魔法武士・種子島時堯

克全

第69話大宰府構想

1537年8月『日向国・土々呂城』種子島左近衛権少将時堯・9歳

「やっと帰京して下さったな!」

「はい、これで少しは楽が出来そうです」

「そうだな、禅定太閤殿下は少将の事がお気に入りだったから、毎日一緒に飛び回ることになったからな、気鬱の病は大丈夫か?」

「それは大丈夫でした、禅定太閤殿下は強かな方ではありますが、お人柄は気さくで接し易い方でしたから」

「そうだな、毎日の銭の無心は困窮する家なら憂鬱なのだろうが、少将ならば全く苦にならんだろうしな」

「そうですね、銭金で済む事なら何の痛痒も感じません」

「それにしても、全額でどれくらい無心されたのだ?」

「5万7359貫文です」

「莫大な金額だな!」

「父上様が大宰帥に任命され、配下の国衆・地侍に官職を与える権限を得る事が出来るか、畿内に3000貫文の化粧領を得る事が出来るのなら安いものです」

「そうだな、筑前国・豊前国・豊後国の国衆・地侍に大宰府の役職に任じることが出来れば、降伏臣従させ易くなるな」

「はい、それに既に降伏臣従させてる九州諸国に国衆・地侍に官職を与えることで、さらに忠誠心を持たせる事も可能です」

「うむ、確かに自称で官職名を名乗っていても、実際には無位無官の者が大半だ、彼らに正式な官職を与えることが出来るようになることは大きい」

「はい、禅定太閤殿下にも、無位無官の役職の定員は廃止して、無制限に採用できるようにお願いしておりますし、大初位下の防人令史も無制限に採用できるようにお願いしております」

「そうだったな、それが可能になれば種子島家で国防軍を編成することが出来るな!」

「大宰府構想・大宰府職員」
大宰帥・従三位・定員1人
大宰権帥・従三位・定員1人
大宰大弐・従四位下相当・定員1人・大宰府の次官の上位
権帥を置かないときに置く
大宰少弐・正五位上・定員2人
大宰大監・正六位下・定員2人
大宰少監・従六位上・定員2人
大宰大典・正七位上・定員2人
大宰少典・正八位上・定員2人

主神・定員は2人
大判事・従六位下・定員1人・裁判官
少判事・正七位上・定員1人・判事の下級官
判事大令史・大初位上・定員1人・判事の上級補佐官
判事少令史・大初位下・定員1人・判事の下級補佐官

主工・正七位上・定員1人
少工・正八位下・定員2人

史生・定員30人・事務官
府掌・定員2人・事務官
書生・定員10人・事務官
使部・定員100人・事務官
散仕・定員100人・雑用官
仕丁・定員182人・雑用官

主船・正八位下・定員1人・造船関係官
主厨・正八位上・定員1人・食糧関係官
主城・正八位上・定員1人・城の防備
綾師・定員1人・織物技術指導官
弩師・定員1人・武器職工官
博士・従七位下・定員1人・教育部長
陰陽師・正八位上・定員1人・陰陽師
医師・正八位上・定員2人・医務部長・医事教育
算師・正八位上・定員2人・主計部長
検非違使 定員2人・検察官
権検非違使・検察官

防人正・正七位上・定員1人・防人の長官
防人の名簿・糧食・武具・衣服・教育すべてを総括した官
防人佑・正八位上・定員1人・防人の判官
防人令史・大初位下・定員1人・防人の主典
防人・海防のために大宰府に設置された兵・3年交替

鼓吹丁・軍楽官
大唐通事・中国語通訳官
新羅訳語・韓国語通訳官
蔵司・倉庫関係官
税倉・税務関係官
薬司・製薬関係官
匠司・工務関係官

修理器仗所・武具倉庫
警固所・869年の新羅海賊襲撃事件を機会に設置・敵軍警固の海防総司令部
権摂使・大宰府管内の国の国司死去時に大宰府から派遣される使者
国内の状況を記録して帰府し、交替にそなえた
営城監・令外官の1つ・764年に設置・大宰府の築城官
続命院・病人収容所。大宰府の南郭にあった
822年ころから大宰大弐の小野峯守が建設設置
大宰大監または大典が管理した・835年に勅許により管轄とした

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