転生武田義信
第211話朝令暮改
1575年1月:薩摩一宇治城・本丸義信私室:鷹司義信・織田上総介信長・真田弾正忠幸隆・黒影・闇影・影衆:鷹司義信視点
「殿下、今回の件は由々しき問題でございますぞ」
「弾正忠の言いたいことは分かっている。表で決めるべき事を、奥の感情を優先させた事を問題にしているのであろう」
「分かっておられて、敢えてなされたのですか」
「そうだ」
「何故でございますか」
「内乱を未然で防ぐためだ」
「まさか。義近様が家督を狙って謀叛を起こされると御考えなのですか」
「そうではない。だが、信春のように、家臣に担がれる可能性がある」
「しかしそれは、影衆が未然に処分してくれたではありませんか」
「少し宜しいか」
やれやれ、信長が口を挟むなら、すんなりとは終わらんな。
「何だ、上総介」
「今回の影衆の働きですが、家中の中には、影衆が気に食わない者を罠に嵌めたと言う者が現れているようです」
「それは本当か、闇影」
「真でございます」
「そうか。それで、上野介はどうすればよかったと考える」
「影衆には、これからも万全の状態で働いてもらわねばなりません。その為には、余計な汚名は邪魔でございます。間違った汚名の為に、力を発揮できないなど、あってはなりません」
「確かにその通りだな」
「これからは、謀叛を起こさせましょう。そして禍根を断つためにも、その者の本家共々潰してしまいましょう」
信長らしい苛烈な考えだな。
「上野介は、小山田家と勝沼家は根絶やしにすべきだったと言うのだな」
「はい。義近様が影衆の流れをくむ御子だと言う事は、家中の者全てが知っております。今回の義近様の処遇と比べて、信春、信茂、信定の処遇は厳し過ぎると、影で噂する事でしょう」
「上野介も弾正忠と同じで、義近にもっと厳しい処分をしろと申すのだな」
「いいえ」
「では何が言いたいのだ」
「今回の件は、兵部卿家と関係もありますから、殿下の仕置きが正しいと思いますが、それ以前の問題として、今後は実際に謀叛を起こさせるべきでございます」
「あいや待たれよ。そんな事をすれば、武田王国内で内乱が起こってしまうではないか」
「内乱など、戦国の世では普通にあった事だ」
「何と極端な事を申されるか」
「親が子を殺し、子が親を殺す。兄弟が家督を争って殺し合うのが戦国だ」
「だがその戦国の世は、殿下が終止符をうたれた」
「それは違うぞ、弾正忠殿。今も他国に攻め込んでいるではないか」
「それは他国に攻め込んでいるのであって、日ノ本で争っている訳ではない」
「戦は戦だ。日ノ本の民が、戦い続けておる」
「上野介は、余が南蛮に戦いを仕掛ける事に反対なのか」
「いいえ、そうではありません」
「ではどう言う事なのだ」
「南蛮との戦をするからこそ、影衆が後ろ指をさされることがあってはなりません。本当に悪い者を明らかにして、公明正大な処分をせねばなりません」
これは、奥で決めた事を撤回する必要があるかな。
やれやれ、九条達には謝らないといけないな。
「殿下、今回の件は由々しき問題でございますぞ」
「弾正忠の言いたいことは分かっている。表で決めるべき事を、奥の感情を優先させた事を問題にしているのであろう」
「分かっておられて、敢えてなされたのですか」
「そうだ」
「何故でございますか」
「内乱を未然で防ぐためだ」
「まさか。義近様が家督を狙って謀叛を起こされると御考えなのですか」
「そうではない。だが、信春のように、家臣に担がれる可能性がある」
「しかしそれは、影衆が未然に処分してくれたではありませんか」
「少し宜しいか」
やれやれ、信長が口を挟むなら、すんなりとは終わらんな。
「何だ、上総介」
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「真でございます」
「そうか。それで、上野介はどうすればよかったと考える」
「影衆には、これからも万全の状態で働いてもらわねばなりません。その為には、余計な汚名は邪魔でございます。間違った汚名の為に、力を発揮できないなど、あってはなりません」
「確かにその通りだな」
「これからは、謀叛を起こさせましょう。そして禍根を断つためにも、その者の本家共々潰してしまいましょう」
信長らしい苛烈な考えだな。
「上野介は、小山田家と勝沼家は根絶やしにすべきだったと言うのだな」
「はい。義近様が影衆の流れをくむ御子だと言う事は、家中の者全てが知っております。今回の義近様の処遇と比べて、信春、信茂、信定の処遇は厳し過ぎると、影で噂する事でしょう」
「上野介も弾正忠と同じで、義近にもっと厳しい処分をしろと申すのだな」
「いいえ」
「では何が言いたいのだ」
「今回の件は、兵部卿家と関係もありますから、殿下の仕置きが正しいと思いますが、それ以前の問題として、今後は実際に謀叛を起こさせるべきでございます」
「あいや待たれよ。そんな事をすれば、武田王国内で内乱が起こってしまうではないか」
「内乱など、戦国の世では普通にあった事だ」
「何と極端な事を申されるか」
「親が子を殺し、子が親を殺す。兄弟が家督を争って殺し合うのが戦国だ」
「だがその戦国の世は、殿下が終止符をうたれた」
「それは違うぞ、弾正忠殿。今も他国に攻め込んでいるではないか」
「それは他国に攻め込んでいるのであって、日ノ本で争っている訳ではない」
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「上野介は、余が南蛮に戦いを仕掛ける事に反対なのか」
「いいえ、そうではありません」
「ではどう言う事なのだ」
「南蛮との戦をするからこそ、影衆が後ろ指をさされることがあってはなりません。本当に悪い者を明らかにして、公明正大な処分をせねばなりません」
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