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奴隷魔法使い

克全

第210話王都南奉行

「奉行? 松野のボンボンに何が判るもんか! 浦辺筆頭与力の言いなりだ!」

「奉行所の者どもよ、聞いたな! 直ぐに松野助義奉行と王城に知らせに走れ、さもなくば貴君らも黙認の罪に問われるぞ!」

俺を遠巻きに包囲していた、奉行所の手勢が騒ぎ出した。
男の告白を聞いて、包囲している意味がなくなったのだから混乱するのも当然だ。
今は自分達の保身の相談をしているのだろう。
後は、こいつらを利用しよう。

「貴君らにやってもらいたいことが有る、役に立ってくれれば、国王陛下に軽い処分に成るよう御伝えしよう、いや手柄次第では俺が褒美をやろう。」

『ザワザワザワザワ』
「何をすれば宜しいのでしょうか?」

目端の利く者がいるようだ、他の者どもが騒ぐだけの中、間髪入れずに問うて来た。

「国王陛下暗殺未遂犯の一味が、証人の口封じに動く恐れが有る、そうなると寺を占拠したいると罪を捏造して襲撃してくる、今回この男が踊らされたように。」

俺は、宇陀の顎をガッチリ鷲掴みにして吊し上げ、奉行所の手勢に見えるようにした。

「ならば、我々奉行所の者は、外部の襲撃に布陣すれば宜しいか?」

「そうだ、寺を拠点にしているのだ、黒幕は宗門省か寺奉行に影響力を持っておる、貴君らが騙されてここに攻め寄せたように、寺奉行配下の手勢、黒幕の手勢が攻め込んで参ろう、それを見事撃退して見せよ。」

『奉行所包囲陣の更に外、府内近禎の手勢』

「殿、いかがいたしましょう?」

どうする?
最早言い逃れは出来ん
ここは一か八か襲撃して皆殺しにするか?
それとも、国外に逃げるか?
ここは両天秤だ。

「奥田、大和尊を討ち取れ!」

「殿! それは余りに無謀でございます!」

「奥田! ここで殺さねば後が無いのは分かっておろう! 儂は早舟で国元に帰る、そなたらの家族ともども清国に逃げる、ここにおる者の家族は必ず守る故、ここは死を賭して戦え。」

「判りました、しかしまだ時はございます、唐津様・岩村様・大給様の兵も共に行動いたしては如何でしょうか? 御三方も最早言い逃れできますまい。」

「う~~む、確かにそうではあるが。」

どうする?
大和は積極的に我らの屋敷には乗り込んできておらん。
流石に奴でも、証拠証人を固める前に貴族屋敷を襲撃出来ぬのであろう。
ならば、襲撃させて戦力を磨り潰してしまうは愚策か?
全員を引き連れて国元、清国に逃げた方が好いか?
いっそ海賊にでもなるか!

「皆の者、ついて参れ、国元に帰る!」

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