奴隷魔法使い
第16話お代官様の指摘
(アヤ、念話聞こえてる?)
(うん、大丈夫、ちゃんと聞こえてるよ)
(これから代官所に行って、奴隷闇売買の捜査をお願いする)
(お代官様は信頼できる人なの?)
(昨日密かに会って話したけど、大丈夫、なかなかの人物だよ)
(そっか、なら安心だね)
(ただ捜査用の密偵を雇う費用は、こちら持ちなんだ。たぶん密偵一人三万銅貨は掛かると思う)
(今日の稼ぎなら、それくらいの費用は大丈夫だね)
(ああ、アヤのお蔭だよ)
「門番様、お代官様に呼ばれた王室奴隷でございます。昨日の奴隷がお呼び出しに従い、門前に参ったと御取次願います」
「なに? そんな予定は聞いておらぬぞ!」
「お代官様に依頼された、御用金の用意が何時出来るか分からなかったのですが、思いがけず一日で出来たため、今日参上致した次第です」
「なに! 御用金とな? 待っておれ直ぐ聞いてくる」
「お代官様、昨日訪ねた申す奴隷が表に参っており、御用金の用意が出来たと門前で申しておりますが、いかがいたしましょう?」
「うむ、庭先に通せ」
門番が戻ってきて、俺とアヤを案内してくれた。
「お代官様、タケルとアヤと申します。御用金献上を御許し頂き、感謝いたします」
「うむ、いくら献上できるか。」
「アヤと二人で、今日八万銅貨ほど稼げました。その内六万は献上できます」
「五万銅貨あれば、卒族級の家臣二人を一年間雇用できる。だが御主から御用金を受けると、賄賂授受を指摘され、互いに不利となる。1日八万稼げるなら、ほかに方策は考えられぬか?」
なに?
昨日と言ってることが違うじゃないか!
だが確かに、相手は恐らく貴族。
最下級士族のお代官様では、何をなされれるにも細心の注意が必要だろう。
考えろ、考えるんだ。
こう仰る以上、お代官様には何か考えがあるはずだ!
そうだ!
俺自身が、証拠を集める者を雇えばいいんだ。
どうせなら、護衛も出来る武力を兼ね備えた者を雇えばいい。
「お代官様、冒険者組合は信用できますでしょうか?」
「うむ、流石だな。儂が紹介状を書こう」
「では、護衛兼運搬役で雇います。費用はいかほどでしょう?」
「証人になればよい。心根がよくて稼げない低級冒険者なら、一日四百銅貨出せば、三十人はおろう」
「百キログラム程度の鰐なら、二人で村まで運べましょうか?」
「楽勝だろうな」
「ならば、二十人は雇えます」
「今すぐ紹介状を書こう」
「有り難き幸せにございます」
(うん、大丈夫、ちゃんと聞こえてるよ)
(これから代官所に行って、奴隷闇売買の捜査をお願いする)
(お代官様は信頼できる人なの?)
(昨日密かに会って話したけど、大丈夫、なかなかの人物だよ)
(そっか、なら安心だね)
(ただ捜査用の密偵を雇う費用は、こちら持ちなんだ。たぶん密偵一人三万銅貨は掛かると思う)
(今日の稼ぎなら、それくらいの費用は大丈夫だね)
(ああ、アヤのお蔭だよ)
「門番様、お代官様に呼ばれた王室奴隷でございます。昨日の奴隷がお呼び出しに従い、門前に参ったと御取次願います」
「なに? そんな予定は聞いておらぬぞ!」
「お代官様に依頼された、御用金の用意が何時出来るか分からなかったのですが、思いがけず一日で出来たため、今日参上致した次第です」
「なに! 御用金とな? 待っておれ直ぐ聞いてくる」
「お代官様、昨日訪ねた申す奴隷が表に参っており、御用金の用意が出来たと門前で申しておりますが、いかがいたしましょう?」
「うむ、庭先に通せ」
門番が戻ってきて、俺とアヤを案内してくれた。
「お代官様、タケルとアヤと申します。御用金献上を御許し頂き、感謝いたします」
「うむ、いくら献上できるか。」
「アヤと二人で、今日八万銅貨ほど稼げました。その内六万は献上できます」
「五万銅貨あれば、卒族級の家臣二人を一年間雇用できる。だが御主から御用金を受けると、賄賂授受を指摘され、互いに不利となる。1日八万稼げるなら、ほかに方策は考えられぬか?」
なに?
昨日と言ってることが違うじゃないか!
だが確かに、相手は恐らく貴族。
最下級士族のお代官様では、何をなされれるにも細心の注意が必要だろう。
考えろ、考えるんだ。
こう仰る以上、お代官様には何か考えがあるはずだ!
そうだ!
俺自身が、証拠を集める者を雇えばいいんだ。
どうせなら、護衛も出来る武力を兼ね備えた者を雇えばいい。
「お代官様、冒険者組合は信用できますでしょうか?」
「うむ、流石だな。儂が紹介状を書こう」
「では、護衛兼運搬役で雇います。費用はいかほどでしょう?」
「証人になればよい。心根がよくて稼げない低級冒険者なら、一日四百銅貨出せば、三十人はおろう」
「百キログラム程度の鰐なら、二人で村まで運べましょうか?」
「楽勝だろうな」
「ならば、二十人は雇えます」
「今すぐ紹介状を書こう」
「有り難き幸せにございます」
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