魔法武士・種子島時堯

克全

第275話モンゴル情報

1547年10月:蝦夷・石狩国・石狩城:種子島権大納言時堯・三雲対馬守定持

「対馬守、よくぞ無時に戻ってくれた、御苦労であったな」

「勿体無き御言葉、恐悦至極に存じます。某の為にわざわざ石狩まで来て頂きましたこと、感謝にたえません」

「大陸北方の危険で過酷な地で、任務をしてくれている対馬守達の労苦に比べれば何ほどの事でもない」

「有り難き御言葉でございます」

「それでモンゴルの動きはどうなっておる?」

「は! モンゴルの地も群雄割拠が始まり、ボディ・アラク・ハーンをトゥシェート・セチェン・ハーンが追い落とす勢いでございます」

「トゥシェートと言えば、先年明国の山西省に攻め込み、20万の民を虐殺したのであったな?」

「はい、しかも200万の家畜を略奪し8万軒を焼き払っており、その功績でトゥシェート・セチェン・ハーンの称号を得て、次席ハーンとなっております」

「動員兵力はどれくらいだ?」

「モンゴル高原の西半分に遊牧する、モンゴル右翼3万戸の最有力指導者となりましたので、3万騎以上の騎馬軍団を動かせると思われます」

「1戸に1騎動員して3万騎、親子2騎を動員すれば6万騎だな」

「はい左様でございます」

「トゥシェートがボディを追い落とせば、モンゴルを統一する大王になる可能もあるのだな」

「はい、左様でございます」

「明国の嘉靖帝が対応を誤れば、明国が滅ぶ事態となるかもしれぬな」

「はい、左様でございます」

「元寇の再来だけは絶対に防がねばならん」

「はい、左様でございます」

「対馬守はどう考える」

「明国はボディに官職を与え、朝貢を許して手なずけるものと思われます」

「そうだな、それが歴代王朝のやり方だな」

「権大納言様はどうなさる御心算ですか?」

「弱い方を叩けるように準備しておくべきだな、出来れば相争い共倒れになってもらいたいものだ」

「他の部族を利用なされますか?」

「使えそうな部族がいるのか?}

「はい」


三雲定持
氏族:有道氏流三雲氏
父親:三雲行定
主君:六角定頼→種子島時堯
居城:三雲城
通称:三郎左衛門
官位:対馬守
甲賀五十三家の一つ
単独で明と貿易を行い室町幕府に寄付をするなど、高い経済力を有していた。
現在は種子島海軍交易艦隊に所属し、各地の情報を集めている、明国北部から満州・モンゴル・シベリアの上忍

「モンゴル大部族(1万騎を動員できる)トゥメン」
左翼:チャハル・トゥメン
:ハルハ・トゥメン
:ウリヤンハン・トゥメン
右翼:オルドス・トゥメン
:トゥメト・トゥメン
:ヨンシエブ・トゥメン

ボディ・アラク・ハーンン
氏族:ボルジギン氏
祖父:ダヤン・ハーン
父親:トロ・ボラト
母親:チャージャン娘娘太后
出生:1504年
子女:ダライスン・ゴデン・ハーン
:コクジュテイ太子
:オンゴン・ドゥラル

トゥシェート・セチェン・ハーン(アルタン・ハーン)
父親:ダヤン・ハーンの三男・バルス・ボラド・ジノン(サイン・アラグ・ハーン)の次男
母親:ホソイ・タブナンの娘・ボダン
祖父に劣らぬ智勇兼備の人物で、その才腕と器量でモンゴルを再統一した
チベット方面に進出した際、仏教に帰依している
青海に迎華寺を建立し、ダライ・ラマ3世を迎えた
1519年:父が死去すると、その後を継いだ。
1538年:内乱鎮圧の功績により、チンギス・ハーンを形容する際に使われる「ソート」( suu tu  天恵をもつ)の称号を与えられた
1542年:明遠征での功績を得る
:山西省に侵攻し男女20万人を虐殺した
:200万の家畜を略奪し8万軒を焼き払った
:「トゥシェート・セチェン・ハーン」(補佐する賢明なハーン)の称号を与えられた
:正統ハーンのボディ・アラグ・ハーンを補佐する次席ハーンとなる。
:内モンゴル高原の西半分に遊牧するモンゴル右翼3万戸の最有力指導者となった。

戦国武将録・ウィキベキ・世界帝王辞典を参考参照

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