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転生武田義信

克全

第202話棄兵

1574年12月:ジャカルタ攻略艦隊:武田義近と側近衆

ジャワ島は、マラッカ王国を滅亡させたポルトガルに対抗するため、ドゥマク王国を中心に各地の領主が結束していたが、二代続けて国王が戦死してしまったため、後継争いによって衰退してしまっていた。

そこをオランダにつかれ、ジャカルタを割譲するところだったが、武田諸王国の躍進により、大きく歴史が動いていた。

ポルトガル領マラッカ:サンチャゴ砦・キリスト教会(セントポールチャーチ)
ペラク王国:マラッカ王国の亡命第一王子がマレーシア・ペラ州に建国
ジョホール王国:マラッカ王国の亡命第二王子がマレー半島南端のジョホールに建国
バンテン王国:ジャワ島西部バンテン地方に栄えたイスラム国家
マタラム王国:ジャワ島中部のジョグジャカルタ地方に栄えた王国
アチェ王国 :スマトラ島のアチェ特別州にあったイスラム王国

「先にポルトガルのマラッカを叩くのか」
「はい、若様」
「だが何故だ、急に戦略が変わるなど、御父上のなさる事は思えんぞ」
「陛下の御命令だそうです」
「御爺様が、父上の戦略に介入されるなど、ただ事ではないな」
「はい」
「小山田と勝沼、信春殿の手勢が集められたのも、御爺様の命令なのだな」
「はい」
「影衆が動いたのか」
「恐らくは、謀叛の噂と関係していると思われます」
「何だと。謀叛の動きがあったのか」
「若様方が、上陸を禁じられていたのは、疫病だけが原因ではございません」
「懲罰か」
「恐らくは」
「御爺様は、あの者達に手柄を立てさせて、謀叛の罪と相殺させる御心算か」
「陛下はそれほど甘い方ではありません」
「どう言う事だ」
「恐らくは、御三方の子飼いの兵を皆殺しになさる御心算です」
「そんな馬鹿な」
「若様。陛下は王太子殿下とは違うのですよ」
「信じられぬ。あの御優しい御爺様が、家臣をそのように扱うとは」
「陛下は、忠誠心を示す優秀な者には、惜しみなく恩賞を御与えになられますが、裏切り者には容赦なされません。若様も、正嫡と長幼のけじめだけは、決して御忘れになりませんように」
「分かっている。その事だけは、御父上にも御母上にも、幼き頃から厳しく言い聞かされて来た。爺も厳しく躾けてくれたではないか」
「いい機会なので、今一度口にさせて頂きました。若様の為なら、この命惜しむものではありませんが、謀叛人の汚名を着て、棄兵として戦わされるのは嫌でございます」
「そうだな。爺や近習衆の事を想えば、謀叛など企めるはずがないな」
「左様でございます。あの三人は、強欲で思いやりがないのでございます。そのような者は、人の上に立つ器ではございません」
「分かった、分かった。配下を思いやる大将に成ってみせるよ」

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