奴隷魔法使い

克全

第181話陪臣採用

「殿様、捜査が行き詰まっているようですね。」

「だね、でも素人の俺達には何もできないさ。」

「そうですね。」

「ところでさっきの、女武芸者との面接は終わったのかい?」

「はい殿様、条件に納得してくれました。」

「王都と狩場のどっちで採用したんだい?」

「王都勤めを希望しました。」

「ほう何故だい? 収入面で狩場勤めよりかなり悪いのに?」

「病気の父親が長旅に耐えられず、王都から出れないそうです。」

「ふむ、俺たちなら運んでやれるが・・・・王都勤めの家臣にも腕っこきは必要だしな。」

「はい、旦那様。家族全員が暮らせる長屋が貸与され、幼い弟妹の教育が無料で受けられますから、決して彼女に悪い条件と言う訳でもないようです。」

「しかし家族が多いようだが、年6万銅貨の禄で大丈夫なのか?」

「それと、母親を女中として雇って欲しいそうです。」

「そうだな、幼い弟は小姓、妹は奥向きの御犬小供が務まるか試してあげよう。」

「それがよろしいですね。」

「じゃ、俺も会いにこう。」

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