転生武田義信
第140話摂津決戦
1559年3月・京二条城の二ノ丸政務御殿・鷹司義信・真田幸隆・黒影:鷹司義信視点
「閣下、遂に石山本願寺を落としたとの事です」
幸隆が、足利連合の摂津に残った最後の拠点、石山本願寺を落とした事を報告してきた。
「そうか、それで死傷者はどうだ?」
「正確な報告はまだですが、100人に満たないと思われます」
「大砲の遠距離攻撃が効果的だったか?」
「はい、それに投入出来る限りの大弩と士筒も投入した事がよかったと思われます」
「それで顕如は捕えられたのか?」
「確とは申せませんが、あれほど必死に村上水軍が抵抗したのです。恐らくは、無事に安芸に落延びていると思われます」
「では細川晴元と顕如は安芸に落延び、足利義冬は阿波にいると言う事だな?」
「はい、阿波から尼子と大友、島津と龍造寺を結び付けて、閣下に対抗しようとすると思われます」
「だがそれは無理だな、大友が尼子や島津、まして龍造寺と結ぶ事はない」
「尼子が大内を追い、中国地方を手に入れたからですか?」
「ああ、それに尼子が筑前や豊前を放棄するはずがない、必ず確保に動く」
「左様でございますね、将軍や晴元、それに顕如が動いても難しいですね」
「問題は土佐一条と大友が、どれくらい踏ん張れるかだ」
「難しいと思われますか?」
「今回は三好長慶が上手く撤退をしたのだ」
「摂津を守る気が無かったと言うことですか?」
「石山本願寺は本来難攻不落の城砦だ、矢玉を惜しみなく投入したとは言え、それがこれほどわずかな期間に落ちると言う事は、阿波や安芸に逃がすことが出来なかった者だけが、捨て石として籠城させられたのだろう」
「では我々は、空城を攻めたと言う事ですか?」
「空城では無い、守り切れるなら守りたかっただろう。だが如何に村上水軍と三好水軍が全力を尽くしたとはいえ、摂津の全ての戦力を移動させる事は出来ない。撤退状況から判断すれば、三好軍は四国から渡って来た全軍と、畿内戦力で四国に渡ることを了承した全軍を、無事に渡海させただろう」
「三好軍の中で、閣下に降伏臣従したい者だけが、摂津に残ったと言う事ですか?」
「そうだ、三好長慶は流石に強かだ。摂津を守り切れないと判断して、殿を本願寺に押し付けたのだ。その上で、戦力を温存した状態で、土佐を攻め取る心算だろう」
「本願寺は損くじを引かされたのですか?!」
「恐らくはな、まあ顕如自体が、信徒を使い捨ての道具と考えているフシがある。戦闘力の低い者を捨て石にして、自分達が逃げる時間を稼ぐ事を、最初から考えていた可能性がある」
「酷いものですね」
「ああ、だがあくまでこれは憶測だ、石山本願寺に残された者の遺体を確認して見なければ、断言はできない」
「直ぐに確認させます」
すかさず黒影が調査する事を約束した。
「頼む、それと四国の状況は分かっているか?」
「はい、一条家の領内に送り込んだ者や、阿波や讃岐の山に潜んでいる者からは連絡があります」
「それで?」
「三好軍は、盛んに伊予と土佐の国衆と地侍に、調略を仕掛けているようです。足利義冬将軍からの御教書が頻繁に届くだけでなく、新たに土佐と伊予守護に任じられた、三好長慶からの使者も頻繁に行き来しているようです」
「そうか、そうなると三好軍の土佐侵攻は近いな」
「はい、四国にもっと人を送られますか?」
「いや逆だ、危険と判断した。早めに逃げるように伝えてくれ」
「土佐一条家を見捨てられるのですか?」
横から幸隆は確認してきた、戦略上の重大な判断だから、確認せずにはいれないのだろう。
「淡路だけは、犠牲無く取れるようなら取る、だが四国にまで戦力を送るのは早い」
「播磨の方に重点を置かれるのですか?」
「ああ、尼子が旧大内の国衆と地侍を、完全に支配下に置く前に攻め込みたい。少なくとも彼らが無事に逃げ出したり、籠城する気になるくらいの位置にまでは進んでおきたい」
「承りました」
まあ幸隆も黒影も、俺が口に出さなくても理解しているのだろうが、事がここまで進んだ以上、摂関一条家に戦力を残すことはない。
大内義通が周防と長門から追い出された以上、摂関一条家に残された戦力は、土佐一条家だけだ。
俺の手を汚さずに、土佐一条家の戦力を潰してしまう事が出来れば、伊勢の北畠以外に碌な戦力を残すことはないだろう。
汚いやり方かもしれないが、関東東国に残った大名と国衆の家は、子弟に分家させて分割させる予定だし、有力陪臣は皆独立させ直臣に取り立てる。
勿論実子のいない家は、俺の子や一門有力家臣の子を養嗣子に押し付ける。
何が何でも、後の世でも起こるであろう戦いを、出来るだけ遅らせる努力をする。
「補給は順調に進んでいるか?」
「河川の堤防を兼ねた軍用道路の整備が進んだことと、畿内以東が全て閣下の支配下に置かれた事で、艦船での輸送が大きく捗りました。そのため石山本願寺があった場所まで、直接船で必要な物資を運び込むことが出来るようになります」
「石山本願寺を本格的な海軍拠点に増改築するが、それまでは堺と岸和田城に物資を運び込め」
「承りました、何時頃を目途に播磨侵攻を開始されますか?」
「閣下、遂に石山本願寺を落としたとの事です」
幸隆が、足利連合の摂津に残った最後の拠点、石山本願寺を落とした事を報告してきた。
「そうか、それで死傷者はどうだ?」
「正確な報告はまだですが、100人に満たないと思われます」
「大砲の遠距離攻撃が効果的だったか?」
「はい、それに投入出来る限りの大弩と士筒も投入した事がよかったと思われます」
「それで顕如は捕えられたのか?」
「確とは申せませんが、あれほど必死に村上水軍が抵抗したのです。恐らくは、無事に安芸に落延びていると思われます」
「では細川晴元と顕如は安芸に落延び、足利義冬は阿波にいると言う事だな?」
「はい、阿波から尼子と大友、島津と龍造寺を結び付けて、閣下に対抗しようとすると思われます」
「だがそれは無理だな、大友が尼子や島津、まして龍造寺と結ぶ事はない」
「尼子が大内を追い、中国地方を手に入れたからですか?」
「ああ、それに尼子が筑前や豊前を放棄するはずがない、必ず確保に動く」
「左様でございますね、将軍や晴元、それに顕如が動いても難しいですね」
「問題は土佐一条と大友が、どれくらい踏ん張れるかだ」
「難しいと思われますか?」
「今回は三好長慶が上手く撤退をしたのだ」
「摂津を守る気が無かったと言うことですか?」
「石山本願寺は本来難攻不落の城砦だ、矢玉を惜しみなく投入したとは言え、それがこれほどわずかな期間に落ちると言う事は、阿波や安芸に逃がすことが出来なかった者だけが、捨て石として籠城させられたのだろう」
「では我々は、空城を攻めたと言う事ですか?」
「空城では無い、守り切れるなら守りたかっただろう。だが如何に村上水軍と三好水軍が全力を尽くしたとはいえ、摂津の全ての戦力を移動させる事は出来ない。撤退状況から判断すれば、三好軍は四国から渡って来た全軍と、畿内戦力で四国に渡ることを了承した全軍を、無事に渡海させただろう」
「三好軍の中で、閣下に降伏臣従したい者だけが、摂津に残ったと言う事ですか?」
「そうだ、三好長慶は流石に強かだ。摂津を守り切れないと判断して、殿を本願寺に押し付けたのだ。その上で、戦力を温存した状態で、土佐を攻め取る心算だろう」
「本願寺は損くじを引かされたのですか?!」
「恐らくはな、まあ顕如自体が、信徒を使い捨ての道具と考えているフシがある。戦闘力の低い者を捨て石にして、自分達が逃げる時間を稼ぐ事を、最初から考えていた可能性がある」
「酷いものですね」
「ああ、だがあくまでこれは憶測だ、石山本願寺に残された者の遺体を確認して見なければ、断言はできない」
「直ぐに確認させます」
すかさず黒影が調査する事を約束した。
「頼む、それと四国の状況は分かっているか?」
「はい、一条家の領内に送り込んだ者や、阿波や讃岐の山に潜んでいる者からは連絡があります」
「それで?」
「三好軍は、盛んに伊予と土佐の国衆と地侍に、調略を仕掛けているようです。足利義冬将軍からの御教書が頻繁に届くだけでなく、新たに土佐と伊予守護に任じられた、三好長慶からの使者も頻繁に行き来しているようです」
「そうか、そうなると三好軍の土佐侵攻は近いな」
「はい、四国にもっと人を送られますか?」
「いや逆だ、危険と判断した。早めに逃げるように伝えてくれ」
「土佐一条家を見捨てられるのですか?」
横から幸隆は確認してきた、戦略上の重大な判断だから、確認せずにはいれないのだろう。
「淡路だけは、犠牲無く取れるようなら取る、だが四国にまで戦力を送るのは早い」
「播磨の方に重点を置かれるのですか?」
「ああ、尼子が旧大内の国衆と地侍を、完全に支配下に置く前に攻め込みたい。少なくとも彼らが無事に逃げ出したり、籠城する気になるくらいの位置にまでは進んでおきたい」
「承りました」
まあ幸隆も黒影も、俺が口に出さなくても理解しているのだろうが、事がここまで進んだ以上、摂関一条家に戦力を残すことはない。
大内義通が周防と長門から追い出された以上、摂関一条家に残された戦力は、土佐一条家だけだ。
俺の手を汚さずに、土佐一条家の戦力を潰してしまう事が出来れば、伊勢の北畠以外に碌な戦力を残すことはないだろう。
汚いやり方かもしれないが、関東東国に残った大名と国衆の家は、子弟に分家させて分割させる予定だし、有力陪臣は皆独立させ直臣に取り立てる。
勿論実子のいない家は、俺の子や一門有力家臣の子を養嗣子に押し付ける。
何が何でも、後の世でも起こるであろう戦いを、出来るだけ遅らせる努力をする。
「補給は順調に進んでいるか?」
「河川の堤防を兼ねた軍用道路の整備が進んだことと、畿内以東が全て閣下の支配下に置かれた事で、艦船での輸送が大きく捗りました。そのため石山本願寺があった場所まで、直接船で必要な物資を運び込むことが出来るようになります」
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