転生武田義信
第208話処分①
1575年1月:薩摩一宇治城・本丸義信寝室:鷹司義信と正室・側室:義信視点
「若様。どうか、義近に国を与えてやって下さい」
「諸王太子殿下。わらわからも御願致します」
「まあ待て。先ずはジャカルタ攻略の功名を明らかにして、その恩賞を考えなければならん」
気持ちは分かるが、緑も九条も焦り過ぎだ。
義近が縁談を断ったからと言って、それが直ぐに処分につながる訳ではない。
確かに国を興す順番は遅れるが、愛する人を正室に迎えたいと言う、純粋な気持ちも理解出来る。
今の武田家なら、そう言う我儘も許される。
もっとも、国や領地を失う覚悟が必要だが。
「諸王太子殿下。信基殿はもちろん、義近殿も義正殿も義剛殿も、命懸けで戦ってくれました」
「そうだな。だがそれは、武田本家の人間として、当たり前の事だ」
「諸王太子殿下」
「九条よ。御前らしくないぞ」
「それは・・・・・」
「義近の事が心配なのは分かるが、先ずは家臣の功名からだ」
「はい・・・・・」
「緑もそれでよいな」
「はい・・・・・」
武家でも公家でも、正室の子と側室の子では、待遇が全く違う。
武家ならば、圧倒的な武勇で、正嫡を超えることも可能だが、公卿では血統が絶対だ。
だからこそ、九条は側室の子供達が不憫なのだろう。
確かに俺も、露骨に待遇に差を付けている。
恐ろしい位の権力を手に入れた以上、それを正統に引き継がせないと。また戦国の世に逆戻りしてしまう。
俺の知る歴史では、戦乱を招く原因の大半は、後継者を巡る争いだ。
「諸王太子殿下。功名を上げた家臣達は、正当に評価されるでしょうが、主君を失った陪臣達の中にも、功名を上げた者がいるのではありませんか。そう言う者達は、どうなさる御心算ですか」
「九条が気にしているのは、戦死した信春、信茂、信定の家臣達の事か」
「はい。武田家から見れば陪臣ですから、直接褒美を与える立場でない事は、重々承知しておりますが、どうかよしなに取り計らってあげて下さい」
「分かっているよ」
信春の事は信玄に許可を取り、信茂と信定は、小山田本家と勝沼本家に、暗殺する許可を取って殺した。
小山田と勝沼は、今回の謀叛未遂でだいぶ追い詰められていたから、下手に突くと暴発する可能性もあった。
内々に殺して、家としては一切処分しない事で、恩を売る形になった。
愛する子供を殺された事で、親には恨まれてるだろうが、戦国の世を生き抜いてきた武将なら、親の愛より当主として家を守る責務を優先するだろう。
それが出来ず、襤褸を出すようなら、影衆が報告してくれるだろう。
「心配しなくても、合戦で死んだ者には無条件で加増があるから、本家の者が功名に合わせて正統に評価する。不当に評価したら、家を去られるだけだ」
「そんな事になったら、陪臣は困るのではありませんか」
「本当の武勇の士なら、余を始め、誰も放っては置かん。合戦で見かけた武勇に応じて、扶持を示して召し抱えるさ」
「そうですか。それを御聞きして安心いたしました」
「若様。どうか、義近に国を与えてやって下さい」
「諸王太子殿下。わらわからも御願致します」
「まあ待て。先ずはジャカルタ攻略の功名を明らかにして、その恩賞を考えなければならん」
気持ちは分かるが、緑も九条も焦り過ぎだ。
義近が縁談を断ったからと言って、それが直ぐに処分につながる訳ではない。
確かに国を興す順番は遅れるが、愛する人を正室に迎えたいと言う、純粋な気持ちも理解出来る。
今の武田家なら、そう言う我儘も許される。
もっとも、国や領地を失う覚悟が必要だが。
「諸王太子殿下。信基殿はもちろん、義近殿も義正殿も義剛殿も、命懸けで戦ってくれました」
「そうだな。だがそれは、武田本家の人間として、当たり前の事だ」
「諸王太子殿下」
「九条よ。御前らしくないぞ」
「それは・・・・・」
「義近の事が心配なのは分かるが、先ずは家臣の功名からだ」
「はい・・・・・」
「緑もそれでよいな」
「はい・・・・・」
武家でも公家でも、正室の子と側室の子では、待遇が全く違う。
武家ならば、圧倒的な武勇で、正嫡を超えることも可能だが、公卿では血統が絶対だ。
だからこそ、九条は側室の子供達が不憫なのだろう。
確かに俺も、露骨に待遇に差を付けている。
恐ろしい位の権力を手に入れた以上、それを正統に引き継がせないと。また戦国の世に逆戻りしてしまう。
俺の知る歴史では、戦乱を招く原因の大半は、後継者を巡る争いだ。
「諸王太子殿下。功名を上げた家臣達は、正当に評価されるでしょうが、主君を失った陪臣達の中にも、功名を上げた者がいるのではありませんか。そう言う者達は、どうなさる御心算ですか」
「九条が気にしているのは、戦死した信春、信茂、信定の家臣達の事か」
「はい。武田家から見れば陪臣ですから、直接褒美を与える立場でない事は、重々承知しておりますが、どうかよしなに取り計らってあげて下さい」
「分かっているよ」
信春の事は信玄に許可を取り、信茂と信定は、小山田本家と勝沼本家に、暗殺する許可を取って殺した。
小山田と勝沼は、今回の謀叛未遂でだいぶ追い詰められていたから、下手に突くと暴発する可能性もあった。
内々に殺して、家としては一切処分しない事で、恩を売る形になった。
愛する子供を殺された事で、親には恨まれてるだろうが、戦国の世を生き抜いてきた武将なら、親の愛より当主として家を守る責務を優先するだろう。
それが出来ず、襤褸を出すようなら、影衆が報告してくれるだろう。
「心配しなくても、合戦で死んだ者には無条件で加増があるから、本家の者が功名に合わせて正統に評価する。不当に評価したら、家を去られるだけだ」
「そんな事になったら、陪臣は困るのではありませんか」
「本当の武勇の士なら、余を始め、誰も放っては置かん。合戦で見かけた武勇に応じて、扶持を示して召し抱えるさ」
「そうですか。それを御聞きして安心いたしました」
「転生武田義信」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
-
-
2.1万
-
7万
-
-
6,644
-
2.9万
-
-
170
-
59
-
-
64
-
22
-
-
1.2万
-
4.8万
-
-
5,170
-
2.6万
-
-
5,030
-
1万
-
-
9,691
-
1.6万
-
-
8,169
-
5.5万
-
-
2,492
-
6,724
-
-
3,146
-
3,386
-
-
610
-
221
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
3,540
-
5,228
-
-
9,385
-
2.4万
-
-
6,176
-
2.6万
-
-
152
-
244
-
-
1,292
-
1,425
-
-
2,858
-
4,949
-
-
6,657
-
6,967
-
-
6,044
-
2.9万
-
-
1,289
-
8,764
-
-
3万
-
4.9万
-
-
341
-
841
-
-
6,206
-
3.1万
-
-
442
-
726
-
-
71
-
153
-
-
49
-
163
-
-
1,861
-
1,560
-
-
80
-
281
-
-
3,643
-
9,420
-
-
985
-
1,509
-
-
216
-
516
-
-
12
-
6
-
-
105
-
364
-
-
58
-
89
-
-
63
-
43
-
-
19
-
1
-
-
81
-
138
-
-
358
-
1,672
-
-
28
-
46
-
-
3
-
1
-
-
202
-
161
-
-
2,940
-
4,405
-
-
7,460
-
1.5万
-
-
2,621
-
7,283
-
-
193
-
926
-
-
23
-
2
-
-
9,166
-
2.3万
-
-
179
-
157
-
-
4,916
-
1.7万
-
-
1,640
-
2,764
-
-
37
-
52
-
-
59
-
87
-
-
98
-
15
-
-
86
-
30
-
-
400
-
439
-
-
33
-
83
-
-
3,202
-
1.5万
-
-
83
-
150
-
-
40
-
13
-
-
1,253
-
944
-
-
611
-
1,139
-
-
236
-
1,828
-
-
78
-
2,902
-
-
2,419
-
9,367
コメント