「ざまぁ」「婚約破棄」短編集4巻

克全

第6話

「ギャアアアアア!
痛い、痛い、痛い、痛い。
助けろ、助けるんだ!
何をしている、近衛騎士だろ!」

「「「「「ウギャアアアアア!」」」」」

ヴェレカー公爵ニック卿がコウモリに襲われて逃げ回っている。
ヴェレカー公爵だけでなく、近衛騎士や配下の番人達も、コウモリに襲われ逃げ回りのたうちまわっていた。
今回はジェイコブの糞野郎の時とは違って、蛇は出て来ないのだと思いました。
コウモリ神使の力で、傷口を腫れ上がらせ、膿み腐らせるだけだと思いました。

でも、違いました。
コウモリだけが復讐ではありませんでした。
蛇は登場の時期を待っていただけでした。
ヴェレカー公爵と近衛騎士以下の番人達が立っていられなくなり、地面に倒れるまで隠れていただけでした。

彼らは女性を獣欲のはけ口として乱暴しようとした。
その報復として、性器を傷つけるのは当然だったのです。
蛇達が男達の性器に噛みついてくれました。
ジェイコブの糞野郎どうよう、殺すようなことはありませんが、性器が真っ赤に膨れ上がって、下着に触れただけで卒倒する激痛を与えてくれました。

「何事だ?!
お前達なにをやっておるか!
塔の警備をおろそかにしおって!
全員地下牢に叩き込んでおけ!」

とても面白い事になりました。
痛みで口もきけないヴェレカー公爵は、塔に幽閉されているルシアを密かに襲うつもりだったので、身分がバレない服装をしていた。
だから、警備をおろそかにした番人達と一緒に、地下牢に叩きこまれた。
公爵家との当主ともあろう者が、ネズミや虫が走り回っている、暗く冷たく臭い地下牢で、腫れあがった性器を丸出しにして痛みに苦しんでいる。

普通の状態なら、ヴェレカー公爵家の者達が内々で助けようとするのでしょうが、ジェイコブの糞野郎とヴェレカー公爵家令嬢エヴァが、王太子宮内でコウモリと蛇に襲われ、口にするのもはばかれるような病気になった事で大混乱になっており、王家王国はとても交渉できる状況ではないのです。

エリーニュス神様のお話では、ヴェレカー公爵家自体も、令嬢エヴァが顔が腐っていくような状態で、内密に女性を襲うとしていた当主の帰りが遅いくらいでは、騒がないのだそうです。
女性を痛めつけるのに夢中で、ヴェレカー公爵が一日二日帰ってこない事は、よくあった事だそうです。

それでジェイコブの糞野郎とヴェレカー公爵家令嬢エヴァですが、ジェイコブは未だに性器の激痛で下着もはけない状態です。
エヴァは痛みの苦しみはもちろん、腐ってくる顔に恐怖して、錯乱状態になっていますが、この問題にヴェレカー公爵家も王家も悩み苦しんでいるそうです。
ここで同じコウモリと蛇に襲われた塔の番人がでてきたのです。
王家王国が狂騒状態になっています。



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