転生武田義信
第227話攻防⑤
1575年4月:ゴア要塞都市・猿渡飛影と側近:猿渡飛影視点
「殿」
「なんだ」
「大宰帥様が援軍を求めております」
「援軍とな。まさか、影衆か」
「はい。城壁を越え、城門を開いて欲しいとの事です」
「愚かな」
「はい」
「だが、気付いているのだな」
「はい。家老が気づき、大宰帥様に諫言したようでございます」
「余計な事を」
「はい」
「断れ」
「しかしながら、それではゴアの城は落ちませんが、宜しいのですか」
「城が落ちねば、謀叛にはならんと言いたいのか」
「はい。確たる証拠がなければ、流石に討ち取ると言う訳にはいかないのではありませんか」
「そんな事はない。陛下から、問答無用で討ち取ってよいと言われておる」
「でしたら、何故今まで御待ちになられたのですか」
「殿下の御指示だ」
「王太子殿下でございますか」
「そうだ」
「殿下から、何という御指示があったのですか」
「無駄遣いするなだ」
「将兵を無駄に死なせるなと言う事でございますか」
「そうだ」
信廉殿を殺すのは仕方がない。
いや、信龍殿や信智殿も殺さねばならない。
だが将兵は、出来るだけ残した方がいい。
もちろん、主君に忠誠を尽くす者は、死なせてやらねばならんが、土岐家と今川家に忠誠を尽くしたい者の方が多いだろう。
彼らからみれば、信龍殿や信智殿は余所者に過ぎない。
信龍殿や信智殿を除いたとしても、殿下の御子を養子に頂けるのなら、むしろ好都合であろう。
武田本家に睨まれることなく、五百万石の領地が約束されるのだからな。
「では、なぜ第二陣が送り込まれるのですか」
「大宰帥殿達の子息が、残りの家臣を引き連れて参陣する事か」
「はい」
「父親だけを誅して子を残せば、後々謀叛に走るかもしれん」
「一門皆殺しでございますか」
「父親たちの謀叛を聞いて、それに同調するようなら、皆殺しにするしかないな」
「同調せず、父親に叛旗を翻したらどうなされるのですか。許されるのですか」
「陛下からは、問答無用で殺せと命じられている」
「殿下は何と申されておられるのですか」
「さっきも申したであろう。無駄遣いするなだ」
「死ぬまで使えと言う事でございますか」
「そうだ。大きな手柄を立てさせて、それによって助命すると言う事だ」
「陛下がそれを聞き届けて下さいますでしょうか」
「まあ、陛下が一番殿下の性格を御存知だから、最初からこうなる事は想定されておろう」
「確かに、その可能性はございますな」
「一旦家を潰して、子息達の功名に応じた扶持を与えるが、それほど多くはあるまい」
「殆どの子息が、謀叛に応じると言われるのですか」
「当然だ。百万石の付家老で終わるか、天竺で藩王になるかだぞ」
「自分の武勇に賭けると言う事ですな」
「ああ」
「殿」
「なんだ」
「大宰帥様が援軍を求めております」
「援軍とな。まさか、影衆か」
「はい。城壁を越え、城門を開いて欲しいとの事です」
「愚かな」
「はい」
「だが、気付いているのだな」
「はい。家老が気づき、大宰帥様に諫言したようでございます」
「余計な事を」
「はい」
「断れ」
「しかしながら、それではゴアの城は落ちませんが、宜しいのですか」
「城が落ちねば、謀叛にはならんと言いたいのか」
「はい。確たる証拠がなければ、流石に討ち取ると言う訳にはいかないのではありませんか」
「そんな事はない。陛下から、問答無用で討ち取ってよいと言われておる」
「でしたら、何故今まで御待ちになられたのですか」
「殿下の御指示だ」
「王太子殿下でございますか」
「そうだ」
「殿下から、何という御指示があったのですか」
「無駄遣いするなだ」
「将兵を無駄に死なせるなと言う事でございますか」
「そうだ」
信廉殿を殺すのは仕方がない。
いや、信龍殿や信智殿も殺さねばならない。
だが将兵は、出来るだけ残した方がいい。
もちろん、主君に忠誠を尽くす者は、死なせてやらねばならんが、土岐家と今川家に忠誠を尽くしたい者の方が多いだろう。
彼らからみれば、信龍殿や信智殿は余所者に過ぎない。
信龍殿や信智殿を除いたとしても、殿下の御子を養子に頂けるのなら、むしろ好都合であろう。
武田本家に睨まれることなく、五百万石の領地が約束されるのだからな。
「では、なぜ第二陣が送り込まれるのですか」
「大宰帥殿達の子息が、残りの家臣を引き連れて参陣する事か」
「はい」
「父親だけを誅して子を残せば、後々謀叛に走るかもしれん」
「一門皆殺しでございますか」
「父親たちの謀叛を聞いて、それに同調するようなら、皆殺しにするしかないな」
「同調せず、父親に叛旗を翻したらどうなされるのですか。許されるのですか」
「陛下からは、問答無用で殺せと命じられている」
「殿下は何と申されておられるのですか」
「さっきも申したであろう。無駄遣いするなだ」
「死ぬまで使えと言う事でございますか」
「そうだ。大きな手柄を立てさせて、それによって助命すると言う事だ」
「陛下がそれを聞き届けて下さいますでしょうか」
「まあ、陛下が一番殿下の性格を御存知だから、最初からこうなる事は想定されておろう」
「確かに、その可能性はございますな」
「一旦家を潰して、子息達の功名に応じた扶持を与えるが、それほど多くはあるまい」
「殆どの子息が、謀叛に応じると言われるのですか」
「当然だ。百万石の付家老で終わるか、天竺で藩王になるかだぞ」
「自分の武勇に賭けると言う事ですな」
「ああ」
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