魔法武士・種子島時堯
第103話九条禅定太閤殿下の帰京
1539年8月『筑前国・博多湊』種子島大弐時堯・11歳
「いやはや、またこの1年で凄まじく発展したな!」
「それほど違って見えますか?」
「おお見えるとも、船着き場の数は増えているし、集まっている船の数も倍増している、何より湊で商いをしている商人の数が3倍、いや4倍はいるんじゃないか?」
「そうかも知れませんね」
「でどうする? 瀬戸内海を航行していくか? それとも土佐沖を航行するか?」
「根来艦隊が来られる時には土佐沖を通ってこられたのですね?」
「おおよ! 土佐中村も去年より繁栄していたぞ、こことは比べ物にはならんがな!」
「土佐平定が着々と進んでおりますから」
「よく言うよ、大弐殿が土佐国幡多郡と伊予国に莫大な銭を投資して開発しているからだろ?」
「まあそれもあるかもしれませんね」
「それで、禅定太閤殿下はどの航路で京にお帰りして頂くんだい?」
「来島村上家を完全に降伏臣従させましたから、瀬戸内海を使って京に戻って下さい」
「そうかい、ではそれはいいとして、根来艦隊はいつも通り日本海廻りでいいんだな?」
「はい、今年も根来艦隊の方々には日本海廻りを御願いします」
「ああ任せてくれ、配下の者にはよく言い聞かせている」
「監物殿には禅定太閤殿下の護衛をくれぐれもお願いいたします」
「まあいつも言ってることだが、もはや種子島艦隊は俺が護衛する必要ない大艦隊だがな」
「いえいえ、監物殿の顔があるから僧門も何も言わないのです、そうでなければ何を言いだすか分かったものではありません」
「まあ頼ってもらえれば俺も根来寺で影響力を駆使できるし、交易でも優遇してもらえる、必要と思う限りは使ってくれ」
「お願いいたします」
まあ社交儀礼と御世辞はともかくとして、根来寺の影響力がなければ三好の影響下にある海域で何があるか分からない。種子島家海軍艦隊が負けることなどないと思うが、攻撃を仕掛けられたと言うだけでも、それは舐められたことになり影響力が低下するだろう。攻撃されない事が全ての大名・国衆・僧門に対する威圧になるのだ。
「だが今回は大宰帥さまは京に上られないのだな?」
「今回は禅定太閤殿下が京に着かれた頃を見計らって、私が空を駆けて京に上る予定なのです。留守の間の大宰府を父上様にお任せするつもりなのです」
「それは! いよいよ大弐殿も公卿になられるのか?」
「禅定太閤殿下はそのつもりのようです」
「確かに大弐殿が空を駆け城門や土塁を破壊して回る姿を見たら、誰であろうと敵に回したくない味方にしたいと思うだろうな」
「私の御上への忠誠心は揺らぐ事などありませんから、急ぐ必要などないと申し上げているんですがね」
「まあ禅定太閤殿下の事だから、京でも美味いものが喰いたくて大弐殿が殿上できるようにするのかもしれんな」
「そうですね、定期的に上京させて美味いものを運ばせるつもりなのかもしれませんね」
「聞いてるでおじゃるよ!」
「いやはや、またこの1年で凄まじく発展したな!」
「それほど違って見えますか?」
「おお見えるとも、船着き場の数は増えているし、集まっている船の数も倍増している、何より湊で商いをしている商人の数が3倍、いや4倍はいるんじゃないか?」
「そうかも知れませんね」
「でどうする? 瀬戸内海を航行していくか? それとも土佐沖を航行するか?」
「根来艦隊が来られる時には土佐沖を通ってこられたのですね?」
「おおよ! 土佐中村も去年より繁栄していたぞ、こことは比べ物にはならんがな!」
「土佐平定が着々と進んでおりますから」
「よく言うよ、大弐殿が土佐国幡多郡と伊予国に莫大な銭を投資して開発しているからだろ?」
「まあそれもあるかもしれませんね」
「それで、禅定太閤殿下はどの航路で京にお帰りして頂くんだい?」
「来島村上家を完全に降伏臣従させましたから、瀬戸内海を使って京に戻って下さい」
「そうかい、ではそれはいいとして、根来艦隊はいつも通り日本海廻りでいいんだな?」
「はい、今年も根来艦隊の方々には日本海廻りを御願いします」
「ああ任せてくれ、配下の者にはよく言い聞かせている」
「監物殿には禅定太閤殿下の護衛をくれぐれもお願いいたします」
「まあいつも言ってることだが、もはや種子島艦隊は俺が護衛する必要ない大艦隊だがな」
「いえいえ、監物殿の顔があるから僧門も何も言わないのです、そうでなければ何を言いだすか分かったものではありません」
「まあ頼ってもらえれば俺も根来寺で影響力を駆使できるし、交易でも優遇してもらえる、必要と思う限りは使ってくれ」
「お願いいたします」
まあ社交儀礼と御世辞はともかくとして、根来寺の影響力がなければ三好の影響下にある海域で何があるか分からない。種子島家海軍艦隊が負けることなどないと思うが、攻撃を仕掛けられたと言うだけでも、それは舐められたことになり影響力が低下するだろう。攻撃されない事が全ての大名・国衆・僧門に対する威圧になるのだ。
「だが今回は大宰帥さまは京に上られないのだな?」
「今回は禅定太閤殿下が京に着かれた頃を見計らって、私が空を駆けて京に上る予定なのです。留守の間の大宰府を父上様にお任せするつもりなのです」
「それは! いよいよ大弐殿も公卿になられるのか?」
「禅定太閤殿下はそのつもりのようです」
「確かに大弐殿が空を駆け城門や土塁を破壊して回る姿を見たら、誰であろうと敵に回したくない味方にしたいと思うだろうな」
「私の御上への忠誠心は揺らぐ事などありませんから、急ぐ必要などないと申し上げているんですがね」
「まあ禅定太閤殿下の事だから、京でも美味いものが喰いたくて大弐殿が殿上できるようにするのかもしれんな」
「そうですね、定期的に上京させて美味いものを運ばせるつもりなのかもしれませんね」
「聞いてるでおじゃるよ!」
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