転生武田義信
第135話奥の序列・後継者問題
1559年正月・近江今浜城の本丸奥殿・鷹司義信・茜ちゃん達:鷹司義信視点
「若様、私の子も抱いて下さい!」
「待て待て、産まれた順番に抱きあげるから、もう少し待ってくれ」
「ぶ~ぶ~ぶ~」
俺は茜ちゃん達を含む、嬢子軍の半数を今浜城に呼び寄せた。
太郎や次郎・三郎・四郎といった、鷹司家と九条家の後継者候補は、安全を配慮して諏訪に残っている。
勿論九条も子供達と残っているので、今浜城に来たのは、幼い頃から鍛え上げられた者達だけだ。
正月くらいは、妻や子供達と一緒に過ごしたかったのだ。
と、一応言っておく。
いや、緑ちゃんや紅ちゃんをはじめとする影衆から側室を迎えたから、京でも性的な不自由はなかった。
子供に関しても、最初に羽目を外し過ぎたから、47人も産まれている。
側室の産んでくれた子は殆ど女の子だけど、中にはコントロールが上手くいかずに、男の子を産んだ側室もいる。
今浜城には26人の子供がいるので、抱っこしてあやすのも一苦労で、腰痛を起こしそうだ。
子供1人1人に愛情があると思いたいが、自分の中にある不誠実な部分が心配だ。
九条や茜ちゃん達が産んだ子供には嘘偽りない愛情があるが、養嗣子や嫁として他家に送り込んで日本を安定させたいと、乱交時に妊娠させた子供に愛情を抱き続けることが出来るだろうか?
歴史上の権力者が、本来後継者にすべき子供を押し退け、好悪だけで後継者を変えてしまった為に、国が滅んでしまった事例がある。
今はまだ茜ちゃん達は女の子しかいないが、茜ちゃん達に男の子が産まれた時に、太郎や次郎を引き続き愛せるだろうか?
こうして桔梗ちゃんの子を抱いていると、男親が子供に愛情を抱き続けるには、出来るだけ側にいて接触しなければいけないと思い知った!
「桔梗ちゃん、諏訪の真珠生産を続け乍ら、子供達を全員近江に呼び寄せる事は可能かな?」
「若様の子供を生んでいない女達の半数を、諏訪に残せば大丈夫だと思うけど、今のまま交代で行き来しちゃ駄目なの?」
「情けない話なんだけど、男親は常に子供が側にいないと、子供への愛情が薄くなるようだ。いや、全ての男親がそうだとは限らないな、俺がそう言う酷薄な男と言う事だ」
「それで普通じゃない? 女を強姦して妊娠させても何の愛情も感じない奴や、産まれた子供を間引きして、殺したり捨てたりする男はごまんといたよ?」
「甲斐に流れてくる前の話かい?」
「うん、若様に助けてもらう前に散々見たよ」
「だからと言って、自分の子供に十分な愛情を注がないのは問題だろう?」
「そりゃ私との子供に1番愛情を注いで欲しいと思う事はあるよ、でも茜ちゃんや楓ちゃん、九条様だって大好きだからね。若様1人で、全ての子供に同じだけの愛情を注げるなんて思っていないし、九条様の嫡男と、その他の子供が同じだなんて思っていないよ」
この時代は、嫡男と次男以下の待遇は、天と地ほど違いがある。
勿論男女の差はもっと酷く、戦国時代に名前の残っている女性は極めて少ない。
そうしなければ、史実の織田家のように、起こさなくていい内紛を起こしてしまう事もある。
桔梗ちゃんもその事を理解してくれているのだが、俺が気にしているのは、性欲と利害だけで儲けてしまった、子供への後ろめたさなのだが。
「若様いいですか?」
「なに楓ちゃん?」
「若様、率直に申し上げさせて頂きますが、鷹司家や九条家はともかく、武田家の後継者を狙うような女は、事前に排除させていただいています」
「うん、その事は以前から頼んであったね」
「子供を産むまでは兎も角、産んでから欲が出てしまう者もいるのです」
「それは、密かに始末したと言う事かい!?」
「今までは幸いありませんが、それだけの覚悟を、奥の女達はしていると言う事です」
「そうか、負担を掛けているね」
「覚えていて頂きたいのは、それだけではありません。若様は庶子への愛情を気にかけておいでですが、若様に抱かれてる女の中には、日々豊かに暮らす事が出来て、しかも安心して子供を産むことが出来て、そこに子の将来も保障されているなら、それで十分満足している者も多いのです」
「それは、俺が庶子に愛情を抱いていなくても構わないと言う事かい?」
「愛情を抱いて頂ければそれに越した事はありませんが、無くても気にならないような、そんな苦境で生まれ育った者も多いのです」
「それは俺が子供を抱きに来るより、子供が貰える領地や金を稼いで欲しい、そう思っている女もいると言う事かい?」
「伝え方が難しいですが、少なくとも私達は、若様が子供達に愛情を注ぐ時間を作ろうとして、足利に不覚を取られてこの家が滅んでしまう事を、何より恐れているのです」
「そう言う事か、それなら十分配慮しているよ」
「ですから私達や子供達の事は、気にしないでください。ただ太郎様や次郎達の教育にだけは、時間をとって下さり、弟妹達への愛情と君主としての行いを躾て頂きたいのです」
「楓ちゃんや桔梗ちゃん達が躾てくれているんだろ?」
「私達も出来る限りの事はしていますが、君主としての生き方だけは、若様に伝えて頂かねばなりません」
そうは言われても、俺自身手探りだし、漫画やアニメや小説なんかの理想的な君主像を、実現できる範囲で演じているだけなんだ。
だがそんな事は口にできないし、これからも演じ続けるしかないな。
「分かった、少々危険でも、太郎達をこの城に呼び寄せて、常に近くに置いて、君主たるべきものの姿を見せて育てよう!」
「若様、私の子も抱いて下さい!」
「待て待て、産まれた順番に抱きあげるから、もう少し待ってくれ」
「ぶ~ぶ~ぶ~」
俺は茜ちゃん達を含む、嬢子軍の半数を今浜城に呼び寄せた。
太郎や次郎・三郎・四郎といった、鷹司家と九条家の後継者候補は、安全を配慮して諏訪に残っている。
勿論九条も子供達と残っているので、今浜城に来たのは、幼い頃から鍛え上げられた者達だけだ。
正月くらいは、妻や子供達と一緒に過ごしたかったのだ。
と、一応言っておく。
いや、緑ちゃんや紅ちゃんをはじめとする影衆から側室を迎えたから、京でも性的な不自由はなかった。
子供に関しても、最初に羽目を外し過ぎたから、47人も産まれている。
側室の産んでくれた子は殆ど女の子だけど、中にはコントロールが上手くいかずに、男の子を産んだ側室もいる。
今浜城には26人の子供がいるので、抱っこしてあやすのも一苦労で、腰痛を起こしそうだ。
子供1人1人に愛情があると思いたいが、自分の中にある不誠実な部分が心配だ。
九条や茜ちゃん達が産んだ子供には嘘偽りない愛情があるが、養嗣子や嫁として他家に送り込んで日本を安定させたいと、乱交時に妊娠させた子供に愛情を抱き続けることが出来るだろうか?
歴史上の権力者が、本来後継者にすべき子供を押し退け、好悪だけで後継者を変えてしまった為に、国が滅んでしまった事例がある。
今はまだ茜ちゃん達は女の子しかいないが、茜ちゃん達に男の子が産まれた時に、太郎や次郎を引き続き愛せるだろうか?
こうして桔梗ちゃんの子を抱いていると、男親が子供に愛情を抱き続けるには、出来るだけ側にいて接触しなければいけないと思い知った!
「桔梗ちゃん、諏訪の真珠生産を続け乍ら、子供達を全員近江に呼び寄せる事は可能かな?」
「若様の子供を生んでいない女達の半数を、諏訪に残せば大丈夫だと思うけど、今のまま交代で行き来しちゃ駄目なの?」
「情けない話なんだけど、男親は常に子供が側にいないと、子供への愛情が薄くなるようだ。いや、全ての男親がそうだとは限らないな、俺がそう言う酷薄な男と言う事だ」
「それで普通じゃない? 女を強姦して妊娠させても何の愛情も感じない奴や、産まれた子供を間引きして、殺したり捨てたりする男はごまんといたよ?」
「甲斐に流れてくる前の話かい?」
「うん、若様に助けてもらう前に散々見たよ」
「だからと言って、自分の子供に十分な愛情を注がないのは問題だろう?」
「そりゃ私との子供に1番愛情を注いで欲しいと思う事はあるよ、でも茜ちゃんや楓ちゃん、九条様だって大好きだからね。若様1人で、全ての子供に同じだけの愛情を注げるなんて思っていないし、九条様の嫡男と、その他の子供が同じだなんて思っていないよ」
この時代は、嫡男と次男以下の待遇は、天と地ほど違いがある。
勿論男女の差はもっと酷く、戦国時代に名前の残っている女性は極めて少ない。
そうしなければ、史実の織田家のように、起こさなくていい内紛を起こしてしまう事もある。
桔梗ちゃんもその事を理解してくれているのだが、俺が気にしているのは、性欲と利害だけで儲けてしまった、子供への後ろめたさなのだが。
「若様いいですか?」
「なに楓ちゃん?」
「若様、率直に申し上げさせて頂きますが、鷹司家や九条家はともかく、武田家の後継者を狙うような女は、事前に排除させていただいています」
「うん、その事は以前から頼んであったね」
「子供を産むまでは兎も角、産んでから欲が出てしまう者もいるのです」
「それは、密かに始末したと言う事かい!?」
「今までは幸いありませんが、それだけの覚悟を、奥の女達はしていると言う事です」
「そうか、負担を掛けているね」
「覚えていて頂きたいのは、それだけではありません。若様は庶子への愛情を気にかけておいでですが、若様に抱かれてる女の中には、日々豊かに暮らす事が出来て、しかも安心して子供を産むことが出来て、そこに子の将来も保障されているなら、それで十分満足している者も多いのです」
「それは、俺が庶子に愛情を抱いていなくても構わないと言う事かい?」
「愛情を抱いて頂ければそれに越した事はありませんが、無くても気にならないような、そんな苦境で生まれ育った者も多いのです」
「それは俺が子供を抱きに来るより、子供が貰える領地や金を稼いで欲しい、そう思っている女もいると言う事かい?」
「伝え方が難しいですが、少なくとも私達は、若様が子供達に愛情を注ぐ時間を作ろうとして、足利に不覚を取られてこの家が滅んでしまう事を、何より恐れているのです」
「そう言う事か、それなら十分配慮しているよ」
「ですから私達や子供達の事は、気にしないでください。ただ太郎様や次郎達の教育にだけは、時間をとって下さり、弟妹達への愛情と君主としての行いを躾て頂きたいのです」
「楓ちゃんや桔梗ちゃん達が躾てくれているんだろ?」
「私達も出来る限りの事はしていますが、君主としての生き方だけは、若様に伝えて頂かねばなりません」
そうは言われても、俺自身手探りだし、漫画やアニメや小説なんかの理想的な君主像を、実現できる範囲で演じているだけなんだ。
だがそんな事は口にできないし、これからも演じ続けるしかないな。
「分かった、少々危険でも、太郎達をこの城に呼び寄せて、常に近くに置いて、君主たるべきものの姿を見せて育てよう!」
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