奴隷魔法使い

克全

第36話魔法のじゅうたん?

「尊、いい部屋だね」

「ああ、これならゆっくりできるね」

「でも、まずは魔法鍛錬だ」

「はい」

みっちり魔法鍛錬を一時間行った後。

「さて、さっき言った重力制御だけど、飛行魔道具を創る」

「それって、以前言っていた魔導飛行船のこと?」

「いや、あえて言うなら魔導飛行盥(まどうひこうたらい)だな」

俺は少し苦笑しながら答えた。

「たらい? て、あの洗濯や行水に使う大盥のこと?」

「そうだ。魔法陣の形からどうしてもそうなるんだ」

「あ、魔法陣は円形だから?」

「そう、円形の魔法陣の上が長方形や船形だと、いざという時円以外のところは落下してしまう。それと、重力制御魔法陣には専用と汎用がある。汎用はだれでも使える。良質魔晶石を沢山配置しておけば、それだけの時間浮遊させられる。ただし魔法袋と同じで、最初に注げる魔力までしか浮遊力がない。俺なら四万キログラム。彩なら一万三千キログラムが限界だろう。専用は血を注いだ本人しか使えない。自分の魔力が尽きれば落ちる。ただ最初に魔力を注いだ分しか浮遊力が無い汎用とは違い、魔力に応じてどんな重さも浮かせるし、良質魔晶石を沢山配置しておけば、自分の魔力が切れても使える」

「じゃ、今日は魔法袋も作るから、専用を創るの?」

「そうだよ、みてて」

まず鞣した翼竜の皮に直径四メートルの魔法陣を書いてみせる。

三十六個の百キログラム級翼竜魔晶石を配置する。

円形部以外は折り曲げて、側壁部を創り、そこに移動用風魔法の魔法陣を書く。

もう一枚革を覆う。

2枚目の革には、魔法壁用魔法陣を大二個と小八個を書く。

大に三十六個の六百キログラム級魔獣魔晶石を配置し、小に各六個の六百キログラム級魔獣魔晶石を配置する。

側壁部には、前後左右に視界確保用の開けれる部分を設ける。

「見てた? じゃ彩のは一緒に創ろう」

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