魔法武士・種子島時堯
第186話塩川政年・高山重利・茨木長隆
1543年7月3日『摂津国・河辺郡一庫城主』種子島権大納言時堯・15歳
「権大納言さま、どうか降伏をお認めください」
「それはできんよ伯耆守殿、細川政春殿の娘を正室に迎え嫡男の国満をもうけている、いつ裏切るか分からない者を家臣には加えられんよ」
「そんな事は決して致しません!」
「主君である畠山長経殿を遊佐長教と組んで謀殺しているではないか!」
「それは細川晴元管領の命令で仕方なく」
「嘘を吐くのではない! 己の勢力を拡大するためだろう!」
「・・・・・はい」
「城地を捨てて逃げるなら後は追わん、好きな所に逃げるがいい、だが抵抗するなら攻め滅ぼす。だが天から大岩を落とされて死ぬのは犬死でしかないぞ、それでもいいのか?」
「本当に追わないで頂けますか?」
「だが俺が直ぐに攻め込むような場所には逃げるなよ、出来るだけ種子島家と離れた国に逃げるか、俺が攻めない家で心を入れ替えて忠誠を尽すかだ」
「分かりました、ですが落ち武者狩りが怖いので、用意が整うまで数日お待ち願いたいのです」
「構わんよ、三宅国村の時のように支援を禁止する使者を各地に送ったりはせんよ」
「有難うございます」
1543年7月4日『摂津国・茨木』種子島権大納言時堯・15歳
「重利殿、どうされる?」
「降伏させて頂きます、ですが扶持を頂くか百姓として田畑を耕すかは、本家や同じ宇多源氏の能勢衆と相談させていただきたいのです」
「与えられる猶予は数日だが、それでもいいのか?」
「有難うございます、それで結構でございます」
1543年7月5日『摂津国・島下郡茨木城』種子島権大納言時堯・15歳
「権大納言さま、どうか降伏を受け入れて頂けませんか?」
「駄目だ! 伊賀守のように寝返りを繰り返す者を種子島家の家臣には出来ん!」
「では茨木一族は根切りにされるのでしょうか?」
「いや、遠国に逃げるのは自由だ、追い討ちなどかけんし他家へ奉公を禁止する使者を送ることもない。塩川政年にも同じ条件を出しているから、何なら一緒に逃げても構わんぞ」
「三好長慶殿を頼っても宜しいでしょうか?」
「それは自由だが、長慶は我が妻の実家・土佐一条家と争っている。種子島家も伊予国で長慶と領地を接している、次は問答無用で居城に大岩を落とすかもしれんぞ」
「では縁戚の土佐一条家や周防の大内家を頼っても構わないのですか?」
「紹介状などは書かんよ、だが実力と忠誠心を示して信頼を勝ち取り、奉公することになっても邪魔はせんよ」
「有り難き幸せでございます!」
細川晴元管領の下で京都代官であった茨木長隆だが、細川晴元が俺に処刑された今では三好長慶を頼って摂津国の長慶方の有力者の1人となっていた。細川晴元が御所に押し入ろうとしたときは、兵だけをだして自分は公家衆との交渉を担当し、上手く現場に出ないようにしていた。後で逮捕尋問したが、裏金を使って公家衆に口添えをしてもらい、アリバイを主張して無罪となったいた。
「権大納言さま、どうか降伏をお認めください」
「それはできんよ伯耆守殿、細川政春殿の娘を正室に迎え嫡男の国満をもうけている、いつ裏切るか分からない者を家臣には加えられんよ」
「そんな事は決して致しません!」
「主君である畠山長経殿を遊佐長教と組んで謀殺しているではないか!」
「それは細川晴元管領の命令で仕方なく」
「嘘を吐くのではない! 己の勢力を拡大するためだろう!」
「・・・・・はい」
「城地を捨てて逃げるなら後は追わん、好きな所に逃げるがいい、だが抵抗するなら攻め滅ぼす。だが天から大岩を落とされて死ぬのは犬死でしかないぞ、それでもいいのか?」
「本当に追わないで頂けますか?」
「だが俺が直ぐに攻め込むような場所には逃げるなよ、出来るだけ種子島家と離れた国に逃げるか、俺が攻めない家で心を入れ替えて忠誠を尽すかだ」
「分かりました、ですが落ち武者狩りが怖いので、用意が整うまで数日お待ち願いたいのです」
「構わんよ、三宅国村の時のように支援を禁止する使者を各地に送ったりはせんよ」
「有難うございます」
1543年7月4日『摂津国・茨木』種子島権大納言時堯・15歳
「重利殿、どうされる?」
「降伏させて頂きます、ですが扶持を頂くか百姓として田畑を耕すかは、本家や同じ宇多源氏の能勢衆と相談させていただきたいのです」
「与えられる猶予は数日だが、それでもいいのか?」
「有難うございます、それで結構でございます」
1543年7月5日『摂津国・島下郡茨木城』種子島権大納言時堯・15歳
「権大納言さま、どうか降伏を受け入れて頂けませんか?」
「駄目だ! 伊賀守のように寝返りを繰り返す者を種子島家の家臣には出来ん!」
「では茨木一族は根切りにされるのでしょうか?」
「いや、遠国に逃げるのは自由だ、追い討ちなどかけんし他家へ奉公を禁止する使者を送ることもない。塩川政年にも同じ条件を出しているから、何なら一緒に逃げても構わんぞ」
「三好長慶殿を頼っても宜しいでしょうか?」
「それは自由だが、長慶は我が妻の実家・土佐一条家と争っている。種子島家も伊予国で長慶と領地を接している、次は問答無用で居城に大岩を落とすかもしれんぞ」
「では縁戚の土佐一条家や周防の大内家を頼っても構わないのですか?」
「紹介状などは書かんよ、だが実力と忠誠心を示して信頼を勝ち取り、奉公することになっても邪魔はせんよ」
「有り難き幸せでございます!」
細川晴元管領の下で京都代官であった茨木長隆だが、細川晴元が俺に処刑された今では三好長慶を頼って摂津国の長慶方の有力者の1人となっていた。細川晴元が御所に押し入ろうとしたときは、兵だけをだして自分は公家衆との交渉を担当し、上手く現場に出ないようにしていた。後で逮捕尋問したが、裏金を使って公家衆に口添えをしてもらい、アリバイを主張して無罪となったいた。
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