「溺愛」「婚約破棄」「ざまあ」短編集5
第30話
「女王陛下。
ソモンド王国が旧グレイ王国領に攻め込んでまいりました」
「そうですか。
ルーカスはどうすればいいと思いますか?」
やはりこうなりました。
私が女王に戴冠して国を治めるなんて土台無理なんです。
もう邪竜を退治してしまったのです。
圧倒的な破壊力を誇った邪竜がいなくなれば、隣国も遠慮しません。
邪竜を二度も退治されたルーカス様たちを警戒するでしょうが、同じ人間です。
強力な魔法を使えるのは確かですが、対人魔法はよく研究されているのです。
「直ぐに反撃すべきです。
徹底的に思い知らせなければいけません。
そうしなければ、全ての隣国が攻め込んできます。
そんなことになったら、多くの民が死んでしまいます」
「分かりました。
ルーカスに任せます。
五人で行くのですか?」
私はてっきり五人で行くものと思い込んでいました。
今まで五人が単独で戦ったことは一度もありません。
必ず五人で戦っていました。
エイデンのいた頃は六人でしたが。
だから今回も五人一緒だと思っていました。
宰相をつとめるルーカス様と、大臣をつとめる四人が城からいなくなると、とても不安なのは確かです。
身の危険を感じてしまいます。
魔都の離宮に遷都したので、破壊の限りを尽くされた王都のような廃墟ではないので、防御力はありますが、そもそも王城にいる貴族士族を信用できないです。
「いえ、デービッドと一緒に行きます。
他の三人は残りますので、なんの心配もありません」
私は正直安堵しました。
あの三人がいてくれるのなら、城内の全貴族士族が敵に回っても大丈夫です。
でも今度はルーカス様とデービッドが心配になりました。
強力無比な二人ですが、さすがに一国が相手です。
最悪殺されてしまうかもしれません。
「だった二人で大丈夫ですか?
王国軍を動員しなくて大丈夫ですか?
直ぐ動かなければいけないのは分かりますが、負けたら逆効果ではありませんか?
せめて城内にいる騎士団を連れて行く方がいいのではありませんか?」
「大丈夫でございます。
騎士団や王国軍を動員すれば、無用な死傷者をだしてしまいます。
二人なら、味方を誰ひとり死傷させることなく、敵を滅ぼすことができます」
ええと、本気なのですよね?
ルーカス様が謀略以外で嘘をつくことはありません。
だからすべて本気で真実なのでしょう。
たった二人でソモンド王国を滅ぼす方法があるという事ですよね。
もしかして、大魔境に行って竜を追い出すのでしょうか?
そんなことになれば、また多くの人が死ぬことになるでしょうね。
それに、一度大魔境から追い出した竜を、また大魔境に追い返せるのでしょうか?
それとも竜を狩って大国の富にするのでしょうか?
ソモンド王国が旧グレイ王国領に攻め込んでまいりました」
「そうですか。
ルーカスはどうすればいいと思いますか?」
やはりこうなりました。
私が女王に戴冠して国を治めるなんて土台無理なんです。
もう邪竜を退治してしまったのです。
圧倒的な破壊力を誇った邪竜がいなくなれば、隣国も遠慮しません。
邪竜を二度も退治されたルーカス様たちを警戒するでしょうが、同じ人間です。
強力な魔法を使えるのは確かですが、対人魔法はよく研究されているのです。
「直ぐに反撃すべきです。
徹底的に思い知らせなければいけません。
そうしなければ、全ての隣国が攻め込んできます。
そんなことになったら、多くの民が死んでしまいます」
「分かりました。
ルーカスに任せます。
五人で行くのですか?」
私はてっきり五人で行くものと思い込んでいました。
今まで五人が単独で戦ったことは一度もありません。
必ず五人で戦っていました。
エイデンのいた頃は六人でしたが。
だから今回も五人一緒だと思っていました。
宰相をつとめるルーカス様と、大臣をつとめる四人が城からいなくなると、とても不安なのは確かです。
身の危険を感じてしまいます。
魔都の離宮に遷都したので、破壊の限りを尽くされた王都のような廃墟ではないので、防御力はありますが、そもそも王城にいる貴族士族を信用できないです。
「いえ、デービッドと一緒に行きます。
他の三人は残りますので、なんの心配もありません」
私は正直安堵しました。
あの三人がいてくれるのなら、城内の全貴族士族が敵に回っても大丈夫です。
でも今度はルーカス様とデービッドが心配になりました。
強力無比な二人ですが、さすがに一国が相手です。
最悪殺されてしまうかもしれません。
「だった二人で大丈夫ですか?
王国軍を動員しなくて大丈夫ですか?
直ぐ動かなければいけないのは分かりますが、負けたら逆効果ではありませんか?
せめて城内にいる騎士団を連れて行く方がいいのではありませんか?」
「大丈夫でございます。
騎士団や王国軍を動員すれば、無用な死傷者をだしてしまいます。
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