魔法武士・種子島時堯
第177話後継者問題
1543年1月21日『筑前国・大宰府』種子島権中納言時堯・15歳
「権中納言さまは、私の事が嫌いなのですか・・・・」
一条於富の言葉にその場が凍り付き、俺も思わず箸が止まってしまった。
「於富、何度も言っているけど、今の種子島家は2000万石を超える超大国なのだ、その後継者が家督を巡って争うような事になれば、応仁の乱を超える大乱をこの国に起こしてしまう事になる。そんな事になれば民百姓は塗炭の苦しみを味わう事になる、だから最初の3人の子は同腹の男子にしたいのだ」
「それでは兼子さまが3人の男子をお産みになるまでは、私の元には来てくださらないのですね!」
「大丈夫だ、今年中には3人目の男子を産んでもらうから」
「確かに今までは運よく男子を兼子さまは授かられましたが、今年にお子を授かると言い切れるのですか? しかも男子が産まれると断言できるのですか!」
周りは凍り付いたような静寂の中で聞き耳を立てている。
「それは大丈夫だ、私の神通力で必ず妊娠させる事も出来るのが分かったし、男女を産み分ける事も出来ると分かったのだ」
「本当でございますか?!」
「本当だ、御上にかけて断言する」
「では権中納言さまは、女の子と決めて授ける事も出来るのですね?!」
「ああ大丈夫だ、それも出来る」
身体内で魔法を発生させ、子種に細工をすれば男女産み分けは可能だ。
「では女の子を授けて下さい! そうでなければ権中納言さまのお心を信じる事が出来ません!」
う~ん、百回を超える転生をして、千を超える妻を娶って来たけれど、それでも女性の心を慮るのは難しい。毎日空を翔けて城に戻り、共に食事をして腹を割って話していても、褥を共にしないと安心出来ないのだな。まあ2人しかいない妻なのに、自分だけが寵愛を受けないのは不安が産まれて当然か?
俺の配慮が足りなかったな、何よりお付きの土佐一条家侍女たちが不安を煽ったのかもしれない。元々正妻は土佐一条家の於富だけだったのが、九条摂関家の横槍で2人正妻制にになってしまったのだ。しかも年齢の問題があって、嫡男・次男と九条兼子が先に産んでしまった。15歳までは妊娠するのが危険だと言って、兼子のとこだけに通っていたので我慢に我慢を重ねていたのだろう。だが於富が15歳になっても俺が褥を共にしないので、我慢の限界を超えてしまったのだろう。
「分かった、では今日は於富のもとで休ませてもらおう。だが授かるのは女の子だから、その事で落胆する事の無いようにな」
「はい! 権中納言さま寵愛をお受けできるのなら、授かるお子が女の子であっても嬉しい限りでございます」
凍り付いていた場の空気が緩み、一斉に皆が安堵の息を吐いた。
「では食事を続けようか」
「はい!」
折角の鴨葱鍋が台無しだよ!
随分前に狩った鴨を軒先に吊るして、眼に蛆が湧くまで熟成させてからようやく食べれるようにしたものだ。鴨ガラでしっかりとスープを取って、肉は煮過ぎないようにしないと硬くなるのに、今の一件で火を通し過ぎてしまった。
まあ、軟骨と腿肉をミンチにして、生姜と柚子を効かした肉団子は多少火を通しても美味しいし、何よりも葱が絶品だ。
他にも火加減が難しいので、鴨胸肉を串に刺して焼いた料理は料理人に作らせているし、ローストした鴨胸肉を蜜柑ソース食べる物も前に出ている。もちろん大好きな鴨の燻製も作らせてある。
他にも鴨肉を鍋に張った汁(醤油、たまり、煎り酒などを混ぜる)を付けながら鍋肌で焼き、汁を張った椀に5切れほど盛ってワサビを添えて出す治部煮と言う料理や、鴨肉をそぎ切りにし、麦の粉を付けて濃い醤油味の汁で煮てワサビを添えて食べる麦鳥と呼ばれる料理も作らせてある。
一旦食べだしたら、さっきまでのことは綺麗さっぱり忘れることができた。ずっと愉しみにしていた鴨尽くし料理だ、堪能するまで食べるぞ!
「権中納言さまは、私の事が嫌いなのですか・・・・」
一条於富の言葉にその場が凍り付き、俺も思わず箸が止まってしまった。
「於富、何度も言っているけど、今の種子島家は2000万石を超える超大国なのだ、その後継者が家督を巡って争うような事になれば、応仁の乱を超える大乱をこの国に起こしてしまう事になる。そんな事になれば民百姓は塗炭の苦しみを味わう事になる、だから最初の3人の子は同腹の男子にしたいのだ」
「それでは兼子さまが3人の男子をお産みになるまでは、私の元には来てくださらないのですね!」
「大丈夫だ、今年中には3人目の男子を産んでもらうから」
「確かに今までは運よく男子を兼子さまは授かられましたが、今年にお子を授かると言い切れるのですか? しかも男子が産まれると断言できるのですか!」
周りは凍り付いたような静寂の中で聞き耳を立てている。
「それは大丈夫だ、私の神通力で必ず妊娠させる事も出来るのが分かったし、男女を産み分ける事も出来ると分かったのだ」
「本当でございますか?!」
「本当だ、御上にかけて断言する」
「では権中納言さまは、女の子と決めて授ける事も出来るのですね?!」
「ああ大丈夫だ、それも出来る」
身体内で魔法を発生させ、子種に細工をすれば男女産み分けは可能だ。
「では女の子を授けて下さい! そうでなければ権中納言さまのお心を信じる事が出来ません!」
う~ん、百回を超える転生をして、千を超える妻を娶って来たけれど、それでも女性の心を慮るのは難しい。毎日空を翔けて城に戻り、共に食事をして腹を割って話していても、褥を共にしないと安心出来ないのだな。まあ2人しかいない妻なのに、自分だけが寵愛を受けないのは不安が産まれて当然か?
俺の配慮が足りなかったな、何よりお付きの土佐一条家侍女たちが不安を煽ったのかもしれない。元々正妻は土佐一条家の於富だけだったのが、九条摂関家の横槍で2人正妻制にになってしまったのだ。しかも年齢の問題があって、嫡男・次男と九条兼子が先に産んでしまった。15歳までは妊娠するのが危険だと言って、兼子のとこだけに通っていたので我慢に我慢を重ねていたのだろう。だが於富が15歳になっても俺が褥を共にしないので、我慢の限界を超えてしまったのだろう。
「分かった、では今日は於富のもとで休ませてもらおう。だが授かるのは女の子だから、その事で落胆する事の無いようにな」
「はい! 権中納言さま寵愛をお受けできるのなら、授かるお子が女の子であっても嬉しい限りでございます」
凍り付いていた場の空気が緩み、一斉に皆が安堵の息を吐いた。
「では食事を続けようか」
「はい!」
折角の鴨葱鍋が台無しだよ!
随分前に狩った鴨を軒先に吊るして、眼に蛆が湧くまで熟成させてからようやく食べれるようにしたものだ。鴨ガラでしっかりとスープを取って、肉は煮過ぎないようにしないと硬くなるのに、今の一件で火を通し過ぎてしまった。
まあ、軟骨と腿肉をミンチにして、生姜と柚子を効かした肉団子は多少火を通しても美味しいし、何よりも葱が絶品だ。
他にも火加減が難しいので、鴨胸肉を串に刺して焼いた料理は料理人に作らせているし、ローストした鴨胸肉を蜜柑ソース食べる物も前に出ている。もちろん大好きな鴨の燻製も作らせてある。
他にも鴨肉を鍋に張った汁(醤油、たまり、煎り酒などを混ぜる)を付けながら鍋肌で焼き、汁を張った椀に5切れほど盛ってワサビを添えて出す治部煮と言う料理や、鴨肉をそぎ切りにし、麦の粉を付けて濃い醤油味の汁で煮てワサビを添えて食べる麦鳥と呼ばれる料理も作らせてある。
一旦食べだしたら、さっきまでのことは綺麗さっぱり忘れることができた。ずっと愉しみにしていた鴨尽くし料理だ、堪能するまで食べるぞ!
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