転生武田義信
第198話離反
1574年11月:マニラ城内:武田信春・小山田信茂・勝沼信定:第三者視点
「三流は三流らしく振る舞うだけですよ」
「信茂殿は、どうするべきだというのだ」
「誓紙血判を出すのですよ、信定殿」
「待て、待て、待て。俺を差し置いて話を進めるな」
「疑われた事はを不徳の致すところと詫びて、命懸けで忠誠を尽くすと、熊野権現の誓紙血判状を差し出すのです」
「ふふぅん。義近達を騙すのだな」
小山田信茂は、武田信春に言い返そうとする勝沼信定に、目配せをして黙らせた。
「その通りです。騙して隙を待つのです」
「どれくらい待てばいいのだ」
「ルソンの開墾が終ってからです」
「何だと。それでは五年十年と待たねばならないではないか」
「ですが今蜂起しても、結局兵糧が尽きて、無残な最期となりますよ」
「原住民から奪えばいいではないか」
「原住民を敵に回して、追討してくる諸王太子殿下の軍勢に勝てるのですか」
「それは・・・・・」
「原住民を味方につけなければ、追討軍に勝てないですよ」
「いえ、原住民だけではなく、追討軍の中から裏切る者がいなければ、とても諸王太子殿下には勝てませんよ」
「そんな事はない。御前達が俺に味方してくれたように、名門武田家の復活を願っている者が他にもいるはずだ」
「諸王太子殿下に少しでも不満を持っている者は、今マニラにいる者達くらいですよ。最初は不満を持っていた台湾侵攻軍の者達も、今では諸王太子殿下に感謝して忠誠を誓っていますよ」
「そんなはずはない。あれほど多くの者が死んだ、台湾開墾を恨んでいるはずだ」
「確かに多くの犠牲は出ましたが、その分見返りも多かったのですよ。開拓が終った広大な領地が、全て開拓に当たった者達に分け与えられました」
「そんな事当然ではないか」
「当然ではありませんよ。食糧や銭を与えての開墾の成果は、普通は領主のモノなのですよ」
「そんな事はない」
「では信春殿は、人夫に銭を与え飯を喰わせて開墾させた土地を、人夫に与えたりしますか」
「馬鹿な事を言うな。儂が銭を払って開墾させた土地は儂のモノだ」
「だったら台湾も、諸王太子殿下が家臣を軍役で働かせて開墾した土地だから、諸王太子殿下のモノですよ」
「いや、台湾は家臣が命懸けで開墾したのだ、だから単に銭や飯で集めた人夫とは違う」
「家臣だからこそ、日頃を御恩に報いるために、命懸けで奉公して忠誠を示さねばならないのですよ」
「そんな事はない。皆今の武田家に不満があるのだ」
勝沼信定が、これ以上話しても無駄だと言う視線を、小山田信茂に向けた。
「三流は三流らしく振る舞うだけですよ」
「信茂殿は、どうするべきだというのだ」
「誓紙血判を出すのですよ、信定殿」
「待て、待て、待て。俺を差し置いて話を進めるな」
「疑われた事はを不徳の致すところと詫びて、命懸けで忠誠を尽くすと、熊野権現の誓紙血判状を差し出すのです」
「ふふぅん。義近達を騙すのだな」
小山田信茂は、武田信春に言い返そうとする勝沼信定に、目配せをして黙らせた。
「その通りです。騙して隙を待つのです」
「どれくらい待てばいいのだ」
「ルソンの開墾が終ってからです」
「何だと。それでは五年十年と待たねばならないではないか」
「ですが今蜂起しても、結局兵糧が尽きて、無残な最期となりますよ」
「原住民から奪えばいいではないか」
「原住民を敵に回して、追討してくる諸王太子殿下の軍勢に勝てるのですか」
「それは・・・・・」
「原住民を味方につけなければ、追討軍に勝てないですよ」
「いえ、原住民だけではなく、追討軍の中から裏切る者がいなければ、とても諸王太子殿下には勝てませんよ」
「そんな事はない。御前達が俺に味方してくれたように、名門武田家の復活を願っている者が他にもいるはずだ」
「諸王太子殿下に少しでも不満を持っている者は、今マニラにいる者達くらいですよ。最初は不満を持っていた台湾侵攻軍の者達も、今では諸王太子殿下に感謝して忠誠を誓っていますよ」
「そんなはずはない。あれほど多くの者が死んだ、台湾開墾を恨んでいるはずだ」
「確かに多くの犠牲は出ましたが、その分見返りも多かったのですよ。開拓が終った広大な領地が、全て開拓に当たった者達に分け与えられました」
「そんな事当然ではないか」
「当然ではありませんよ。食糧や銭を与えての開墾の成果は、普通は領主のモノなのですよ」
「そんな事はない」
「では信春殿は、人夫に銭を与え飯を喰わせて開墾させた土地を、人夫に与えたりしますか」
「馬鹿な事を言うな。儂が銭を払って開墾させた土地は儂のモノだ」
「だったら台湾も、諸王太子殿下が家臣を軍役で働かせて開墾した土地だから、諸王太子殿下のモノですよ」
「いや、台湾は家臣が命懸けで開墾したのだ、だから単に銭や飯で集めた人夫とは違う」
「家臣だからこそ、日頃を御恩に報いるために、命懸けで奉公して忠誠を示さねばならないのですよ」
「そんな事はない。皆今の武田家に不満があるのだ」
勝沼信定が、これ以上話しても無駄だと言う視線を、小山田信茂に向けた。
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