魔法武士・種子島時堯
第99話マラリア
1539年5月『筑前国・大宰府』種子島大弐時堯・11歳
「あなた様は何者でございますか?」
「私は種子島家の嫡男・種子島大弐時堯とう言うものだが、おやじ殿こそ何者だ?」
「私はこの村で世話役をしている那良伊源太てもんです?」
「帰ってきた者に聞いてくれればいいが、今後この島は種子島家が統治する」
「琉球王はどうなされたのですか?」
「西表や石垣・宮古に不当な人頭税を課していたので廃立した」
「では、もう西表と石垣・宮古に人頭税はなくなるのですな? 人頭税を払えなくて、女房子供を奴隷として連れ去られることはなくなるのですね?」
「種子島家の嫡男として約束しよう、そのような事は2度とない!」
「まことでございますね?!」
「ああ本当だ、次の代官はまだ決まっていないが、最低でも琉球本島と同じ年貢になる予定だ」
「おおおおお、神様ありがとうございます」
「そこで新たな代官を決める前に、この島で困っていることを知っておきたい、この島で何か困っていることはあるか?」
「ここは病の多い地ででございます、1番困っているのは病でございます」
「なんだって! 病が多いのか?」
「はい、激しい高熱を繰り返し亡くなるのです」
「今も病の者はいるのか?」
「はい、各集落の子供たちが・・・・・」
「それでは西表島全ての集落に案内してもらおう」
「はい、承りました」
俺は、西表島7カ所の集落と5つの島を飛んで回った。全ての領民は俺が空を駆ける姿にに驚き畏怖した。最初に訪れた祖納集落の代表者だけでなく、各集落の主だったもの5名を、移動飛行時に運ぶための大型籠に乗せて一緒に飛び廻った。
「この子達か?」
「痩せ衰えているが、食べる物をちゃんと与えているのか?」
「はい・・・・・」
「咎めぬから正直に申すのだ!」
「琉球王家への年貢が払えず、母親が連れ去られてしまった為、食べる物にも事欠いているのです」
「助けてやる者はいないのか?」
「村の者達も同じでございます。助けてやりたくても自分達もぎりぎりなのです。次の年貢までに蓄えておかないと、妻や娘を連れ去られてしまうのです」
「分かった、困窮する民には、俺が食料を貸し与えるから、少しずつ返してくれればいい。返す方法は魚を捕って、それを干して保存食にしたり、塩を作ってくれれば買い取ろう」
「塩作りと申されましても、そのような技術はありませんし、平地を塩作りに使えば耕作が出来なくなります」
「技術指導は我が家から人を派遣する。塩作りをするのは、耕作に適していないところで、極力天日を利用して行おう」
「そうですか、そうして頂ければ助かります。それと虫のいい話ではありますが、出来ましたら猪を狩っていただけないでしょうか。そうして頂ければ少しは収穫が多くなると思います。そうすれば年貢も借財の返済も多くすることができます」
「なるほど、直ぐには無理だが、西表領の様子を見ながら決めることにしよう」
「何卒よろしくお願い申し上げます」
「さて、この子たちの病気を見させてもらろう」
「お願いします」
これは!
マラリアだ!
そうか、西表島でもマラリアが発生するのか、だとすると台湾もマラリアを心配しなければならない。こうなるとコレラ・赤痢・チフス・ジフテリア・デング熱・マラリアなどの風土病を心配しなければならない。
そうなると対策なしに台湾侵攻は無謀だな、いや今はそんな事を考えている場合ではない、先ずは目の前の子供たちを助けなければならない!
外部に魔法を発生させれないから、治癒魔法も駆虫魔法も使えない。俺自身の体内でなら、治癒魔法も防御魔法も駆虫魔法も発生させる事が出来るのだが・・・・・
うん?
俺の体内で治癒魔法や駆虫魔法を発生させて、接触させて浸透圧でそれを病人の身体に流し込むことは出来ないだろうか?
何よりも体内で予防薬や治癒薬を精製して、汚い話だがそれを嘔吐する形で創り出せないか?
俺は試しに手の中に治癒魔法を発生させるイメージを創り出した。そしてその手を病で苦しむ子供に当ててみたが、効果を伝えることは出来なかった。
そこで口の中に治癒魔法を発生させてみて、その口で子供にキスをしてみたが、それでも子供に効果を与える事は出来なかった。
次に駆虫魔法を手の中に発生させてみた、そしてその手を子供にあてて効果を確かめてみたが、残念ながら全く効果が現れなかった。
最後の手段として犬歯に駆虫魔法を発生させ、ドラキュラではないが子供の手の血管に噛みついてみた。
ここでようやく駆虫魔法が噛み付いた部分から子供の身体の中で効果を現した事を確認できた!
「よし! これで大丈夫だ、次の子供の所に案内してくれ!」
「はい!」
俺は西表では完全な神になった!
「西表島の集落」
北西部、祖納岳の麓に拡がる祖納集落
北東部一帯の古見集落
仲間集落
上原集落
西部、船浮湾に面した集落
西部に位置する西表集落
南西部、鹿川湾に面する鹿川集落
上地島(かみぢじま)の集落
下地島(しもぢじま)の集落
由布島(ゆぶじま)の集落
波照間島(はてるまじま)の集落
与那国島(よなぐにじま)の集落
「あなた様は何者でございますか?」
「私は種子島家の嫡男・種子島大弐時堯とう言うものだが、おやじ殿こそ何者だ?」
「私はこの村で世話役をしている那良伊源太てもんです?」
「帰ってきた者に聞いてくれればいいが、今後この島は種子島家が統治する」
「琉球王はどうなされたのですか?」
「西表や石垣・宮古に不当な人頭税を課していたので廃立した」
「では、もう西表と石垣・宮古に人頭税はなくなるのですな? 人頭税を払えなくて、女房子供を奴隷として連れ去られることはなくなるのですね?」
「種子島家の嫡男として約束しよう、そのような事は2度とない!」
「まことでございますね?!」
「ああ本当だ、次の代官はまだ決まっていないが、最低でも琉球本島と同じ年貢になる予定だ」
「おおおおお、神様ありがとうございます」
「そこで新たな代官を決める前に、この島で困っていることを知っておきたい、この島で何か困っていることはあるか?」
「ここは病の多い地ででございます、1番困っているのは病でございます」
「なんだって! 病が多いのか?」
「はい、激しい高熱を繰り返し亡くなるのです」
「今も病の者はいるのか?」
「はい、各集落の子供たちが・・・・・」
「それでは西表島全ての集落に案内してもらおう」
「はい、承りました」
俺は、西表島7カ所の集落と5つの島を飛んで回った。全ての領民は俺が空を駆ける姿にに驚き畏怖した。最初に訪れた祖納集落の代表者だけでなく、各集落の主だったもの5名を、移動飛行時に運ぶための大型籠に乗せて一緒に飛び廻った。
「この子達か?」
「痩せ衰えているが、食べる物をちゃんと与えているのか?」
「はい・・・・・」
「咎めぬから正直に申すのだ!」
「琉球王家への年貢が払えず、母親が連れ去られてしまった為、食べる物にも事欠いているのです」
「助けてやる者はいないのか?」
「村の者達も同じでございます。助けてやりたくても自分達もぎりぎりなのです。次の年貢までに蓄えておかないと、妻や娘を連れ去られてしまうのです」
「分かった、困窮する民には、俺が食料を貸し与えるから、少しずつ返してくれればいい。返す方法は魚を捕って、それを干して保存食にしたり、塩を作ってくれれば買い取ろう」
「塩作りと申されましても、そのような技術はありませんし、平地を塩作りに使えば耕作が出来なくなります」
「技術指導は我が家から人を派遣する。塩作りをするのは、耕作に適していないところで、極力天日を利用して行おう」
「そうですか、そうして頂ければ助かります。それと虫のいい話ではありますが、出来ましたら猪を狩っていただけないでしょうか。そうして頂ければ少しは収穫が多くなると思います。そうすれば年貢も借財の返済も多くすることができます」
「なるほど、直ぐには無理だが、西表領の様子を見ながら決めることにしよう」
「何卒よろしくお願い申し上げます」
「さて、この子たちの病気を見させてもらろう」
「お願いします」
これは!
マラリアだ!
そうか、西表島でもマラリアが発生するのか、だとすると台湾もマラリアを心配しなければならない。こうなるとコレラ・赤痢・チフス・ジフテリア・デング熱・マラリアなどの風土病を心配しなければならない。
そうなると対策なしに台湾侵攻は無謀だな、いや今はそんな事を考えている場合ではない、先ずは目の前の子供たちを助けなければならない!
外部に魔法を発生させれないから、治癒魔法も駆虫魔法も使えない。俺自身の体内でなら、治癒魔法も防御魔法も駆虫魔法も発生させる事が出来るのだが・・・・・
うん?
俺の体内で治癒魔法や駆虫魔法を発生させて、接触させて浸透圧でそれを病人の身体に流し込むことは出来ないだろうか?
何よりも体内で予防薬や治癒薬を精製して、汚い話だがそれを嘔吐する形で創り出せないか?
俺は試しに手の中に治癒魔法を発生させるイメージを創り出した。そしてその手を病で苦しむ子供に当ててみたが、効果を伝えることは出来なかった。
そこで口の中に治癒魔法を発生させてみて、その口で子供にキスをしてみたが、それでも子供に効果を与える事は出来なかった。
次に駆虫魔法を手の中に発生させてみた、そしてその手を子供にあてて効果を確かめてみたが、残念ながら全く効果が現れなかった。
最後の手段として犬歯に駆虫魔法を発生させ、ドラキュラではないが子供の手の血管に噛みついてみた。
ここでようやく駆虫魔法が噛み付いた部分から子供の身体の中で効果を現した事を確認できた!
「よし! これで大丈夫だ、次の子供の所に案内してくれ!」
「はい!」
俺は西表では完全な神になった!
「西表島の集落」
北西部、祖納岳の麓に拡がる祖納集落
北東部一帯の古見集落
仲間集落
上原集落
西部、船浮湾に面した集落
西部に位置する西表集落
南西部、鹿川湾に面する鹿川集落
上地島(かみぢじま)の集落
下地島(しもぢじま)の集落
由布島(ゆぶじま)の集落
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