魔法武士・種子島時堯

克全

第248話但馬国始末

1546年9月

各方面から侵攻を行ったが、側面や後方からの攻撃を心配しなくて済む但馬国の攻略が早く済んだ。元々先々代の但馬・備後守護・山名致豊の時代に、独立色を強めた山名四天王と呼ばれる垣屋続成、田結庄是義、八木豊信、太田垣輝延が山名致豊を隠居に追い込み、先代・山名誠豊を擁立していた。

山名四天王は大内家派と尼子家派に分かれ抗争を繰り広げ、山名家の守護としての力を急速に失っていた。ここに俺の率いる種子島軍が急襲したのだから、国を挙げて連携して抵抗する事など出来るはずもなく、各個撃破されることになった。

特に有効だったのは、以前から行っていた種子島海軍による日本海交易・大陸交易であった。但馬水軍と呼ばれ、山陰地方沿岸に勢力を持っていた山名家の水軍衆とは有効な関係が築かれていた。彼らにとったら、山名家の家臣のままでいるよりも、種子島軍海軍の傘下に入り、北は蝦夷から南は台湾までの交易艦隊に配属された方が利益になるのだ。

奈良宗孟をはじめとする但馬水軍衆にとったら、後奈良天皇からの勅命は渡りに船で、山名家から種子島家に主を変える好い言い訳になった。但馬水軍衆の寝返りで戦う事無く沿岸部を確保し、但馬水軍衆の調略と俺の威圧攻撃で次々と国衆・地侍も降伏臣従を誓った。

山名家当主・山名祐豊も抵抗する事無く降伏臣従を誓ったが、これは四天王や国衆の力が強く、守護としての力を失っていた事も大きかったようだ。だが何より大きかったのは、既に種子島家に降伏臣従していた、若狭武田家・播磨赤松家・丹後一色家から降伏臣従を勧める手紙だった。彼らが京で戦の心配をする事無く、安寧に暮らせると言う話が山名祐豊の背中を押したようだ。

最後まで敵対し、俺が突撃して当主を捕縛しなければいけなかったのは、垣屋続成・田結是義・八木豊信など僅かな国衆だけだった。それも殆どの友好国衆・家臣領民に叛かれ、僅かな一門と孤城に籠ると言う哀れな状況下であった。

戦後の始末は、何時ものように敵対して家は城地を没収、希望した者を扶持待遇で京の六衛府で召し抱えた。途中で寝返った者は当主と嫡男を隠居させ、次期当主に種子島家の若手家臣を養嗣子に送り込み、城と半知を召し上げると言うものだった。最初から種子島家についた者も、御領所や荘園を横領していた場合は、そのだけは召し上げると言う処置を取った。

「山名家」
但馬山名祐豊(1511~1580)
父親:山名致豊の次男
養父:山名誠豊の養子
官途:右衛門督
別名:山名韶熙
正室:一色義秀の娘
居城:出石郡此隅山城主

但馬山名棟豊(1544~1561)
父親:山名祐豊
通称:次郎

伊秩重久(15??~15??)
主君:山名致豊
官途:大和守

加陽国親(1531~15??)
居城:朝来郡物部城
主君:山名祐豊
官途:美濃守

高岡国正(15??~15??)
主君:山名祐豊

高岡国定(1533~1581)
父親:高岡国正の次男
官途:筑前守。

小野木正光(15??~15??)
居城:美方郡井上城
通称:玄蕃。

居相政煕(15??~15??)
居城:養父郡田和城
官途:肥前守。

居相政貞(15??~15??)
父親:居相政煕の男
通称:孫作

佐津信辰(15??~15??)
居城:美方郡勢多端城
通称:兵庫。

下津屋新三郎(15??~15??)
居城:伊福城
官途:伯耆守

田路胤直(15??~1579)
主君:山名氏政
居城:朝来郡高倉山城
官途:大和守
役職:家老職



「長水親茂派」
長水親茂
主君:


田路胤純(15??~1558)
父親:田路胤直の男
官途:隠岐守
居城:草置城
主君:広瀬城主長水親茂に仕えた。

田路胤親(15??~15??)
父親:田路胤純の男
官途:若狭守。

田路貞政(15??~15??)
父親:田路胤純の次男
官途:信濃守。

田路貞村(15??~15??)
父親:田路胤純の三男
通称:五左衛門。

田路光朝(15??~15??)
父親:田路胤純の四男
通称:傳兵衛。

橋本兵庫介(15??~15??)
居城:養父郡坂本城

久下泰光(15??~15??)
居城:美方郡佐古山城
通称:次郎左衛門尉

福富甲斐守(15??~15??)
居城:朝来郡高生田城

松岡盛祐(15??~1560)
居城:朝来郡衣笠城

三方正秀(15??~15??)
父親:養父郡三方城
官途:大蔵丞

「反種子島家」
赤木丹後守(15??~15??)
居城:城崎郡上野城

朝倉大炊(15??~15??)
居城:養父郡朝倉城

足立盛貞(15??~15??)
居城:気多郡篠森城
官途:筑前守。

佐々木義高(1525~1600)
主君:山名祐豊
居城:養父郡浅間城
父親:佐々木近江守の次男
官途:近江守
正室:松浦宗房の娘

大坪又四郎(15??~15??)
居城:美方郡国分寺城

西村丹後守(15??~15??)
居城:但馬国多気郡水生城

西村忠宗(15??~15??)
父親:西村丹後守の男
通称:平八郎。

「種子島家に内応」
篠部伊賀守(15??~15??)
居城:美含郡宮井城

藤井伊助(15??~15??)
主君:篠部伊賀守

宿南輝俊(15??~15??)
居城:養父郡宿南城
官途:修理太夫

宿南輝直(15??~15??)
父親:宿南輝俊の男
通称:十郎左衛門

宿南直政(15??~15??)
父親:宿南輝俊の男
通称:主馬助。


「親種子島家」

「但馬海賊衆」
奈良宗孟(15??~1555)
居城:美方郡温泉城
官途:右近将監

奈良左近将監(15??~15??)
主君:奈良宗孟
居城:飯野城


「但馬塩冶本家」
塩冶綱高(15??~15??)
居城:美方郡芦屋城
父親:塩冶綱吉の男
官途:若狭守
通称:左衛門尉。

塩冶高清(15??~1581)
父親:塩冶綱高の次男
官途:周防守


「但馬塩冶分家」
塩冶秀国(15??~1558)
居城:美方郡銘山城
父親:塩冶秀詮の男
通称:左衛門尉

「反塩冶秀国」
丹生長近(15??~1529)
居城:養山城
官途:美作守

丹生長保(15??~15??)
親族:丹生長近の弟
出家し、正釈庵を建てて丹生家の菩提を弔った。

丹生又八(15??~15??)
親族:丹生長近の弟

丹生熊之助(15??~15??)
父親:丹生長近の次男

長信行(15??~15??)
山名祐豊家臣。美方郡林甫城主。

長越前守(15??~15??)
父親:長信行の男
官途:越前守
通称:弥次郎

沼田長信(15??~15??)
主君:長信行
居城:美方郡相谷城
通称:左衛門尉。


「山名家四天王」
太田垣光景
朝来郡竹田城・初代城主

太田垣景近
朝来郡竹田城・2代城主

太田垣宗朝
朝来郡竹田城・3代城主

太田垣俊朝(1479~1558)
朝来郡竹田城4代城主
父親:太田垣宗朝の男
別名:太田垣宗寿

太田垣宗寿
朝来郡竹田城5代城主

太田垣朝延(1506~1570)
朝来郡竹田城6代城主
父親:太田垣俊朝の男
官途:能登守
居城:朝来郡竹田城

太田垣輝延(1536~1585)
朝来郡竹田城7代城主
父親:太田垣朝延の男
居城:朝来郡竹田城

足羽是高(15??~15??)
主君:太田垣朝延
居城:朝来郡山内城
通称:九郎次郎

猪熊佐介(15??~15??)
主君:太田垣輝延

笠垣武祐(15??~15??)
主君:太田垣朝延
通称:次郎

笠垣盛本(15??~15??)
主君:大田垣朝延
通称:三郎兵衛
大田垣朝延の軍配者を務めた。

梶原一正(15??~15??)
主君:大田垣朝延
居城:朝来郡比治城
通称:森之丞。

杉原家次(15??~15??)
主君:太田垣朝延
通称:七郎左衛門

鈴木正春(15??~15??)
主君:太田垣朝延
官途:甲斐守

枚田八郎(15??~15??)
主君:太田垣朝延
居城:枚田城

枚田光春(15??~15??)
親族:枚田八郎の弟(枚田延盛の養子)
通称:勘蔵。

物部頼久(15??~15??)
主君:太田垣朝延
居城:岩州城

物部治政(15??~15??)
父親:物部頼久の男
官途:出雲守
通称:次郎左衛門

「山名家四天王・反種子島家」
垣屋続成(1482~1570)
居城:気多郡鶴ヶ峰城
主君:山名祐豊
役職:但馬国守護代職

垣屋光成(1520~1592)
父親:垣屋続成の男

垣屋恒総(15??~1600)
父親:垣屋光成の男

垣屋続貫(15??~15??)
父親:垣屋続成の男
別名:宿南保。

垣屋宗時(15??~15??)
主君:垣屋光成
居城:城崎郡轟城

長信行(15??~15??)
主君:山名祐豊
居城:美方郡林甫城

長越前守(15??~15??)
父親:長信行の男
官途:越前守
通称:弥次郎

沼田長信(15??~15??)
主君:長信行
居城:美方郡相谷城
通称:左衛門尉。

「山名家四天王」
田結庄右近将監(15??~15??)
居城:城崎郡鶴城
主君:山名祐豊

田結庄是義(15??~1575)
父親:田結庄右近将監の男
官途:左近将監
役職:城崎郡惣領職
別名:田結庄是清

田結庄盛延(15??~15??)
父親:田結庄是義の男

栗坂主水(15??~15??)
主君:田結庄是義
居城:海老手城

「山名家四天王」
八木直信(15??~15??)
居城:養父郡八木城
主君:山名堯熙(山名致豊)
通称:宗松

八木豊信(15??~15??)
父親:八木直信の男

八木信貞(15??~15??)
父親:八木直信の次男。

八木信慶(15??~15??)
父親:八木豊信の男。

阿瀬重家(15??~15??)
主君:八木豊信
居城:美方郡大野城
官途:石見守
もと六角義賢の家臣

戦国武将録・ウィキベキ・世界帝王辞典・旧国石高表を参考参照

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