奴隷魔法使い

克全

第168話常陸大公家20

「大和様がボス誘き寄せ成功されました。」
念話の出来る初級下の魔法使いが報告する。

「狙撃隊、放て!」

組合長の号令で、撒餌に集まっていた魔獣魔竜に向けて矢が放たれた。
魔竜の骨・腱等を魔術で強化し作られた強弓を装備した弓狩人。
並み外れた剛力でなければ引くことも出来ない強弓。
矢は同じく、魔竜の牙・爪・鱗を加工した高価な物。
名手でなければ勿体無くて魔境に向けて放てない。
並みの獲物に使っては、とてもじゃないが採算が合わない高価な武器だ。
10頭の小型魔竜が即死させられた。

「制圧隊放て!」

投石機に着いていた冒険者達が一斉に動き出した。
折角(せっかく)狩った魔竜を、魔獣魔竜に横取りされないように石を放つのだ。
狩場と定めた地域の周りに大石が着弾する。
平均的な腕前しかない弓隊が、並み弓を使い、狩場にいる魔獣魔竜を牽制する。

「回収隊、かかれ!」

投げ縄、投擲・鎖鎌等の術に優れた者がそれぞれの得物を投げる。
投げ縄で上手く狩った魔竜を捕らえた者が急いで引っ張り出そうとする。
銛を投げた投擲狩人の中で、上手く引っ掛けた者は急いで引いている。
鎖鎌の要領で、反し突きの分銅を投げ引っ掛けた者も同様だ。

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