奴隷魔法使い

克全

第66話朝野奴隷千人頭代理との相談

組合受付の隣にある、冒険者奴隷受付で、今晩の朝野奴隷千人頭代理との面会を依頼しておいた。

俺と彩は朝の遅れを取り戻すべく、手早く狩りを行った。重点はボスにブレスを吐かすこと、魔竜は資源管理をする事にしたので、地竜・翼竜の成竜に獲物を絞った。それでも、結構狩れる魔竜が多く稼ぐことが出来た。

俺達は3度の狩りで、第2餌場で2回、第5餌場で1回、第4餌場で1回、第1餌場で1回、第3餌場で1回ボスにサンドブレスを吐かせた。そして第2餌場ではブレス3回分の材料を収集することに成功した。

1回目の狩りの前に俺は100トン、彩は10トンの汎用魔法袋を、2回目の狩りの前にも100トンと10トンの汎用魔法袋を創った。

『多摩冒険者村 冒険者組合買取所』

「買取お願いします。」

「はい、尊様・彩様、保管所までおいでください。」

今日の狩りの成果は以下の通りだった。
プエルタサウルス    80トン  20頭
カマラサウルス     30トン  15頭
マメンチサウルス    20トン  24頭
サルタサウルス     10トン  15頭
エドモンサウルス     3トン  15頭
ガリミムス      400kg  100頭
ケツァルコアト    100kg  150頭
合計2780トン 38億9212万銅貨

「朝野代理、尊様と彩様をお連れしました。」

「入っていただけ。」

「朝野様、面会を許可していただき、ありがとうございます。」

「いや、こちらこそ光栄です、9999石の士族見習いの方に訪問していただくなど、名誉なことです。」

「止めてください、まだ正式に決まったわけではありませんし、朝野様がおられなければ、黒磯殿に殺されていたかもしれないのです。」

「御謙遜ですな、ま、無駄話は止めて本題に入りましょう、仕官希望者の件ですかな?」

「はい、朝野様が抑えてくださったのですね?」

「ええ、礼節を欠いた行いは嫌われるから、仕官希望だけ出して置けば考慮していただけると言っておきました。」

「ありがとうございます、それで、実力を見ることもかねて、新しいパーティー編成と連携狩りを推奨していただきたいのです。」

「連携狩りは好いのですが、パーティー改変は命がけですから、無理強いは好くないですが? そんなことは、尊様も彩様も百も承知のことでしょう、何か意図がおありなのでしょうね?」

「はい、汎用魔法袋を魔法使いや魔力持ちに貸与しようと思うのです。」

「ほう、喜ぶでしょうね。」

「彼らを基軸に、魔境のボスのブレス射程外から、僕たちの遠距離魔法攻撃を参考に魔獣を狩らせたいのです。」

「好い稼ぎに成るでしょうな。」

「ただ、汎用魔法袋を維持するために魔力供給は必要です。」

「なるほど、その為の魔法使いや魔力持ちを基本にしたパーティー編成ですか。」

「はい、それにボスのブレス射程外からの狩りでは、弓か魔法の遠距離攻撃と、魔法による獲物の浮遊運搬は絶対条件です。」

「判りました、このことは尊様と彩様の口から直接説明なさってください、その上で自由意思で決めさせましょう、それで魔法袋の貸与料は幾らですかな。」

「ありがとうございます、明日にでも説明させていただきます、貸与料は狩売却益の5割です。」

「妥当な所でしょうな、毎日100kgのケツァルコアトを1人で狩れれば10万銅貨、魔力持ちや魔法使いは、この方法を使えば、たった5日で自由民になれる。」

「はい、でも課題はパーティーでの連携狩り、分配は公平にです。」

「ほう、なら10人組なら1万銅貨ですか、それでも大金ですな、50日で自由民に成れる。」

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