「ざまぁ」「婚約破棄」短編集4巻
第20話
「ヴィリアーズ子爵閣下。
新たな捕虜の収容が終わりました」
「そう、では次の任務を頼みます」
「は、何なりとお申し付けください」
「デヴァルー王国の城に行って、次に捕虜を捕らえたら部屋を貸して欲しいと伝えてください」
「承りました。
直ぐに行ってまいります」
私とアウロラがラムリー王国側軍城を占領して半年、三度の奪還攻撃がありましたが、その悉くを私が単騎で撃退しました。
その度にまた多くの捕虜をえました。
ラムリー王国の貴族士族商人は、大枚の身代金を支払って国に帰る者と、身代金が払えずずっと牢屋にいる者に分かれました。
なかには今回の戦争には加担しないと宣誓書に署名しておきながら、二度目三度目の奪還作戦に従軍し、再度捕虜になる卑怯者もいました。
そんな者は上級貴族であろうと裸にして城門に晒しました。
糞尿垂れ流しで晒し者になって、生き恥をかいて、もうラムリー王国の社交界には出られない状態です。
ここまで圧倒的に負け続けると、ラムリー王国側の貴族士族商人の中には、デヴァルー王国側、特に私とアウロラにすり寄ってくる者が現れます。
彼らが持ってくる情報によると、この状況を作り出したフラヴィオ王に対する貴族士族商人の突き上げが激しいようです。
フラヴィオ王は自分の立場を護るために、キャーラを切り捨てる決断をしたとのことです。
最初に私とアウロラを襲った貴族士族に関しては、王命による敗北なので不問にするそうですが、軍城を奪われた貴族士族に関しては、身代金を支払って戻ってきた者は不問にするものの、払えなかった者の家は取り潰して私とアウロラへの割譲領にするのだそうです。
王命で行われた都合三度の奪還作戦で捕虜になった者に関しては、全く責任は問わないものの、身代金の援助も貸しつけもしないそうです。
まあ、そもそも、私とアウロラを捕虜にして身代金を手に入れるのは貴族士族ですから、何かあった時に損をするのも貴族士族でよいと考えているのでしょう。
しかしそれでは忠誠心を獲得できないと思うのですが……
ですがその流れが急激に変わりました!
海を渡り遠い異国にまで遠征させられていた父上様達が、ようやく国に帰ってこられるという噂が伝わってきたのです。
対陣していた異国との休戦協定がようやくまとまり、撤退時に背後を襲われる心配がなくなったのだそうです。
これにフラヴィオ王が慌てました。
貴族士族の半数が私の捕虜になったままの状態で、歴戦の騎士と兵士が我が国に戻ってくるのです。
特に私とアウロラの軍勢が戻ってくるのです。
荒々しい戦場帰りの精神では、問答無用でラムリー王国に攻め込むかもしれないと考えたのでしょう。
急ぎ和平交渉の使者を送ってきました。
新たな捕虜の収容が終わりました」
「そう、では次の任務を頼みます」
「は、何なりとお申し付けください」
「デヴァルー王国の城に行って、次に捕虜を捕らえたら部屋を貸して欲しいと伝えてください」
「承りました。
直ぐに行ってまいります」
私とアウロラがラムリー王国側軍城を占領して半年、三度の奪還攻撃がありましたが、その悉くを私が単騎で撃退しました。
その度にまた多くの捕虜をえました。
ラムリー王国の貴族士族商人は、大枚の身代金を支払って国に帰る者と、身代金が払えずずっと牢屋にいる者に分かれました。
なかには今回の戦争には加担しないと宣誓書に署名しておきながら、二度目三度目の奪還作戦に従軍し、再度捕虜になる卑怯者もいました。
そんな者は上級貴族であろうと裸にして城門に晒しました。
糞尿垂れ流しで晒し者になって、生き恥をかいて、もうラムリー王国の社交界には出られない状態です。
ここまで圧倒的に負け続けると、ラムリー王国側の貴族士族商人の中には、デヴァルー王国側、特に私とアウロラにすり寄ってくる者が現れます。
彼らが持ってくる情報によると、この状況を作り出したフラヴィオ王に対する貴族士族商人の突き上げが激しいようです。
フラヴィオ王は自分の立場を護るために、キャーラを切り捨てる決断をしたとのことです。
最初に私とアウロラを襲った貴族士族に関しては、王命による敗北なので不問にするそうですが、軍城を奪われた貴族士族に関しては、身代金を支払って戻ってきた者は不問にするものの、払えなかった者の家は取り潰して私とアウロラへの割譲領にするのだそうです。
王命で行われた都合三度の奪還作戦で捕虜になった者に関しては、全く責任は問わないものの、身代金の援助も貸しつけもしないそうです。
まあ、そもそも、私とアウロラを捕虜にして身代金を手に入れるのは貴族士族ですから、何かあった時に損をするのも貴族士族でよいと考えているのでしょう。
しかしそれでは忠誠心を獲得できないと思うのですが……
ですがその流れが急激に変わりました!
海を渡り遠い異国にまで遠征させられていた父上様達が、ようやく国に帰ってこられるという噂が伝わってきたのです。
対陣していた異国との休戦協定がようやくまとまり、撤退時に背後を襲われる心配がなくなったのだそうです。
これにフラヴィオ王が慌てました。
貴族士族の半数が私の捕虜になったままの状態で、歴戦の騎士と兵士が我が国に戻ってくるのです。
特に私とアウロラの軍勢が戻ってくるのです。
荒々しい戦場帰りの精神では、問答無用でラムリー王国に攻め込むかもしれないと考えたのでしょう。
急ぎ和平交渉の使者を送ってきました。
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