転生武田義信
第207話愛ゆえに
1574年12月:ジャカルタ攻略艦隊:武田義近と側近衆:武田義近視点
「余には、将来を約束した姫がいるのだ」
「その姫を正室に迎えたいから、今回の縁談を断ると申されるのですか」
「そうだ」
「諸王太子殿下の御子でありながら、その責務を放棄すると申されるのですか」
「全てを放棄する訳ではない。武士として、死を覚悟で合戦に臨もう。統治も手を抜かずに行う」
「縁談も、統治の一環だと理解されておられるのですか」
「理解している。だから領地は、縁談を組まない程度の広さで構わん」
「影衆の努力を無にされるのですか」
「それは申し訳ないと思っている」
「そのような事では、王国を建国する事は出来ませんぞ」
「覚悟している」
「それほど、兵部卿の御息女を愛されておられるのですか」
「知っていたのか。いや、そうだな。影衆に隠れて出来る事など何もないな」
大叔父上の御息女とは、諏訪にいた時から惹かれ合っていた。
互いの立場もあって、大っぴらに会う事はなかったが、最初は文のやり取りを行ってきた。
海軍で訓練を行う事が決まって、自分の気持ちを告げた。
姫も、余の事を愛していると告げてくれた。
初陣を飾る事が決まって、将来の約束をした。
その全てを、影衆には知られていた。
なのに、影衆は縁談を持ち込んだ。
余達の恋など、影衆には何の価値もなかったのだ。
いや、大叔父上と縁を結ぶ事は、武田の為にならないと判断して、引き離そうとしたのか。
余が大叔父上の御息女と縁を結ぶと、大叔父上の家に家督問題を持ち込んでしまうのか。
大叔父上の嫡男が家督を継ぐのが順当だが、御父上様が、余に家督を継がそうとしていると思われると、内乱の危機を招くかもしれない。
大叔父上が、御爺様や御父上と敵対することになったら、武田家の根本を揺るがす内乱になるかもしれない。
それを未然に防ぐためにも、無理にでも余に正室を迎えさえたかったのか。
だがこの恋を、諦められない。
家を捨てればいいという話ではない。
いや、余も姫も、簡単に立場を捨てられるような、軽い家に生まれていない。
武田諸王家は、元に匹敵する国になるだろう。
大叔父上の家は、金や遼に肩を並べる国になるだろう。
それぞれに何の悪影響も与えず、姫を正室に迎えるには、現地の姫を正室に迎えなくていい土地を占領しなければならない。
そんな都合のいい国は、早々有るモノではない。
そこは矢張り、影衆に教えてもらわねばならない。
そして何より、諸王陛下と父上様の許可をもらわなければならん。
「爺。頼みがあるのだ」
「余には、将来を約束した姫がいるのだ」
「その姫を正室に迎えたいから、今回の縁談を断ると申されるのですか」
「そうだ」
「諸王太子殿下の御子でありながら、その責務を放棄すると申されるのですか」
「全てを放棄する訳ではない。武士として、死を覚悟で合戦に臨もう。統治も手を抜かずに行う」
「縁談も、統治の一環だと理解されておられるのですか」
「理解している。だから領地は、縁談を組まない程度の広さで構わん」
「影衆の努力を無にされるのですか」
「それは申し訳ないと思っている」
「そのような事では、王国を建国する事は出来ませんぞ」
「覚悟している」
「それほど、兵部卿の御息女を愛されておられるのですか」
「知っていたのか。いや、そうだな。影衆に隠れて出来る事など何もないな」
大叔父上の御息女とは、諏訪にいた時から惹かれ合っていた。
互いの立場もあって、大っぴらに会う事はなかったが、最初は文のやり取りを行ってきた。
海軍で訓練を行う事が決まって、自分の気持ちを告げた。
姫も、余の事を愛していると告げてくれた。
初陣を飾る事が決まって、将来の約束をした。
その全てを、影衆には知られていた。
なのに、影衆は縁談を持ち込んだ。
余達の恋など、影衆には何の価値もなかったのだ。
いや、大叔父上と縁を結ぶ事は、武田の為にならないと判断して、引き離そうとしたのか。
余が大叔父上の御息女と縁を結ぶと、大叔父上の家に家督問題を持ち込んでしまうのか。
大叔父上の嫡男が家督を継ぐのが順当だが、御父上様が、余に家督を継がそうとしていると思われると、内乱の危機を招くかもしれない。
大叔父上が、御爺様や御父上と敵対することになったら、武田家の根本を揺るがす内乱になるかもしれない。
それを未然に防ぐためにも、無理にでも余に正室を迎えさえたかったのか。
だがこの恋を、諦められない。
家を捨てればいいという話ではない。
いや、余も姫も、簡単に立場を捨てられるような、軽い家に生まれていない。
武田諸王家は、元に匹敵する国になるだろう。
大叔父上の家は、金や遼に肩を並べる国になるだろう。
それぞれに何の悪影響も与えず、姫を正室に迎えるには、現地の姫を正室に迎えなくていい土地を占領しなければならない。
そんな都合のいい国は、早々有るモノではない。
そこは矢張り、影衆に教えてもらわねばならない。
そして何より、諸王陛下と父上様の許可をもらわなければならん。
「爺。頼みがあるのだ」
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