「ざまぁ」「婚約破棄」短編集4巻
第9話
「今日は少し贅沢をしましょう。
王都の事は忘れて、美味しいモノを食べて、英気を養いましょう。
私達が病んでしまったら、領民を助けに戻れなくなります。
しっかり食べて、体力をつけましょう」
「はい、お姉様」
追放刑の旅程の間には、清らかな水の流れる川があります。
その川に住む魚介類は、川魚とは思えない美味しさだと評判です。
特に大きな蟹と海老が名物で、川沿いには高級料理屋が並んでいます。
追放刑になった私達が食事に入るのは、少々問題がありますが、王都が大混乱している今なら、咎める者はいないでしょう。
もし咎める者がいれば、魔法で叩き潰します。
エレノアに汚いモノを見せるわけにはいきませんから、分からないようにです。
まあ大丈夫でしょう。
私達は控えめに見ても美女です。
男は美女には甘いモノです。
「焼き物も用意しておりますが、焼き物は少しでも時間が経つと乾いてしまいます。
お持ちしたら直ぐに食べていただければ幸いです」
「分かったわ。
料理人の努力を無にしたりはしないわ。
ただ姉妹水入らずで食事をするのは五年ぶりなの。
できればワインを飲みながらゆっくり語り合いたいの。
だから焼き物は早めに出してくれるかしら?」
「承りました。
前菜をお出しして直ぐに出せるようにいたします」
女将は私の願いをよろこんで聞きとげてくれました。
とても気性のよい人なのでしょう。
ですが、それでも、完全に気を許す事はできません。
女将が知らないうちに、料理に毒が盛られている事もあります。
私の使える全ての感知魔法を使い、毒の有無を確かめます。
「焼き物は火が通り次第お持ちします。
お持ちしたら前菜より先にお食べください。
手炙りを置いておきますので、干物は手炙りで炙ってお食べください。
チーズを炙って食べるのが好きな方もおられます。
では失礼させていただきます」
「「ありがとう」」
女将の言葉通り、最初に前菜と食前酒が運ばれてきました。
五種のチーズ。
五種のハム。
烏賊の干物
川貝の干物
川魚の干物
川魚のなれずし
小魚の甘露煮。
カニの卵の塩漬け。
鶴のつみれ汁。
食前酒。
「お姉様。
想像以上に豪華なのですが、こんな贅沢をして大丈夫なのでしょうか?
領主は質素倹約を率先垂範しなければいけないのではありませんか?」
「大丈夫ですよ。
いつも贅沢をする訳ではありません。
それにここの料金は、私が聖女とは関係のない、薬草作りで手に入れたお金で払いますから、全く気にしなくていいのですよ。
今日だけは姉妹水入らずで料理を愉しみ語り合いましょう。
では乾杯しましょうね」
「はい、お姉様」
王都の事は忘れて、美味しいモノを食べて、英気を養いましょう。
私達が病んでしまったら、領民を助けに戻れなくなります。
しっかり食べて、体力をつけましょう」
「はい、お姉様」
追放刑の旅程の間には、清らかな水の流れる川があります。
その川に住む魚介類は、川魚とは思えない美味しさだと評判です。
特に大きな蟹と海老が名物で、川沿いには高級料理屋が並んでいます。
追放刑になった私達が食事に入るのは、少々問題がありますが、王都が大混乱している今なら、咎める者はいないでしょう。
もし咎める者がいれば、魔法で叩き潰します。
エレノアに汚いモノを見せるわけにはいきませんから、分からないようにです。
まあ大丈夫でしょう。
私達は控えめに見ても美女です。
男は美女には甘いモノです。
「焼き物も用意しておりますが、焼き物は少しでも時間が経つと乾いてしまいます。
お持ちしたら直ぐに食べていただければ幸いです」
「分かったわ。
料理人の努力を無にしたりはしないわ。
ただ姉妹水入らずで食事をするのは五年ぶりなの。
できればワインを飲みながらゆっくり語り合いたいの。
だから焼き物は早めに出してくれるかしら?」
「承りました。
前菜をお出しして直ぐに出せるようにいたします」
女将は私の願いをよろこんで聞きとげてくれました。
とても気性のよい人なのでしょう。
ですが、それでも、完全に気を許す事はできません。
女将が知らないうちに、料理に毒が盛られている事もあります。
私の使える全ての感知魔法を使い、毒の有無を確かめます。
「焼き物は火が通り次第お持ちします。
お持ちしたら前菜より先にお食べください。
手炙りを置いておきますので、干物は手炙りで炙ってお食べください。
チーズを炙って食べるのが好きな方もおられます。
では失礼させていただきます」
「「ありがとう」」
女将の言葉通り、最初に前菜と食前酒が運ばれてきました。
五種のチーズ。
五種のハム。
烏賊の干物
川貝の干物
川魚の干物
川魚のなれずし
小魚の甘露煮。
カニの卵の塩漬け。
鶴のつみれ汁。
食前酒。
「お姉様。
想像以上に豪華なのですが、こんな贅沢をして大丈夫なのでしょうか?
領主は質素倹約を率先垂範しなければいけないのではありませんか?」
「大丈夫ですよ。
いつも贅沢をする訳ではありません。
それにここの料金は、私が聖女とは関係のない、薬草作りで手に入れたお金で払いますから、全く気にしなくていいのですよ。
今日だけは姉妹水入らずで料理を愉しみ語り合いましょう。
では乾杯しましょうね」
「はい、お姉様」
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