転生武田義信
第203話願い
1574年12月:1574年12月:ジャカルタ攻略艦隊:武田義近と側近衆
「上陸するぞ」
「駄目です。若様」
「黙れ。これ以上依怙贔屓が過ぎると、家臣達の忠誠心を失ってしまうぞ」
「しかしこれは、諸王太子殿下と母上方様の命令でございますぞ」
「余が正嫡ならば、疫病を恐れる必要があるだろう。だが余は、側室の五男に過ぎないのだ」
「しかしながら」
「それに、御兄上達には、既に男子が誕生されている」
「それはそうでございますが」
「母上方も、妹達が子を産んでいるから、孫に囲まれておられる」
「その通りではございますが、男の子は特別なのです」
「ならばこそ、正嫡の兄上方に負ける訳にはいかんのだ」
「若」
「正嫡や長幼のけじめを蔑ろにする訳ではないぞ。兄上方が、西伯利亜や阿拉斯加で、前線に立って戦っておられるのに、余だけがいつまでも船に乗っているわけにはいかんのだ」
「それは違いますぞ」
「何が違うのだ」
「南蛮や南方の艦隊との戦いに備えているのです」
「南蛮や南方の艦隊など、今の武田艦隊の敵ではない」
「それは今までの事でございます。南蛮が、何時大艦隊を率いて現れるか分かりません」
「それは詭弁だ。余と側近が上陸していようとも、艦長が全力で戦ってくれるであろう」
「それは、その通りでございます」
「ならば、上陸させろ」
「しかしながら、それでは若様が抜け駆けしたことになります」
「義正殿達の事か」
「はい。兄弟の結束を乱すような事があれば、武田家の根幹を揺るがす事になりかねません」
「ならば、義正殿達にも話を通してくれ」
「一緒に上陸すると申されるのですか」
「そうだ」
「御三人が万が一疫病に罹られ、御命を失うようなことになれば、武田家の一大事でございますぞ」
「確かに多少は影響があるかもしれないが、優秀な一族一門がおられる。何よりも、さっき申したように、家臣達への影響を一番に考えなければならん。今ならば、余達が危険を犯しても大丈夫だ」
「仕方ありませんな」
「上陸してもいいのだな」
「いえ。先ずは義正様と義剛様に話をさせて頂きます」
「二人が同意してくれれば、上陸してもいいのだな」
「しかしながら、御一人でも反対されたならば、御三方全員上陸を禁じます。これは、諸王太子殿下から傅役を任された者として、断じて行わせていただきますぞ」
「分かっておる。だが、余も直々に話をさせてもらう」
「私が、話を通すと言っておいて、若の話を握り潰すと御疑いか」
「あらゆる可能性を考え、あらゆる策謀を疑えと、御父上と母上だけでなく、爺からも繰り返し聞かされた覚えがあるぞ」
「やれやれ、何時からそんなに憎たらしくおなりになられたのか」
「爺の教えが身についてからであろうよ」
「上陸するぞ」
「駄目です。若様」
「黙れ。これ以上依怙贔屓が過ぎると、家臣達の忠誠心を失ってしまうぞ」
「しかしこれは、諸王太子殿下と母上方様の命令でございますぞ」
「余が正嫡ならば、疫病を恐れる必要があるだろう。だが余は、側室の五男に過ぎないのだ」
「しかしながら」
「それに、御兄上達には、既に男子が誕生されている」
「それはそうでございますが」
「母上方も、妹達が子を産んでいるから、孫に囲まれておられる」
「その通りではございますが、男の子は特別なのです」
「ならばこそ、正嫡の兄上方に負ける訳にはいかんのだ」
「若」
「正嫡や長幼のけじめを蔑ろにする訳ではないぞ。兄上方が、西伯利亜や阿拉斯加で、前線に立って戦っておられるのに、余だけがいつまでも船に乗っているわけにはいかんのだ」
「それは違いますぞ」
「何が違うのだ」
「南蛮や南方の艦隊との戦いに備えているのです」
「南蛮や南方の艦隊など、今の武田艦隊の敵ではない」
「それは今までの事でございます。南蛮が、何時大艦隊を率いて現れるか分かりません」
「それは詭弁だ。余と側近が上陸していようとも、艦長が全力で戦ってくれるであろう」
「それは、その通りでございます」
「ならば、上陸させろ」
「しかしながら、それでは若様が抜け駆けしたことになります」
「義正殿達の事か」
「はい。兄弟の結束を乱すような事があれば、武田家の根幹を揺るがす事になりかねません」
「ならば、義正殿達にも話を通してくれ」
「一緒に上陸すると申されるのですか」
「そうだ」
「御三人が万が一疫病に罹られ、御命を失うようなことになれば、武田家の一大事でございますぞ」
「確かに多少は影響があるかもしれないが、優秀な一族一門がおられる。何よりも、さっき申したように、家臣達への影響を一番に考えなければならん。今ならば、余達が危険を犯しても大丈夫だ」
「仕方ありませんな」
「上陸してもいいのだな」
「いえ。先ずは義正様と義剛様に話をさせて頂きます」
「二人が同意してくれれば、上陸してもいいのだな」
「しかしながら、御一人でも反対されたならば、御三方全員上陸を禁じます。これは、諸王太子殿下から傅役を任された者として、断じて行わせていただきますぞ」
「分かっておる。だが、余も直々に話をさせてもらう」
「私が、話を通すと言っておいて、若の話を握り潰すと御疑いか」
「あらゆる可能性を考え、あらゆる策謀を疑えと、御父上と母上だけでなく、爺からも繰り返し聞かされた覚えがあるぞ」
「やれやれ、何時からそんなに憎たらしくおなりになられたのか」
「爺の教えが身についてからであろうよ」
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