奴隷魔法使い

克全

第22話押しかけ人夫

「さすけ組合長殿、早朝からどうなされました?」

「いや、今日はタケル殿に無理なお願いがありましてな」

「はい、何でございますか?」

「実は近隣の村人がタケル殿の噂を聞いたようでしてな。護衛は出来ないが、荷物運びとして二百銅貨で雇って欲しと来てましてな」

「う~ん、村人では護衛の役に立たないですね。それどころか、今護衛してくれている冒険者の負担が増えるのではありませんか?」

「同数の四十六人までは大丈夫でしょう」

「しかし、人夫に二百銅貨は払えないです。実質半日ですよ、労賃は百銅貨でも多いくらいでしょう」

「う~ん、百銅貨ですか。二百銅貨支払われても、タケル殿には十分な利益が出るのでは?」

「僕たちが狙われているのは御存じですね? 魔力は温存しないといけません。無暗に人数が増えるのは困るのです」

「そうでしたな、では労賃百銅貨でもいいと言った者なら、四十六人雇って宜しいですか?」

「百キログラムの荷揚げ試験合格することが条件です。それと冒険者と同人数までです。班編成は組合でお願いします」

「分かりました。試験は終わっております。班編成も済んでいます」

「全て御見通しですか?」

「年の功ですよ」

「アヤ。と言うことだわ」

俺はアヤに苦笑して見せた。

「了解よ。皆お金に困ってるの?」

「生きる力が有るのさ。逞しいんだよ」

俺達は倍増した人員で狩場に着いた。

「みつお殿。四千キログラム級一頭。千キログラム級十頭を見繕ってください」

「では、あのクロサイ一頭。あの群れの水牛十頭です」

「アヤ。今日は四つの魔法を同時起動訓練する」

「はい。いつもの三つ起動から一つ増やすのね?」

「ああ、倒したら直ぐにここまで運んでくれ。俺は別にもう三頭狩る」

『冒険者村買取所』

「買取お願いします」

「よし出せ」

「クロサイ一頭四トン二百五キログラム、水牛十一頭十一トン二キログラム、合計三十万四千百四十二銅貨だ」

「ありがとうございます」

「では皆さん、組合事務所で清算します。あと今日の契約でいい人は明日も来てくださ

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