転生武田義信
第138話河内国制圧
1559年2月京二条城・二の丸政務御殿・鷹司関白太政大臣義信・畠山右衛門督在氏・畠山次郎尚誠:鷹司義信視点
「右衛門督殿・次郎殿、厳しい条件をよく飲んでくれたな」
「御上と関白殿下の天下静謐を願う心を、皆から聞かせてもらいました。ここは関白殿下に従い、御上の御心を安らかにするのが、私や次郎が成すべき事と思い至りました」
「そうか、そう決断してくれた事、心から嬉しく思う。今までの足利家のように、守護に大きな領地や武力を与える事は、天下に大乱を引き起こす元になる。よって右衛門督殿、次郎殿には僅かな城地しか与える事は出来ん。だがそれを補う名誉として、羽林家の家格を与える」
「有り難き幸せでございます」
「右衛門督殿とは、共に轡を並べて戦った仲だ、決して悪いようにはせぬから安心してくれ」
「はい、有り難き御言葉、感謝に耐えません」
今回河内に侵攻するにあたり、事前に調略を仕掛けたのはいつもの通りだった。
和泉と同じように、根来寺の関係から調略を仕掛ける者もいたし、楠木や橘のように、氏素性を遡って先祖繋がりで調略を仕掛けた者もいた。
更には大和と和泉の、国境地縁としての繋がりを使った者もいた。
だが今回1番成功を収めたのは、畠山家の家臣同士の繋がりと、氏素性の繋がりだった。
越中を攻め取る時に、能登7人衆を畠山右衛門督在氏の配下として畿内に上京させた。
そして能登7人衆は、細川晴元の無謀な美濃侵攻時に俺の下に降伏臣従し、それ以来忠実な家臣として働いてくれている。
「旧能登七人衆」
伊丹宗右衛門総堅
平総知
長対馬守続連
温井備中守総貞
三宅総広
遊佐信濃入道宗円
遊佐美作守続光
彼らは分裂したとは言え、紀伊・河内・和泉・能登・越中を領していたこともある畠山家の家臣だ。
当然先祖を遡れば同じ一族も多い。
だから負けると分かって寝返りたい者に、寝返る大義名分を与える事ができる。
特に苗字を同じくする遊佐河内守長教や遊佐帯刀太藤は、進んで調略に応じて来た。
もちろん同じ遊佐一族でも、遊佐越中守高清のように畠山高政に忠誠を誓う者もいた。
だが和泉で15万を超える大軍が堺を包囲し、大和と河内を分ける信貴・生駒・葛城・金剛山地にも、5万を超える大軍が虎視眈々と侵攻を狙っている状態で、忠誠を貫く者はほとんどいなかった。
河内での野戦も籠城も無理と判断した尾州畠山家の畠山高政と、忠誠を誓う僅かな国衆と地侍は、城地を捨てて摂津の三好軍の下に逃げて行った。
一方総州畠山家の畠山右衛門督在氏と嫡男の畠山次郎尚誠は、能登7人衆と河内の国衆と地侍の説得を受けて、俺の下に降伏臣従を誓いにやって来た。
畠山右衛門督在氏:畠山義堯の子または弟で尚誠の父・畠山総州家6代当主
木沢長政が擁立・河内半国守護
畠山次郎尚誠:畠山在氏の嫡男
今回の畠山右衛門督在氏と河内の国衆と地侍の降伏臣従で、最も注意しなければいけないのは、京の隣国で今後戦乱を起こさせない事と、寺社の力を徹底的に奪う事だった。
摂津も含めて河内・和泉・大和・丹波・近江は、昔から土地に根差した国衆と地侍を他国に移動させて、騒乱の元を断つのだ。
土地から引き離す代償として、畠山家の家臣で陪臣と言う地位から、鷹司家の直臣で朝廷からも直に官職を与える事にした。
だが与える知行地は1/3程度にして、2/3は扶持として与える事にした。
畠山右衛門督在氏に関しては色々と迷ったのだが、将来も反乱の根を断つには、畠山縁の土地に領地を与える訳にはいかない。
だから丹後に1000石の領地と城を与える事にした。
もちろん城と言っても、1000石の領地で維持管理出来る物だから、砦と言った方がいい程度のものだ。
だが羽林家の公家の領地としたら、1000石は破格の多さで、摂関家に匹敵する領地である。
河内の国衆と地侍を軍に加え、2/3の城地を接収して田畑の検地を行った。
そして2/3の城地は、古くから育て上げた甲斐・信濃・飛騨の国衆と地侍の次男三男に与えたり、河内の生産力拡大と手工業育成の為に、生産衆から抜擢した職人に与えた。
次の摂津侵攻に向けて、背後で謀叛が起こらないように十分な準備を整え、それでも謀叛が起こった時には、大和や紀伊から挟撃のための援軍を送れるように、各地の守備軍の配備を変更した。
「右衛門督殿・次郎殿、厳しい条件をよく飲んでくれたな」
「御上と関白殿下の天下静謐を願う心を、皆から聞かせてもらいました。ここは関白殿下に従い、御上の御心を安らかにするのが、私や次郎が成すべき事と思い至りました」
「そうか、そう決断してくれた事、心から嬉しく思う。今までの足利家のように、守護に大きな領地や武力を与える事は、天下に大乱を引き起こす元になる。よって右衛門督殿、次郎殿には僅かな城地しか与える事は出来ん。だがそれを補う名誉として、羽林家の家格を与える」
「有り難き幸せでございます」
「右衛門督殿とは、共に轡を並べて戦った仲だ、決して悪いようにはせぬから安心してくれ」
「はい、有り難き御言葉、感謝に耐えません」
今回河内に侵攻するにあたり、事前に調略を仕掛けたのはいつもの通りだった。
和泉と同じように、根来寺の関係から調略を仕掛ける者もいたし、楠木や橘のように、氏素性を遡って先祖繋がりで調略を仕掛けた者もいた。
更には大和と和泉の、国境地縁としての繋がりを使った者もいた。
だが今回1番成功を収めたのは、畠山家の家臣同士の繋がりと、氏素性の繋がりだった。
越中を攻め取る時に、能登7人衆を畠山右衛門督在氏の配下として畿内に上京させた。
そして能登7人衆は、細川晴元の無謀な美濃侵攻時に俺の下に降伏臣従し、それ以来忠実な家臣として働いてくれている。
「旧能登七人衆」
伊丹宗右衛門総堅
平総知
長対馬守続連
温井備中守総貞
三宅総広
遊佐信濃入道宗円
遊佐美作守続光
彼らは分裂したとは言え、紀伊・河内・和泉・能登・越中を領していたこともある畠山家の家臣だ。
当然先祖を遡れば同じ一族も多い。
だから負けると分かって寝返りたい者に、寝返る大義名分を与える事ができる。
特に苗字を同じくする遊佐河内守長教や遊佐帯刀太藤は、進んで調略に応じて来た。
もちろん同じ遊佐一族でも、遊佐越中守高清のように畠山高政に忠誠を誓う者もいた。
だが和泉で15万を超える大軍が堺を包囲し、大和と河内を分ける信貴・生駒・葛城・金剛山地にも、5万を超える大軍が虎視眈々と侵攻を狙っている状態で、忠誠を貫く者はほとんどいなかった。
河内での野戦も籠城も無理と判断した尾州畠山家の畠山高政と、忠誠を誓う僅かな国衆と地侍は、城地を捨てて摂津の三好軍の下に逃げて行った。
一方総州畠山家の畠山右衛門督在氏と嫡男の畠山次郎尚誠は、能登7人衆と河内の国衆と地侍の説得を受けて、俺の下に降伏臣従を誓いにやって来た。
畠山右衛門督在氏:畠山義堯の子または弟で尚誠の父・畠山総州家6代当主
木沢長政が擁立・河内半国守護
畠山次郎尚誠:畠山在氏の嫡男
今回の畠山右衛門督在氏と河内の国衆と地侍の降伏臣従で、最も注意しなければいけないのは、京の隣国で今後戦乱を起こさせない事と、寺社の力を徹底的に奪う事だった。
摂津も含めて河内・和泉・大和・丹波・近江は、昔から土地に根差した国衆と地侍を他国に移動させて、騒乱の元を断つのだ。
土地から引き離す代償として、畠山家の家臣で陪臣と言う地位から、鷹司家の直臣で朝廷からも直に官職を与える事にした。
だが与える知行地は1/3程度にして、2/3は扶持として与える事にした。
畠山右衛門督在氏に関しては色々と迷ったのだが、将来も反乱の根を断つには、畠山縁の土地に領地を与える訳にはいかない。
だから丹後に1000石の領地と城を与える事にした。
もちろん城と言っても、1000石の領地で維持管理出来る物だから、砦と言った方がいい程度のものだ。
だが羽林家の公家の領地としたら、1000石は破格の多さで、摂関家に匹敵する領地である。
河内の国衆と地侍を軍に加え、2/3の城地を接収して田畑の検地を行った。
そして2/3の城地は、古くから育て上げた甲斐・信濃・飛騨の国衆と地侍の次男三男に与えたり、河内の生産力拡大と手工業育成の為に、生産衆から抜擢した職人に与えた。
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