転生武田義信
第189話開戦準備
1569年3月:薩摩一宇治城・本丸義信私室:鷹司義信・織田上総介信長・真田弾正忠幸隆・黒影・闇影・影衆:鷹司義信視点
「撤退は順調なのだな」
「はい。モンゴルとの休戦も整い、満州や沿海からの撤兵も順調でございます」
「女真族やモンゴルの降伏兵は、西伯利亜(シベリア)に転戦させて、叛逆の芽を摘んでくれ」
「心得えております」
「台湾進攻の準備は整っているか」
「御任せ下さい。西国を中心に、三年をかけて万全の体制を整えております」
「満州遠征に従事した将兵が援軍に向かわなくても済むように、戦況が悪化した時の増援も準備してくれているのだな」
「整えております。満州遠征に従軍した者達は、故郷の部隊に戻して休息させております。満州に残っているのは、現地に領地を得た者達だけでございます」
そうだな。
今回の満州アムール遠征に参加した多くの将兵が、満州やアムールに領地を得ている。
樺太衆やアイヌ衆も、適性に応じて近衛軍の各部隊に配属され、領地を得たり扶持を得たりしている。
総大将の交代も、信狼を樺太方面軍の総大将にしたことで、多少の入れ替えを行った。
後はじっくり休んで後継者を育てていた西国の将兵を動員して、一気に台湾を取るだけだ。
「分かった。では海軍を総動員して上陸作戦を決行する」
「「「「「は」」」」」
さて、影衆にも上総介にも弾正忠にも確認した。
見落としなどないはずだ。
日ノ本に残した戦闘工兵や黒鍬衆だけでなく、国衆や地侍も動員して開墾にいそしんだから、食料の生産力は200万石以上増産できた。
満州やアムールで戦いながら、台湾遠征を行うのに十分な兵糧を蓄えることが出来た。
そして満州アムールを完全に占領したことで、南北の中継貿易の利益も大幅に増えた。
その利益を使って綿布や麻布を輸入して、海軍艦艇の帆を大量に手に入れた。
御蔭でガレオン船だけではなく、関船や小早船も洋式帆船に改造した合い子船になっている。
俺の知る江戸時代の北前船の一年一往復から、一年三往復に増えた南北中継貿易を維持しながら、台湾遠征と西伯利亜攻勢防御を同時に行えるはずだ。
国衆や地侍から各近衛部隊に志願選抜された将兵が5万はいる。
台湾遠征軍総大将に任じた信基の能力は心配だが、副将には歴戦の叔父達(武田信実・武田信友・武田勝虎)を配し、軍師に滝川一益・工藤祐長・春日虎綱を付けているから大丈夫だろう。
支援体制も、俺が一宇治城に陣取り、薩摩の姉小路信綱、博多の跡部昌秀、土佐の佐竹義頼、屋久島城の北条信顕、琉球の飯富昌景が何時でも援軍に駆け付けられるようにしてある。
だから大丈夫だ。
諸部族に分かれている台湾に負けるはずがない。
オランダや鄭成功のような、僅かな兵しか持たなかった勢力でも制圧できたのだから、1万騎5万兵を投入する武田軍が負けるはずがない。
だが、それでも、義近・義正・義剛を大将に任じたことは胸が痛む。
海軍に配属して船に乗せ、提督になるための勉強をさせていたが、今後の為に陸軍を指揮する大将の勉強もさせねばならぬ。
今回の侵攻作戦では、緒戦に海軍艦艇を使った上陸作戦があるから、総大将と副将の間に大将の役を設け、台湾に送り込んだ。
3人の副将と3人の軍師が、義近・義正・義剛を鍛え育ててくれるだろう。
しかし今の台湾は、伝染病が蔓延する瘴癘(しょうれい)の島なのだ。
マラリア、コレラ、ペスト、赤痢、天然痘、発疹チフス、腸チフス、ジフテリア、猩紅熱などの疫病の宝庫なのだ。
茜ちゃん達は俺の事を恨むだろう。
九条の子供達も戦場に送ったと言え、疫病の発生しない北方に派遣した。
しかも十分な護衛を付けてだ。
だが茜ちゃん達側室の子供は、板子一枚下は地獄と言われる海軍に配属され、護衛の兵も少なく、合戦よりも疫病で死ぬ可能性が極端に高い南方に派遣したのだ。
日本を統治する責任者として、仕方のない判断ではある。
九条の子供に何かあれば、内乱が起きる可能性があるから、正しい判断だとは思っている。
だが、父親としたら失格だ。
子供達の間に優先順位をつけ、死ぬ可能性の高低で派遣先を変えたのだから。
それでも言い訳させてもらえるなら、精一杯の準備はしたのだ。
日本住血吸虫やツツガムシ病などとの戦いから始まり、日本土着のマラリアとも戦ってきた。
本土でも琵琶を中心に、瘧(おこり)と呼ばれた日本土着のマラリアが度々大流行していたのだ。
だから南蛮から除虫菊を取り寄せ、食糧生産を犠牲にしても大量栽培し、蚊取り線香を開発させたのだ。
日本で手に入る防虫除虫の素材は出来る限り集めた。
日本で栽培できる防虫除虫の素材は出来る限り大量栽培させた。
昔から疫病に苦しんできた者達は、飢える事さえなければ喜んで協力してくれた。
教育も徹底してきた。
公衆衛生を叩き込んだ。
だから台湾に侵攻しても、十分な準備をした上でなければ、奥地には入り込まないだろう。
排泄物が家の周りに放置され、鼠が繁殖したり、蚊が大量発生している台湾の街や村には入り込まないはずだ。
台所と便所をきちっと分けて陣地を築いてくれるはずだ。
今一度命令を徹底させよう。
「撤退は順調なのだな」
「はい。モンゴルとの休戦も整い、満州や沿海からの撤兵も順調でございます」
「女真族やモンゴルの降伏兵は、西伯利亜(シベリア)に転戦させて、叛逆の芽を摘んでくれ」
「心得えております」
「台湾進攻の準備は整っているか」
「御任せ下さい。西国を中心に、三年をかけて万全の体制を整えております」
「満州遠征に従事した将兵が援軍に向かわなくても済むように、戦況が悪化した時の増援も準備してくれているのだな」
「整えております。満州遠征に従軍した者達は、故郷の部隊に戻して休息させております。満州に残っているのは、現地に領地を得た者達だけでございます」
そうだな。
今回の満州アムール遠征に参加した多くの将兵が、満州やアムールに領地を得ている。
樺太衆やアイヌ衆も、適性に応じて近衛軍の各部隊に配属され、領地を得たり扶持を得たりしている。
総大将の交代も、信狼を樺太方面軍の総大将にしたことで、多少の入れ替えを行った。
後はじっくり休んで後継者を育てていた西国の将兵を動員して、一気に台湾を取るだけだ。
「分かった。では海軍を総動員して上陸作戦を決行する」
「「「「「は」」」」」
さて、影衆にも上総介にも弾正忠にも確認した。
見落としなどないはずだ。
日ノ本に残した戦闘工兵や黒鍬衆だけでなく、国衆や地侍も動員して開墾にいそしんだから、食料の生産力は200万石以上増産できた。
満州やアムールで戦いながら、台湾遠征を行うのに十分な兵糧を蓄えることが出来た。
そして満州アムールを完全に占領したことで、南北の中継貿易の利益も大幅に増えた。
その利益を使って綿布や麻布を輸入して、海軍艦艇の帆を大量に手に入れた。
御蔭でガレオン船だけではなく、関船や小早船も洋式帆船に改造した合い子船になっている。
俺の知る江戸時代の北前船の一年一往復から、一年三往復に増えた南北中継貿易を維持しながら、台湾遠征と西伯利亜攻勢防御を同時に行えるはずだ。
国衆や地侍から各近衛部隊に志願選抜された将兵が5万はいる。
台湾遠征軍総大将に任じた信基の能力は心配だが、副将には歴戦の叔父達(武田信実・武田信友・武田勝虎)を配し、軍師に滝川一益・工藤祐長・春日虎綱を付けているから大丈夫だろう。
支援体制も、俺が一宇治城に陣取り、薩摩の姉小路信綱、博多の跡部昌秀、土佐の佐竹義頼、屋久島城の北条信顕、琉球の飯富昌景が何時でも援軍に駆け付けられるようにしてある。
だから大丈夫だ。
諸部族に分かれている台湾に負けるはずがない。
オランダや鄭成功のような、僅かな兵しか持たなかった勢力でも制圧できたのだから、1万騎5万兵を投入する武田軍が負けるはずがない。
だが、それでも、義近・義正・義剛を大将に任じたことは胸が痛む。
海軍に配属して船に乗せ、提督になるための勉強をさせていたが、今後の為に陸軍を指揮する大将の勉強もさせねばならぬ。
今回の侵攻作戦では、緒戦に海軍艦艇を使った上陸作戦があるから、総大将と副将の間に大将の役を設け、台湾に送り込んだ。
3人の副将と3人の軍師が、義近・義正・義剛を鍛え育ててくれるだろう。
しかし今の台湾は、伝染病が蔓延する瘴癘(しょうれい)の島なのだ。
マラリア、コレラ、ペスト、赤痢、天然痘、発疹チフス、腸チフス、ジフテリア、猩紅熱などの疫病の宝庫なのだ。
茜ちゃん達は俺の事を恨むだろう。
九条の子供達も戦場に送ったと言え、疫病の発生しない北方に派遣した。
しかも十分な護衛を付けてだ。
だが茜ちゃん達側室の子供は、板子一枚下は地獄と言われる海軍に配属され、護衛の兵も少なく、合戦よりも疫病で死ぬ可能性が極端に高い南方に派遣したのだ。
日本を統治する責任者として、仕方のない判断ではある。
九条の子供に何かあれば、内乱が起きる可能性があるから、正しい判断だとは思っている。
だが、父親としたら失格だ。
子供達の間に優先順位をつけ、死ぬ可能性の高低で派遣先を変えたのだから。
それでも言い訳させてもらえるなら、精一杯の準備はしたのだ。
日本住血吸虫やツツガムシ病などとの戦いから始まり、日本土着のマラリアとも戦ってきた。
本土でも琵琶を中心に、瘧(おこり)と呼ばれた日本土着のマラリアが度々大流行していたのだ。
だから南蛮から除虫菊を取り寄せ、食糧生産を犠牲にしても大量栽培し、蚊取り線香を開発させたのだ。
日本で手に入る防虫除虫の素材は出来る限り集めた。
日本で栽培できる防虫除虫の素材は出来る限り大量栽培させた。
昔から疫病に苦しんできた者達は、飢える事さえなければ喜んで協力してくれた。
教育も徹底してきた。
公衆衛生を叩き込んだ。
だから台湾に侵攻しても、十分な準備をした上でなければ、奥地には入り込まないだろう。
排泄物が家の周りに放置され、鼠が繁殖したり、蚊が大量発生している台湾の街や村には入り込まないはずだ。
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今一度命令を徹底させよう。
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