第5話守護神視点

前回の病気は大分効果があったようだ。
偽聖女のビクトリアはあまりの痛みに失禁していたので、定期的に同じ病気にして苦しめる事にしよう。
ジェイミー王太子はもちろん、デクスター国王もフェリシティ王妃も同じように病気にしてやった。

本命だった神殿上層部の、ジェス大神官、レオン神殿長、エリス神官長はもちろん、腐敗している神官全員を病気にしたやった。
こいつらには特に腹が立っていたから、七日七晩苦しめてやったら、痛みで消耗したのか、ブクブクに太っていた身体がずいぶん痩せていた。
また定期的に病気にしてやろう。

だが毎回同じ病気では面白くない。
痛いだけの病気やケガでは、本当に苦しめられるわけではない。
一番苦しめたいのはビクトリアだから、容貌を醜くしてやるのが一番だろう。
容貌を醜くする病気を何にすべきか、それが問題だ。

天然痘を流行らしてやろうか？
それとも梅毒を流行させてやろうか？
だがあまりにやり過ぎると、古代神様にお叱りを受けてしまう。
国民全員に流行する病気は止めた方がいいだろう。
個人を狙い打ちにして、流行しない病気にしてやろう。

誰よりの先に病気にするのは、偽聖女のビクトリアだ。
顔に大きな大きな膿の袋を作ってやろう。
鼻が曲がるくらい臭い膿を、常に垂れ流す巨大な膿の袋だ。
だがそれだけでは面白くない。
何か他にも容貌が悪くなる病気はなかったか？

そうだ！
眼玉が飛び出てくるようにしてやろう。
あの病気なら人にはうつらないし、顎下も大きく腫れて、首が太くもなる。
普段あれほど容姿を気にしていた女だから、そんな容貌になったら嘆き悲しみ苦しむ事だろう。

だが聖女を騙るような不遜な真似をするのだから、神に喧嘩を売った事くらいは理解できているはずだ。
神に喧嘩を売っておいて、天罰が下らないと思うほどお花畑の頭なのだろうが、だからといって手加減などしない。
徹底的に苦しめてやる。
少なくとも私が古代神様から受けた苦痛の分だけは報復してやる。

だがビクトリアだけでは片手落ちだな。
加担した連中は全員同じ病気にしなければ不公平というものだ。
ジェイミー王太子とアランデル公爵ネイサンは絶対だな。
今回はデクスター国王は見逃してやろう。
ジェス大神官とレオン神殿長とエリス神官長は絶対に病気にしてやる。

だがこれだと確実に天罰だとわかってしまう。
アメリが神殿に連れ戻されてしまうと、古代神様の怒りを買ってしまうし……

「構わんぞ。
大いにやれ。
なんならこの国の人間を皆殺しにしても構わんぞ。
アメリの事は俺が見守るから、お前はお前の思うようにやれ。
気に喰わなかったら、お前を滅してやる」

「御意。
御心のままに、古代神様」