を失っているのを反省すると、公爵閣下に兵を引き連れて帰領していただくのです」
さすがゾーヤです。
兵を連れて王城に押しかけるとは、思いもしませんでした。
確かにこれなら、どちらになっても公爵家に有利に使えます。
問題は断られた後で、私と入れ替わったルシアをどうやって逃がすかです。
ですがそんな事は、ゾーヤが考えてくれているでしょう。
「ならん、いくら公爵閣下のご令嬢であろうと、今王城はとても混乱している。
これ以上混乱を広げるわけにはいかん。
なんぴとであろうと、城内に入れるわけにはいかん」
「分かりました。
王家の信頼を失った以上、領地に戻って反省するしかありません。
これで失礼させていただきます」
これ幸いと私は一旦公爵邸に戻った。
まだ日が高く明るいので、とてもではないですが、城壁を登って城内に入り込む事などできません。
陽が落ちるまでに準備を整えないといけません。
いえ、すでに公爵邸では斥候が使う道具が整えられています。
その中には、私と入れ替わったルシアを背負い、城壁を降りるための背負子や、城壁に足掛かりを作りためのクサビもあるのです。
最初に城壁を登って城内に入り込むときに、降りて逃げる時の事を考えて、クサビを打ち込んでおくのです。
私の思っていた通りの準備が、公爵邸で完璧に整えられていました。
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